森の中 (6)
隙間から日が差し込む感じに、眩しくて少し目を開ける。
日が差し込むカーテンの隙間を閉じようと手を伸ばすが、そこに布らしき感触はない。
剥き出しの木の板のざらついた感じを指がなぞり、ビックリして体を起こす。
見慣れた自室でなくて、木と木の間から光が差し込み、そこはロッジのような小屋だった。
背の高い男に連れられてこの小屋にやって来たことを思い出すが、男の姿はない。
ベットを勧められて、そのまま男が差し出したマントに包まって眠ってしまったようだ。
突然現れた男が何者かも分からないのに、図太い自分の神経に若干呆れてしまう。
剣を見せ付けられて驚いたが、切り株の前から連れ出し、雨宿りのために小屋に入れ、
そして、一つしかないベットを貸してくれたということはきっと保護してくれたとしか思えない。
人間を殺そうとしないなら、剣は森の中の獣を狩るために使うのかもしれない。
だとしたら、男は猟師??
見事な体格といい、筋肉といいそうなのかもしれない。
ってことは、今彼は、また狩りにいってるのかも??
標的は昨日みた豹なのかしら?
でも、あの豹が捕まるとは思えない。
では??
ウサギやイノシシみたいなのを朝飯用に取りに行ったとか?
うう。。。
絶対食べれない。
生肉とか、捌きたてとか無理!!
阻止しなきゃ。
慌てて簡易ベットから飛び降り、小屋の扉をバンと開けて外にでる。
外にでると、昨夜の雨は無かったかのような、気持ちいい朝で、
小屋の横で男は馬の手入れをしていたようだが、扉を開ける音が大きかったせいか
小屋からでてきた梨花を見ていた。
昨日見た男と一緒であるはずであるが、太陽の下で見ると別人のようである。
ダークカラーであると思っていた髪の毛は、濃い青紫で、光に透かされてキラキラと輝いているし、
瞳の色も同じく青紫で、まるで宝石のようだ。
彫りが深い顔立ちは、精悍な感じを受け、白いシャツとズボンは質がよさそうな生地で
帯剣している姿は、猟師と言うより騎士のようである。
しかし、青紫の髪の毛をした人間なんているのであろうか?
「×××××××××××」
男がまた何かを話しかけたようだが、梨花には分からない。
男は、梨花がやはり理解できないのを確かめると、馬のお腹を2回軽く叩き、小屋の中に入っていた。
梨花が日常に帰る為にはまず、馬に乗せてもらい男に森の外に出してもらわなくてはいけない。
小屋の中に入って、そのことを伝える術を持たない梨花は、馬のそばで待つことにした。
馬は、昨日見たとおり、3メートル近くある巨大な体格であったが、
目を見ると、優しそうで、梨花をどこにでも送り届けてくれそうな感じがした。
小屋の中に入っていった男は、思ったよりすぐに出てきて、手には梨花の荷物を持っていた。
どうやら、男もどこかへ梨花を連れて行ってくれるようだ。
昨夜と同じように梨花を馬の上に乗せてくれ、男もその後ろに乗りこみ、ゆっくりと馬を歩ませた。