プロローグ3
自分で書いておきながら不安ですw
あと、ニーナは主人公ではありませんw
~ニーナサイド~
こんにちわ!今日も良い天気ですね!
こんなに良い天気ならピクニックも良いですけど。
ですが、今日はピクニックではなく別の目的があるのです!
実は何と!明日は弟の誕生日なんです!
パッパラ~!
ワタシは一人でバンザイしてみる
ここは年上でお姉ちゃんであるワタシが頑張らないといけないのです!
と言う訳でお母さんが作る鳥の香草蒸しの薬草を採るために森に来ています
お母さんは危険だから大丈夫だと言ってくれたけど
「ワタシも今年で一五才なんだからそれぐらい手伝わせて!」
と頼んだら渋々了承してくれました!
ワタシは昔からおっちょこちょいで直ぐにミスをしちゃったけれど
それは昔の話だもん!
今なら全然へっちゃらです!
それにお母さんの作った香草蒸しは頬が落ちちゃうほど美味しいのでいてもたってもいられず
頼んだと言うわけです!
ここに来るまでの回想をワタシの頭の中で繰り広げながら
私は薬草を採るためにズンズン森の奥へ進んで行きます
「結構木が茂ってきたし薬草もちらほら摘んだのですが、やっぱり薬草はたくさんあった方が良いですよね?」
と、ワタシは更に奥に進みます
あまり奥へ行っては危険だとお母さんとお父さんに言われていたけど薬草が思ったより採れないので奥に行くと決めたのです!
森の奥は木や草が人の手があまり入っていないため進みにくかったですがそのかわり、たくさんの薬草を摘みました!
パチパチ!
ワタシは一人で拍手
「そろそろ、日も暮れるから帰らないと」
それにしてもたくさん採れた
ワタシは自慢である栗色の髪の毛と同じ猫耳をピン!と立たせた
これでみんな喜んでくれるかな?
早く家族の笑顔が見たいと、はやる気持ちを抑えながらウキウキとスキップで帰ろうとしたら
私は見た見てしまった…
木と木の間に鎮座している葉っぱと実の様なもの…
そう!何を隠そう魔タタビなのです!
ワタシは初めて見たのですけどこれは魔タタビだと知識で分かったのです
昔お父さんが言っていました
「アイツはヤバいぜ…一度使ったら戻って来れないかも知れない…」
何て恐ろしいのでしょう
ふと、私は呟きます
「こんな恐ろしいものはこの辺りには無いってお父さんが言っていたような…」
ですが目の前には魔タタビがあります
これは鑑定する必要がありますね…
私は薬草を足元にソッと置いて魔タタビに近づいてみる
そしてワタシが魔タタビに顔を近づけた途端
ストンと首筋に落ちる軽い衝撃
おそらく手刀でしょう
ワタシは声を上げる暇もなく意識を無くしてしまったのです
「むにゃぁ、お腹いっぱいにゃあ……ハニャッ!」ワタシは一体何をしていたんですか?
たしか魔タタビを見つけて近づいたら誰かに気絶させられたんです!
周りはもうすっかり夜になってしまっていました
そしてここは魔タタビが、あった場所ではありません
多分同じ森なのでしょうが自分ではよくわかりません
こんなに遅くなってしまって家族を心配させてないか不安です
そこで薬草が無いことに気付いた私は周りに自分の薬草がないか確認しようと立ち上がろうとしましたが
「あれ!?おかしいです!」
そう!ワタシは両手足が縛られているのです
しかも、手は後ろで縛られているので動かせるのはこの耳だけです!
「オイ」
突然かけられた低い声にワタシは思わずピンと耳を立てる!
「ひゃい!ニャ、ニャんですか!?」突然後ろから見上げるほどの大きな男の人がいました
びっくりしましたニャ!
ワタシの心臓がバクバク奏でている内にさらに男の人が話しかけてきました
「お前の身柄は俺達オッズ盗賊団が預かったぜ!お前ほどの上玉なら王都で高く売れるな!」
「そうですね頭!」
と周りには複数の盗賊の人達
ワタシは初めて目にしましたが皆さんとても前衛的な格好です…
それにオッズ盗賊団と言えば最近この辺りで悪さをしているとお父さんが言っていました
「へヘッ!」と変な笑いを漏らす盗賊達にワタシは不安がつのる
王都に売られる事や上玉などよく分からないけど
一つ確認しなければいけないことがあります
これが一番大事な事です
「ワタシってこのまま売られてしまうと言うことは家族に会えなくなってしまうんですか?」
ワタシは家族が!村の人達が!大好きなんです
会えなくなるなんて絶対嫌です!
