第17話 ゴッドゴーギャン
俺達はギルドカーで走り続けていた。
あの後アレグシオン一世号は何事もなく出航。
俺達はのんびりしていたんだが、稼ぎ目的の使徒がやってきたことで状況は一変した。
曰く、俺にシコられてEDになっただのを皮切りに、激しいアレスの勧誘、ギンガもその腕を見込まれてヘッドハントが横行していた。
そして遂にそのギルド長であるゼロスが何の力も持たないのに俺達を独占している、という事で激しくやり玉に挙げられた。
そして出ていこうとするゼロスを止める気にもならず、俺達第072冒険者ギルドは072を捨てることにした。
このギルドカーはギルドのポイントで得たものだ。ビークルは個人よりもギルド産の方が向いている。なによりこいつにはMP回復効果が付いている。使徒の建物やギルドの乗り物にはMP回復が付いている。これだけでも別格だな。
向かう先はアレグシオン一世号。アリアたちに合流という話になった。
「何してんだ?」
俺達は交代で運転している。それで俺は運転中。ゼロスが何かの操作をしている。
「ああ。ギルドの建物の整理だな。俺達が居ないのに占有権が残っていたらそこが破壊された場合に空き地になるからな。それを解除してギルド本部に集中させている」
「なんだそれ。俺達を追放した奴らのザマァ展開じゃないのかよ」
「それをやったら俺達のギルドも無くなるだろうが。ギルド本部だけ残っていればいい。残ったギルドポイントで超強化だな。入ったやつらを軒並み地獄送りだ。流石にコソ泥にまで配慮は必要ねぇだろうしな」
「面白そうだな。俺もやっていいか?」
「構わないぜ。権限譲渡するまでもねぇ。今でも出来るぜ。ただザマァ展開はするなよ。街の奴らに迷惑なら俺が潰すからな」
「義理堅いな。聖人ゼロスマスター先生は」
「そりゃそうだ。072は俺のオアシスだったからな。お前らが来るまでは平穏で静かな良い土地だった」
「それはつまらなくねぇか?」
「シコル。この世で一番尊いのは平和と静寂だ。これに勝るものはねぇ。お前もこの旅でわかるさ」
「どういうことだ?」
「そのままだ。俺が短期形態進化を使わなかったのは何故かわかるか?」
「出し惜しみか?」
「違う。アレを知ってる人間が少ねぇんだ。特に俺はオーガだからな。人の多い都会ならいいが、田舎でアレを使うと魔物のスパイ扱いだぞ」
「マジかよ!?」
「マジもんだ。情報インフラが機能してないからな。お前も知らなかっただろう。下手に短期形態進化を見せびらかすなよ。どんなトラブルが来るかわからん」
「どこに行ってもめんどくせぇな」
「その面倒がないのが072って事だったのさ。あんないい町はもうないだろうな」
「なるほどなぁ。それにしても俺の短期形態進化をがショボすぎるとは思わねぇか?」
「良いじゃねぇか。使いやすさはピカ一だ。アレスの巨人や魔物のスパイ扱いのオーガよりも断然に使いやすい。単純に負荷も少ねぇだろ」
「アレは何か消費するのか?」
「Gだな。手持ちじゃなくて天引きだ。使い過ぎるなよ」
「じゃあアレスとかヤバいんじゃねぇか?」
俺は仮眠しているアレスを見る。
「あれはほぼイベント特攻だったからな。イベントで使えば手当も出るだろ。なにより貢献が半端じゃない。問題はないだろ」
「普段使いなら俺が一番か。まあ、あんなイベントなんてそうそうないしな」
ーーー
あれ。072が攻撃受けてねぇか?
