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第16話 毒抜き

 俺はゼロスの自室に居た。

 俺は既にシャワーを済ませ下着姿でベッドに腰掛けている。

 今はゼロスがシャワーを浴びている。

 なぜこんな状況にあるのかと言えば、こうだ。


 サイボーグの後、俺を心配したギンガと寝泊まりしていたんだが、いくらシコってもシコリ切れねぇ。

 欲求不満が溜まった俺は遂にゼロスとキスをしてしまった。

 シコっても解消されない苦しみに捌け口を求めたのかもしれない。

 ゼロスは抵抗しなかった。それどころか俺を抱きしめキスを返してきた。

 そしてゼロスは右手を上げる。その動作に俺も合わせる。

 俺とゼロスの声が唱和する。

「ハンドガン。空砲化」

 問題なく銃は呼び出され発砲も出来た。

 それを見たゼロスがED治療と称して俺をここに連れてきたという訳だ。


 くっ。どうしてこんな事に。

 俺はもしかしてメス化してしまったのか?

 このままやられてベッドエンド昇天まっしぐらか?

 期待と不安で胸がいっぱいになる。

 ゼロスのシャワーが終わったようだ。

 俺はどうする? 逃げるか? 

 その選択はゼロスに抱き留められる事で選ぶ事が出来なかった。


「どうだ? シコル?」

「な、何がだ」

 ゼロスの胸で上ずった声を上げてしまう。

「男の体だ。嫌か?」

「嫌じゃない。なんか安心してる。本当なら俺もこうだったのにな」

 俺はゼロスの体に手を伸ばす。

「ああ。お前が求めていたものはこれだろう」

 う。この筋肉が俺を誘惑してくる。

「うん。欲しい。男の体欲しい」

 逞しい肉の体。これだ。俺が求めていたものは。

「お前は取り戻したいだけだ。お鎮鎮と同じだろう?」

「ああ。取り戻したい。この体、この筋肉、そしてお鎮鎮も」

 俺はゼロスの胸に顔を埋める。ああ、懐かしい匂いがする。

「そういうこった。シコル。お前、ずっとギンガと寝ていただろう」

「ああ。シコルのを手伝ってくれて、一緒にな」

 ゼロスがため息をつく。

「それだ。お前は体が女でも中身は男だろう。ずっと女と一緒に寝て、抜けないなら溜まっていくのは当然だろ」

 俺とゼロスの視線が絡む。先に口を開いたのはゼロスだった。

「ギンガと一緒に居過ぎだ。男の性欲が女の体じゃ発散出来てねぇって事だ。少し距離を置け。面倒なら俺がこうしてED治療と称して連れ出してやる。それなら問題ねぇだろ」

 俺はゼロスを見つめると首に腕を回しキスをする。

「どうだシコル。お前のお鎮鎮は反応しているか?」

 ゼロスの言葉で全く反応していない自分の体を確認する。

「本当だ。全く反応してねぇ。むしろなんか安心する」

「だろ? お前が俺を求めたのは、元の自分の体を俺の体越しに見ていたからだろう。俺が欲しいわけじゃねぇんだよ。わかったかシコル」

 ゼロスの言葉で、はー、っと俺の体中の力が抜ける。

「なんだあ。俺がメス落ちしたのかと思って焦ったぜ。このまま野郎しか愛せない体になるのは御免だからな」

「お前、ギンガに相当誑し込まれただろう。女が目の前でシコってりゃ、そりゃ我慢できるわけねぇだろ」

「いや、確かにそうだな。言われてみればその通りだな。そっか、俺はギンガに発情してたのか。ゼロス先生に目覚めたんじゃなくてよかったぜ」

「シコルが男に転ぶのはおかしいと思ったからな。まあ、そういうこった。シコる原因がなけりゃそのうち抜けていくだろ。おっと俺の前ではシコルなよ。やるときは自室に戻れ」

「わかってるよ。誰が野郎どうしでシコルんだよ。そこまで趣味は良くねぇよ」

「だったらもう安全だな。どうする? 戻るんなら、いや今日はここで寝ていけ。取り合えず今シコリたいのか?」

「いや、全然だな。逆になんか眠くなって来たぜ。近頃シコってばっかだったからな」

「じゃあこのまま寝るか。お前、寝相は良い方だろうな」

「問題ねぇよ。っつかゼロス先生だよ。寝ている俺に何する気だよ。・・・シコルなら使ってもいいぜ」

「だからEDだって言ってんだろ。体じゃねぇ。そこは使徒だからな。機能は問題ねぇ。心の方だろうな。少なくとも中身が男は対象外だ。お前こそメス落ちして起きたらBANされないように気を付けろよ。みんなのシコル先生」

