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第28話 結婚

「はぁ・・・」

 俺はゼロスの胸でため息を吐く。

 ここはゼロスの私室。俺はいつものように癒されていた。

「いい加減に元気出せよシコル」

 俺はゼロスに慰められている。いや、健全にだ。


 それというのも超巨大ヘカトンアームだ。あれの呼び出しで天引きGがマイナスになっちまった。あの手のデカイ奴はイベントで使えば保証が出るらしいが、こういう普通の戦いではそんなものは出ない。

 マイナスが増えることはないらしいが短期形態進化に制限がかかっている。超巨大ヘカトンアームは元より、ENヘカトンアームも月一。ノーマルヘカトンアームは使えるが・・・ただでさえ少ない手取りGがさらに減る。一応無給という事はない。

 っつかあれだけやってイベントじゃねぇのはバグだろ。


「もうやめた。功労者が割を食う惑星ファンタジーに飽きた」

「お前はよくやったよシコル。今回だってどれだけの使徒と住人が救えたか。言うまでもねぇだろ」

「わかってる。それで薄給な事を除けばな」

「お前。十分にGはあるだろ?」

「あるけど収入が少ない。やる気が出ない。報酬が減るのは違うだろ」

「贅沢な奴だな。だったら俺がなんにでも付き合ってやるよ。狩場でも何でも付き合うぜ?」

「だったら浄化してくれ。・・・あーーー!!! こんな顔じゃギンガに合わす顔がねぇよ!!!」

「そんな事かよ。お前は凄いぜシコル。あれだ。流石ですシコル・ギウスです、だ」

「・・・俺凄い?」

「凄いぜシコル。今回最大の功労者だぜ! スタンピードを止めた挙句敵の首領を見抜いた手腕! シコル、お前じゃなきゃあの魔物MPは見抜なかったぜ! ゴッドゴーギャンの暴走理由なんて気付いたのはお前だけだぜシコル! そいつを止められたのもお前だけだ! 他に誰が出来るんだぜシコル・ギウス大先生!」

「・・・」

「しかも奪い返したゴッドゴーギャンを即座に展開、敵の首領を撃ち抜いたもんな! 誰が出来るんだよシコル・ギウス大大将!」

「・・・それほどでねぇけど」

「次のゴーレムなんてシコル・ギウス大将軍の前に跪いてたぜ! 俺達もお前を拝みたくなったくらいだ!」

「・・・いや、あんなの誰もできるだろ////」

「謙虚じゃねぇーかシコル・ギウス大天皇! 振り上げた1th地下ダンジョンの振り被りは見事だったぜ。まさに神の子! 神の一撃だったぜシコル・ギウス大大神!」

「それほどでもねぇよ////」

「いや凄ぇなシコル・ギウス。その後逆さまに突っ込んで弱点部分を頂点だもんな! 今やフルヘルスキャノンで朝のお目覚めはシコル・ギウスだもんな! お前に感謝していない奴なんていないぜ!」

「褒め過ぎだろォ//// そんな事ねぇよ////」

「これが全部お前の功績だろ相棒。しみったれてたら名が折れるぜシコル・ギウス大先生」

「くぅ~////。ゼロス、お前本当に何もんだよ。堅物なのにこんなによいしょが上手いわけねぇだろ。前世は・・・むぅ」

「そうだシコル・ギウス。前世の話は無しだ。・・・ああ。そうだ浄化神ゼロスゴッドマスターだ」

「いやでもホントに癒されまくるな。ゼロスの浄化力は。俺の邪心が軒並み消えていく。明日からなんでも頑張れそうだ」

「それなら何よりだぜ相棒。お前は何処か危ういからな。こんなことならいつでも付き合うぜ」

「お前本当にいい奴だな。おまえになら掘られても良いぜ。必要になったらいつでも言えよな」

「そん時はお前の体だけだな。心まで掘られていいのか?」

「いいぜ。俺の処女はお前にやるし、女はもう全部預けちまっても、良いのかもな・・・」

 う、安心したら眠くなってきた。流石は浄化神ゼロスだ。

「シコル・・・」

 瞼が落ちる前に、ゼロスの声が聞こえてくる。

 なんだ? いつでも、一緒に居るぜ・・・?


ーーー


「ゼロス! 立ってるぜ!」

 俺の声にゼロスが呆然とした表情を浮かべる。

「ついに立った! ゼロスが立った!」

 俺が調子に乗って囃し立てると萎んでいく。

「・・・正直スマンかった」

 

 それはその日の朝だった。

 毎朝のゴッドゴーギャンフルヘルスキャノンの砲声を聞きながら俺達は起きる。

 俺達と言ってもゼロスは既に起床済みだ。

 そこに現れたゼロスは歯ブラシを片手に雄々しく立ち上がっていた。


「やったなゼロス」

 取り合えず立ち上がる事には成功した。もうEDの完治は時間の問題だろう。

「お、おう、まるで気付かなかったぜ。お前のいつもの奇行と勘違いしたじゃねぇか」

「やっぱり俺の淫力のお陰だな。それが溜まり溜まって形になったってわけだ」

「まるで実感がねぇな。まだ無意識レベルだ。だが治るんだな」

「良かったじゃねぇか。だったら今のうちに結婚しとこうぜ」

 俺の言葉にゼロスが目を丸くする。

 ん? なんだ? 俺は変なことを言ったか?