俺が072のギルド建築関連を弄っていた時だ。ギルド本部の罠の動きが早い。どう見ても空き巣じゃない。対魔物用の罠が効果的に動いている。そしてギルドポイントGPがドンドンとつぎ込まれていく。魔物を倒している証拠だ。
これはもう終わったな。壊れる前につぎ込むか。
俺はギルド本部の罠を高速展開で増やしていく。追加GPで瞬時に設置可能だ。
広域連動で魔物にダメージを与えるフィールドを広げると、同ギルドの建築物が連動して広域ダメージフィールドを展開する。ベルを鳴らすとその音波に連動して鳴りだすような感じだ。
魔物を倒して回復していくGPに合わせて次々とつぎ込んでいく。
終わるどころか増えていくな。そしてドンっとGPが増える。
20億GP。その破格なGPに俺の手が止まる。
は? なにを撃破するとそうなる?
俺は矢継ぎ早に罠を追加するが間に合わない。
これはデカイ奴が必要だな。
俺が色々見ているとデカい奴がある。その名はゴッドゴーギャン。
都市防衛用の巨大ロボットだ。建設に5億GP。完成は100年後。そこは追加GPで短縮できる。俺は迷わず即決。総計20億GPでゴッドゴーギャンを即時に設置。攻撃を開始する。
強いらしいが耐久がガリガリ減っていく。
今072を攻撃しているのはなんなんだ? とんでもない状況になってねぇか?
俺は諦めて自爆を敢行する。
ゴッドゴーギャンフルバーストオーバーロード。
その反応が消えると追加で50億GPが追加される。
俺は即座にダブルゴッドゴーギャンを設置すると攻撃を開始する。
流石に二体いれば耐久の減りも少ない。先の自爆で敵の数も減っているだろう。
だがまるでお話にならない。そんなに強くないのかコレ?
俺は耐久が半分の時点でダブルゴッドゴーギャンフルバーストオーバーロードレゾナンスを発動させる。自爆共鳴が更なるGPを生み出す。その数100億GP。
俺は即座にトリプルゴッドゴーギャンを呼び出すと総攻撃を開始する。流石にGPカウンターの増え方が半端じゃない。だが途中から増える量が明らかに減りだす。
これは敵が逃げ出したな。
俺はゴッドゴーギャンを索敵モードにすると072の外を索敵する。そして増えだすGPカウンター。外にも居るな。逃げ出した奴だけじゃないなこの増え方は。
三体全てのゴッドゴーギャンを索敵モード。俺は防衛用に超小型ゴッドゴーギャンを配備する。一体1億GPを20体。索敵自爆型を072の防衛に回す。072の状況はここからの情報ではわからない。これが自爆すれば敵が居るという事だ。
そして索敵したゴッドゴーギャンの耐久が減りだす。つまり逃げ出す敵だけじゃない。ゴッドゴーギャン3体を相手に迎撃できる敵が居る。
俺はゴッドゴーギャンを殲滅モードにすると敵の方に向かわせる。そして同時に自爆シークエンス。この敵はこちらが自爆するのを知っている。その見極めが出来る前に自爆だ。
トリプルゴッドゴーギャンフルバーストオーバーロードレゾナンスオシレーション。三体のゴッドゴーギャンが殲滅モードで共鳴しながら周期振動波動を連動させる。それが最高潮に達する前に前方180度に収束自爆共鳴。後ろに敵は居ないだろう。
反応が消えると120億GP。即座に5体のゴッドゴーギャンを生産し索敵に回す。
索敵自爆型の超小型ゴッドゴーギャンは1機も落ちていない。つまり中には敵は居ない。または対処可能ということだ。コイツを索敵に使ってもいいが、その場合は小規模自爆で敵を倒しきれない上に逃がす可能性がある。逃げる前に仕留めるにはゴッドゴーギャン本体でないと無理だろう。
GPカウンターの動きは鈍い。ゴッドゴーギャンの耐久も減らない。
これはもう掃討シークエンスか。
俺は索敵指示をMP残量8割に固定して稼働させる。これなら離れすぎず、常駐して邪魔になる事もない。そして耐久7割で殲滅自爆モードを設定する。このゴッドゴーギャンの耐久を減らせる時点でそれだけの敵だろう。
自爆をアラームにしてギルド建築モードを閉じる。
はー。どれだけ敵が居たんだ。