「ハッ!当たり前だろうが!お前は二度とここには帰って来れねぇし家族にはあえねんだよ!」
それを聞いてワタシは初めて恐怖を抱きました
もう家族に会えない…
そう考えただけで胸が張り裂けそうになり
目には涙が浮かんできます
「いまさら怖くなりやがったかぁ?バカな女だぜっ!」
オッズさんは怖がるワタシを見て上機嫌になりながら続ける
「よし!ここまで来るとは思わねぇがミルランの奴らが来ても面白くねぇ…オイッ!早くコイツを馬車に押し込め!」
「あいさっ!」
部下だと思われる盗賊さんがワタシに近づいてきます
「イヤッ!行きたくないです!連れていかないでくださいっ!」
ワタシは必死で身をくねらせるも盗賊さんには全く意味をなさず、ひょいとワタシの体を担ぐ
そして、近くに止めてあった馬車にワタシを押し込もうとします
ワタシは恐怖と不安でこらえていた涙が遂に溢れ出してしまいます
そんな時です
ワタシを担いでいる人含めて三人いたはずの盗賊さんのひとりが突然吹っ飛びました!
ゴドンッ!とまるで大木で殴られたかのような轟音
そして、倒れた盗賊さんの近くには手のひら程の大きさの石
恐らくあれが当たったのでしょう
ですが石が当たってあれほどの威力でるでしょうか?
オッズ盗賊団の皆さんは何が起こったのかわからず周りを見渡しています
ワタシ達ミルラン族は皆夜目がとても良く利きます。なのでワタシは石が飛んできたと思われる方向を見つめます
そこで、ワタシは見てしまったのです!
およそ五十メートル程先に目を爛々と輝かせ頬を蒸気ながらその視線はワタシを貫かんばかりに見つめていました。
そう!何を隠そう!変態さんが森にいたのです…
やがてオッズさん達もその人影に気づいたのでしょう
ワタシを担いでいた盗賊さんはワタシを地面に下ろして
人影に向かって行きました
「チッ!まさかミルラン族の奴らが気づきやがったか?」
そう言って怒鳴りながらオッズさんはワタシを馬車に詰め込みます
ワタシは詰め込まれる寸前にも人影が石で二人目の盗賊さんを撃破していました
彼は誰なのでしょうか?
盗賊の仲間では無いでしょうし、ミルラン族の人でもありません
では、彼は何者なのでしょうか?
ワタシは考えが纏まらないまま暗い馬車の中に押し込まれてしまいました
外ではオッズさんが大声で何かを叫んでいますが馬車の中ではよく聞こえません
そして直ぐに「ぶへぇっ!」とオッズさんだと思われる悲鳴が
そしてさっきの人影だと思われる方の足音が馬車に近づいてきます
ワタシは助かるんでしょうか?
それともまた、さらわれてしまうのでしょうか?
知らず知らずの内にワタシの心臓は高鳴っていきます
そして馬車の扉が開かれます
私はあの変態さんがどんな行動をとるかわからず不安になりながらも
一方でもしかしたら助けてくれるのではないかと思い不安と希望が入り混じった気持ちで扉を開ける相手を待ちます
そして、扉が開かれます
ワタシ驚いてしまいました
目の前には一人の人族の青年がいました
先程も見ましたが遠くからなのでよく分からなかったのです
近くで見るとその青年の方は月の光を浴びてなのかツヤツヤ輝く綺麗な黒髪、スラッと通る鼻筋
服装は白いシャツにワタシには分かりませんがとても細かに編み込まれているズボン?
身長はオッズさん程ではなくても十分見上げるくらいです
全体的に痩身ですが、頼りなさそうな体ではなく無駄のないしっかりした肉体です!
ですが、一つ気になるのが彼の黒髪と同じ綺麗な黒い瞳でワタシの自慢の耳を凝視しています!
なんなんでしょうか?
人族にはないものなので珍しいのはわかるのですが…
しかし、私は扉を開ける前に感じていた恐怖は不思議と感じません。
彼はワタシの栗色の耳を凝視しながら聞いてきました
「大丈夫だ、今縄をほどく」
良かったやっぱり助けてくれるんだ!
ワタシは安心する
ワタシの縄をほどき始める彼に私はお礼を言う
「助けていただいてありがとうございます。何とお礼を言ったらいいか」
ワタシはなるべく平静を装いながら言った
いつものワタシならワイワイうるさいだろうが大人ぶってあえて淡々とのべたのだ!
