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my sense  作者: 桜井 璃衣
11/18

領主の家 (1)

「そとにいきたい」


最近覚えた2語文依頼系?で頼んでみる。

またかといった表情でローレンは呆れながら見るが、毎日毎日部屋の中じゃ息が詰まってしょうがない。

ローレンからの了承は得てないけど、呆れ顔=OKってことでしょ?と勝手に解釈した梨花は立ち上がって外出の準備を始めた。



クラウドに連れられて、アンジとローレンが住む家に来て早2週間。

コチラのこよみはまだ分からないから、梨花はこの家に着てから夜寝るたびに手帳に記入して数えている。


毎日、メイドさんに朝起こされてから朝食終了後まで、メイドさんとの会話レッスン。

そこから昼食まで、アンジによる語学講座。

ローレンがいれば、三人でランチしながらやはり会話レッスン。

ローレンがいる日は、午後はローレンでいないときはアンジ・・・・・

以下省略。


と言う感じで、眠るまで常にこちらの言葉を覚えさせられているんだけど、

未だに、2、3歳レベルまでしか上達していない。

この調子だと、日本へ帰る方法を聞きだすまでに、2ヶ月以上はかかりそうで

日本に帰ったら、転職したばかりの会社は、外資系だけに無断欠勤で解雇されるに違いない。


自分の語学習得能力のなさ加減にうんざりしてしまう。


一番、面白いのはメイドさんとの会話なんだけど、彼女たちは色々仕事があるみたいで、

食事時とか、アンジやローレンの手が塞がっているときにしか教えてもらえない。

19歳のロゼッタと21歳のリリは、オシャレや恋愛話といった興味深い話が多く面白いんだけど、

使う文法だったり、単語に偏りがあったりして、教師としてはイマイチかも知れない。


アンジの教えてくれるのは、正しい語学で、ちゃんと考えて教えてくれてるんだけど、

なにせ驚きの70歳と言うだけあって、メイドさんに聞くと『今はそういういいかたしないですよ』という古文?・・・もたまにある。

梨花の予想では、55歳ぐらいのイメージだったんだけど、ちょっとお年を召していてビックリ。


そして、優しそうな王子様風なローレンが一番、鬼教師だった。

とにかく、できる男といった感じ。

一度言ったことは、二度と教えないし、すぐに応用をたくさんやらせるし、

ローレンと勉強した後は脳の消耗が半端ない。

だから、ローレンに会わない日はラッキーだと思ってたんだけど、数日前にローレンが外に連れてってくれてからは、ローレンとの勉強の時が待ち遠しくなった。


アンジやメイドさんに頼んでも外へは、連れて行ってくれない。

どうやら、ローレンじゃないとダメらしい。


初めて外に出たときは、敷地内にある厩や、家畜小屋等々を見せてくれた。

クラウドの乗っていた馬よりは、小さいけど、どれも日本の馬よりは大きい気がする。


2回目は、ローレンの馬に乗せてくれてちょっとした丘まで行ってくれた。

でも、乗馬中も常に会話レッスン・・・・

お陰で舌をかみそうになったけど、部屋に篭ってるよりはマシだろう。



外出の準備のためにメイドさんを呼ぶと、ロゼッタが来てくれて、ローレンと少し会話をして、たぶん行く場所によって服を変えるんだと思うんだけど、それからローレンが出て行った。


ローレンが出て行くと、しおらしくしていたロゼッタは俄然がぜん元気になって、いつものようにキャピキャピと捲し立てながら服を取り出してきた。

今日の服は、ロゼッタが着ているようなメイドさんたちの制服によく似ている。


「ローレン様とお出かけなんてホント羨ましいです。帰ってきたら、教えてくださいね。」


ロゼッタはローレンの大ファンで、『19年間生きてきてこんなにかっこいい人はは見たこと無い』と行っているから、彼はコチラでも美形に認定されているらしい。

どうやら、このあたり一体はローレンの領地らしく、でも他にも領地はあってココは別荘のようなもので、大叔母にあたるアンジがかわりに住んでいるらしい。

梨花が来る前は、ローレンがココへ来るのは3ヶ月に1回ぐらいで、ロゼッタが直接話しかける機会もほとんど無かったから、梨花がココに来て嬉しいといってくれた。


ロゼッタに用意をしてもらって玄関をでると、ローレンは馬を用意して待っていた。



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