第3話 完璧な私を脅かす影
読んでくださりありがとうございます!
少しずつ妹の影が濃くなってきました…。
今夜も短め更新です。お楽しみください。
「セリーヌ、今日の夕食なんだが
……外で済ませることにした」
アレクは少し言いにくそうに目をそらした。
その一言が、ぐさりと胸に突き刺さる。
「どうして? 私と一緒では不都合ですの?」
穏やかに笑ったつもりだった。
でも、指先がわずかに震える。
「急な予定なんだ。……リリア嬢と話すことがある」
――リリア。
なぜそこで妹の名前が出てくるの。
「まぁ。仲がよろしいこと」
笑ったつもりが、皮肉に聞こえた。
アレクは気づかないふりをして続ける。
「リリア嬢に、色々と聞いていてね。
君のことを……心配しているようだった」
「……リリアが?」
胸の奥がざわつく。
あの子が、私を“心配”?
笑わせないで。
「私の悪い噂でも、吹き込まれましたの?」
冗談めかして投げたつもりが、
アレクはわずかに眉を寄せた。
「セリーヌ……君は完璧すぎる。
時々、何を考えているかわからなくなるよ」
喉の奥がきゅっと締まった。
完璧だからこそ、あなたに選ばれたはずなのに。
「私は、あなたしか見えていませんわ」
そう告げると、アレクは困ったように笑った。
「それが少し……怖いんだ」
怖い?
そんなふうに言われたこと、あった?
でも、飲み込む。
余計な言葉は、弱さになるから。
――彼は知らない。
私を欲しがる声が
すぐそばまで迫っていることを。
***
廊下の向こうに、ふわりと白い影。
リリアがアレクの去った背中を追っていた。
「お姉さま。アレク様と
楽しそうにお話してましたね」
無邪気な笑み。
なのに、胸の奥がざわつく。
「最近とても嬉しいんです。
お姉さまのことも、アレク様のことも」
「……良かったわね」
笑顔を返す。
返すけれど――上手く笑えない。
リリアはひらひらとスカートを揺らしながら近づく。
「でも、お姉様」
耳元へ顔が寄った。
囁く声が、甘いのに背筋が凍るように冷たい。
「全部、私にくださいね」
思わず息を飲む。
「……何を言って――」
問いかけると、リリアは
天使みたいな笑顔に戻った。
「ふふっ、なんでもありません♡」
だけど私は知っている。
その一言が
終わりの始まりだということを。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
リリアの言葉の意味は…?
次回、妹の“裏の顔”が少しずつ見えてきます。
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