「だから結婚だ。ゼロス、EDが治ったらお鎮鎮が蘇るんだぜ? 男がお鎮鎮に耐えられるわけねぇだろ」

「・・・」

「忘れたのか? 結婚しとかないと淫行でBANだろ。朝起きたらオークとベッドインは泣くぞ」

「・・・」

「ゼロス・・・?」

「・・・」

「・・・やりたい女が居るなら別に、俺は遠慮してもいいぜ?」

 おかしい。ゼロスの反応がない。

 俺が近づこうとするが、拒否の、感覚。俺じゃない。俺だが、それよりも女の気配に怯えている?

 ゼロスの意識が戻ったのは数分後だった。


「ああ。悪いなシコル。固まってた」

「文字通り過ぎてビビったぞ」

「ああ。結婚か。そうだな。その方が安全だな」

「今更そこかよ! ラグがあり過ぎだろ!」

「ああ。取り敢えずはギルドハウスが自宅設定だな。この部屋は結婚してもそのまま使える。一種の避難所だからな。新築を作りたいって話じゃないんだな?」

「俺はそれでいいぜ。それよりもゼロス先生は俺と初めての夜を過ごしても良いのか?」

「これは安全策だからな。実際やるかは経過しだいだ。それこそシコル。お前は良いのか? オークじゃないが俺にやられるぜ?」

「俺は、そっか、確かにハプニングなら受け入れられるけど、同意してベッドインはハードルが高いな。不意の一夜は問題ないぜ。ゼロスの体に触れていると安心するからな。浄化されてる間に済ませてもらえば」

 俺の返事にゼロスは考え込む。

「・・・そうだな。意識しすぎだな。安全策だ。取りあえず籍は入れるが構わねぇな?」

「いいぜ。女に二言はねぇ。掘るのも掘られるのも覚悟したぜ!」

「シコル。これで男化とお鎮鎮を生やすのは止めろよ。流石に俺もそこまで趣味は良くねぇぞ」

「籍を入れてる間は勝手にはやらねぇよ。俺も御免だ。初夜とED卒業。そこまでは無しだな」

「手続きはギルドで出来る。そこで指輪の交換だ。後悔はないな?」

「任せろ。俺はお鎮鎮の探求に来たんだ。今更恐れたりしないぜ!」


ーーー


「シコルさん!!! おめでとうございます!」

 熱烈歓迎はアレスだ。その目に涙が浮かんでいる。

 俺達4人はギルド本部に居た。

「アレス! ありがとう!」

 俺とアレスは硬く抱きしめ合う。

「シコルさんのお陰で僕のオネがまた一つ完成しました! オネの結婚で涙する実績解除です! シコルさんは僕の理想です!」

「アレス。お前だけが先に進んじまうな。俺はTSのメス落ちルートだ。こんなんじゃ笑われちまうな」

「違いますよシコルさん。あなたの目的は女体でシコル・ギウス。女体の探求こそがあなたの真の目的です! 今こそゼロスさんとその扉を開くのですよ!!!」

「・・・アレス!!! やっぱりお前は心の同志だ!!! 俺と同じ変態だ!!! 俺は俺の探求に今気付いたぜ!!!」

「はい! この道を突き進んでいきましょう!!!」


「・・・新郎は俺で良いんだよな?」

「自覚がないのなら降りればいい。仮初の関係なんでしょう?」

「ああ。取り敢えずは、な」

「ゼロス・・・。あなた無理をしてない?」

「なんだ? 珍しいなギンガが俺を気遣うなんて」

「・・・あなたはシコルを愛せる?」

「・・・」

「無理なら傷つくだけ。あなたも、シコルも」

「・・・」

「決断は早い方が良い。あなたにも、シコルにも」

「・・・」


「どうしたんだよゼロス?」

 俺は元気がないゼロスの所に向かう。

「いや、俺もこれで変態かと思ってな」

「どういうこった?」

「俺もそういう趣味だったって事だ。結局女を愛せねぇ。男と盛ってるのがお似合いのクソ野郎だって事さ!」


 俺にも薄々そういう感覚はあった。

 これは同性愛じゃないか?

 俺もそう思っていた。ゼロスもそうだろう。

 だがこの言葉はそうじゃねぇ。そういう話じゃねぇ。

 何故だか俺にはそれが分かった。


「ゼロス先生はそんなに俺が怖いのか?」

「ふざけんな! 野郎とやるのが嫌なだけだ。調子に乗るなよ変態野郎。こんなのはただの安全策だ。俺のな。お前はただの捌け口だ!」

 俺は目を細める。

 怒ったからじゃない。ゼロスは苦しんでいる。自分を騙そうとしている。

 なぜかって? 苦しいからだ。

 息が出来ねぇのに空気がうめぇって言ってるようなもんだ。

 こいつの呼吸ってのは、酸素はなんだ?

 俺はゼロスを睨みつける様に近づいて言葉を繋ぐ。

「ゼロス。最後になるかもしれないから言っておくぜ?」

「言ってみろよ男女。どんな言葉でも聞いてやるぜ? ケツの穴でも繋げんのかよぉ!!!」

 俺は息を吸って吐く。そして伝える。

「ゼロス。俺は逃げないからな。お前がどんな変態のクソ野郎でも見捨てて逃げたりしねぇから。俺は絶対に逃げねぇ。そして、逃がさねぇからな♡ 俺のダンナ様♡」

 俺はゼロスに笑って見せる。

「やめてくれ・・・」

 ゼロスはとうとう泣き出し、俺達の前から去った。

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