言葉の通じない場所 (2)
「おいしい。。」
言葉は通じなくても味覚は同じなのか、ソファーに座ってのむハーブティのようなものはおいしかった。
中年の女性は、梨花が話したことにビックリしたのか、また梨花の隣に座る男になにやら話しかけている。
大きな洋館についたあと、このスイートルームのような部屋につれてこられた。
男は抱えてきた梨花をソファーに座らせると、自分も隣に腰掛けた。
向かい側には、当然のように中年の女性が座ると、すぐにメイドさんがお茶をだしてくれた。
落ち着いたからか、お茶を飲んだからか、昨日からいってないからか、
今まで忘れていたことをビックリするぐらい、梨花は下腹に圧力を感じた。
でも、『トイレ行きたいです』ってどうやって言えばいいのでしょう??
アピールするにしても、日本人なら和式の姿勢でOKかもしれないけど、一応外人さん?だし?
しかも洋式の方法ってどうやって??
どんなトイレかも分からないのに。
考えているとどんどん行きたくなる。
もうダメ!!
梨花は持っていたティーカップを置くと、突然立ち上がり、中年女性の前に移動して
そして、自分の下腹部を指してから、ゾウの鼻のように手を下腹部から下に出して「ジャー」
って、理解してもらえるまで何度も繰り返す。
このジェスチャーによる羞恥心なんて、漏らすことに比べたら大したことは無い・・・
中年女性も思い当たることがあるのか、梨花の手を引き、それらしき場所につれていってくれた。
トイレは、洋式のようであるが、水は流さなくても蓋を閉めるだけで綺麗になるようだ。
どういう仕組みかは分からないけど、これで一つ困ることがなくなったのでよしとしよう。
中年女性は、いまのジェスチャーにヒントを得たのか、自分を指してなにやら単語を言っている。
「アンジ?」
「アンジ!!!」
梨花が繰り返すと嬉しそうに、やっぱり自分を指して連呼する。
中年女性の名前らしい。
梨花も自分を指して「りか」と何度か連呼した。
「リカ!!」
アンジも分かってくれたようだ。
同じ方法で、男の名前も聞いたのだが、梨花には発音が難しいらしく、呼び名は『クラウド』でいいらしい。
ようやく名前が分かったところでメイドさんが来て、アンジに何かを告げると、
アンジに手を引かれて梨花は扉の奥へ連れて行かれた。
アンジのジェスチャーによるとどうやら、お風呂を使わせてもらえるみたいだ。
お風呂ということは、メイクも落とせる?
メイドさん二人がかりで、お風呂の手順を教えてくれるようだが、スーツの脱がせ方は分からないようで
自分で脱いで欲しいとジェスチャーされた。
メイドさんたちのメイク事情から考えると、メイク落としもなさそうだなと思って、
裸になったあと、嬉々としてバックの中からメイク落としを持って入った。
やっぱり、毎日メイク落とし持ち歩いててよかった♪
低い椅子のような物に座らされたので、彼女たちが何かを始める前に
メイクを落とさせてもらうと、あまりのことにメイドさんたちはビックリしたのか
「「キャー」」
と、悲鳴を上げた。
メイクを落としたら、そりゃ顔変わるけどさ、悲鳴は上げなくてもよくない?
悲鳴は気にせず、その場にある石鹸らしき物を使って洗顔していると、バタバタって音がして、
『マジで?』って思ったときにはもう遅くって、風呂場の扉を勢いよく開ける、クラウドとアンジと見知らぬ若い男がいた。
見られても減らないからいいけど、なんかこの、低い椅子に裸で腰掛けてる姿勢を見られるのって
下腹とか、ぷっくり出てて一番嫌な気がする。
しかも、美形で逞しそう男二人に見られるの、辛いわ!!
メイドなら、スッピンぐらいで悲鳴あげるな!!