それに、会ったばかりですけど彼には恥ずかしい所を見せたくないと思ったのです。
こんな、感情は初めてです!これがお母さんの言っていた大人になると言う事でしょうか!
そんな事を考えながらワタシは彼に自分が捕まってしまった
いきさつを話す
彼はわたしの縄をほどきながらも黙って聞いてくれました
ワタシは再びお礼を言う
「本当にありがとうございます!オッズ盗賊団を倒すなんて強いんですね!」
「まあな」
彼はちらちら私の耳を見ながら答えるまるで何かを我慢しているようです
気になりながらもワタシは彼にお礼をしたいため村でもてなそうと思いました
我ながら良い考えです!
「あなたをワタシたちの村に招待したいんですけど、どうですか?」
もてなしたい気持ちもありましたが、ワタシは何よりも彼ともっと話してみたいと言う気持ちもありました
本当にワタシはどうしてもしまったのでしょうか?
あとでお母さんに聞いてみましょう!
等と考えながら彼の返答を待っていると
彼は突然ガバッ!ととんでもない早さで土下座をしてきました
突如の土下座にワタシはあたふたしていると彼は
「お願いします!その神聖なる猫耳を触らせていただけないでしょうか!」
ワタシはポカーンとマヌケな顔をしていたでしょう
だってミルラン族にとって猫耳は大事な物です
普通はもしもの事がない限り家族にも触らせません!
だから、触らせると言うことは体を許してしまうと言う事であり…
つまりは……そうゆう事なのですニャ!
ワタシが返答に困ると彼は続けざまにワタシの猫耳を誉めちぎってきました!
特に可愛い!という叫びにワタシは思わず
「そ、そうですか?」
となんとか返答する事が出来ましたが顔が熱くなり猫耳もピョコピョコ動かして嬉しさを隠す事が出来ずにいます
確かに彼ならば助けてくれた訳でもあるし猫耳もこんなに誉めてくれた訳であるので
良いのでしょうか?
どうなんですかね?
ワタシが一人の世界に浸っていると彼が
話しかけてきた
「ああ、素晴らしいと思います!俺は今まで日本で生きてきてこんなに素晴らしいお耳を見たことありませんぞよ!」
ひゃあ!更に追い討ちをかけるように誉めてきます!
これは本当に何なんでしょうかね?
しかし、気になることがあります
日本って何でしょうかね?
生きてきたと言うことは住んでいたんでしょうか?
ワタシはつい言葉が出てしまった
「日本?なんですそれ?」
彼は不思議そうな顔をする
そのあと考え込んでしまいました
しばらくすると変顔?みたいな事をしてきたので
彼は、日本を知らなくて怒っているのだと思い
「ご、ごめんなさい!物知らずで!」
と謝った
ワタシは頭が良い方ではないのでわからないが
きっと何も知らない人がいたら怒る人もいるだろうと思い謝ったのです
「大丈夫だ、怒ってないよ」
ワタシはそれを聞いて安心しました!
この人には嫌われたくないとワタシは心のどこかで感じています。
初めての気持ちに戸惑ってしまいますが
不思議とイヤな気分ではありません
「じゃあ、君は何人だい?どこの生まれ?」
それはワタシにもわかります!
ワタシはやっと答えられる質問がきたので嬉しくなり元気よく答えた
「ワタシはマリア大陸生まれでミルラン族のニーナです!」
「なるほど、わからん」
と良いながら彼はうなだれてつぶやきました
その後もたくさんの事を彼と話していたらすっかり夜中になってしまいました
ワタシは彼を村に招待したいと改めて話すと
「今日は遅いから明日出発するぞ」
といったので眠ることになりました
彼は盗賊達を縛ってから寝ると言って外へ行ってしまいました
ワタシも手伝います!と言ったのですが先に休んでくれと言われ座らされたので
お先に眠る事にしました
馬車の中で丸まりながらワタシは今日の事を思い出す
薬草を無くしてしまったのでまた摘まないといけない事と家族や村の人に心配をかけてしまった事などたくさんありますが
一番は彼の事です!
最初見た時は正直ただの変態さんだと思いましたが…
実際に話して見ると落ち着いた態度に大人びた表情
どれもワタシには無いワタシの憧れる物だったのです!
あと、それとは違う心が暖かくなるような安心感を彼に感じました
ワタシはこの不思議な感情がなんなのかわからず
いつの間にか眠っていたのです。
ニーナさんは主人公にどういう感情を抱いてるんですかね?(ニヤニヤ)