 なんだよそれ。

 ああ、なんか安心したら本当に眠くなってきた。

 これで朝起きたらオークと薄い本展開だったら、駄目だ、本当にもう眠い。


ーーー


 チュンチュンチュン


 俺は朝チュンで目を覚ます。

 ベッドには俺一人。まさか、

「ゼロス。良い奴だったぜ。ありがとうな」

「誰が死んでるんだ。誰が」

 洗顔を終えたであろうゼロスがやってくる。

 俺はその首に手を回すとキスをする。

「やっぱり大丈夫だ。シコリてぇとも思わねぇ」

「お前な。それの確認のためにキスされる俺の気持ちにもなれ」

「嫌なのか?」

「女の体じゃなかったら殴りつけているぞ。本当に目覚めてるんじゃねぇだろうな。そっちの趣味に目覚めたら絶交だ。憶えておけ」

「それの確認だろ。俺が女に目覚めてたらヤバいだろ。それにゼロスのED治療っていう名目があるだろ」

「中身がお前じゃな。中身が大人の美女になってから出直してくれ」

 ヤレヤレ熟女趣味かよ。これなら俺とギンガは安心だな。


ーーー


「よぉギンガ。シコルはもう少し借りておくぜ」

 そこはいつもの食堂。そこでギンガとゼロスがぶつかり合っていた。

「どういうこと?」

「どうもこうもねぇ。もう少しシコルを借りるって言ってんだ。毒抜きにな」

「シコルはどこ?」

「どこでもいいだろ。しばらくは俺に付き合ってもらう」

 ギンガの視線が鋭くなる。一触即発だ。


「おいおい。なんでこんなことになってる。俺なら平気だぜギンガ」

 俺の姿を見て安堵するギンガ。だがその表情がすぐに曇る。

「もういいの? 顔色が良いけど」

「ああ。それだけどな。もう少しゼロスと一緒に居るぜ。少し楽になって来ててな」

「楽って何? 私じゃ力になれない?」

 口調は穏やかだが表情が険しくなってきている。

「ゼロスと寝たの? シコル。それは私よりも良いって事? 私じゃ満足させられない?」

 ギンガの視線がゼロスに向かい始めている。応戦する様に前に出るゼロスを俺は抑える。

「そういう事じゃないんだ。ただ少し時間が欲しいだけで・・・」

 ギンガの顔が曇る。その顔を見て俺は隠すことを諦めた。

「いや、その、あのな。どうも俺はギンガに欲情してたらしいんだ。それでいくらシコってもシコリ切れないってな。それでインターバルを置こうと思ってな」

「私が原因だったの?」

「悪ぃ。キスだけじゃ足りてなかったみてぇだ。お前の顔見てたらなんか、俺のお鎮鎮が疼きそうなのを感じてる。だから、少し、溢れたギンガ分が抜けてから、と思ってな」

 そこでクスッとギンガが笑った。

「ギンガ分て何。それじゃ私は足りないシコル分を摂取させて」

 ギンガが抱き着いてくる。キスはない。ただ抱き合っているだけだ。

「シコル。本当にゼロスと何もないの?」

「ああ。本当に寝ただけだぜ。まったく発情しなかったからな。よく眠れたってだけだぜ」

「もう。本当にそれだけなんだ。それならいい。私も少し我慢する。少しだけ」

 ギンガの視線が俺と絡むがキスはない。

「シコルが眠れるなら私は我慢する。ただ、私のシコル分はちゃんと補給してね」

「ああ。任せろ。きちんと眠れたらまたシコルのにも付き合えるぜ」

 それにまたクスッと笑うギンガ。

 あれギンガってこんなに可愛かったっけか?

「わかった。ゼロス。じゃあシコルを預けるけどいい?」

 その申し出は少し以外だったらしくゼロスの返答が遅れる。

「あ、ああ。こっちは問題ないぜ。寝るだけだからな」

 その返答を聞いてギンガは去った。


「ヤバイ。逆に惚れなおしそうだ」

「おいおいシコリスギタ先生。俺の時間を無駄にするなよ」

「一日会ってないだけであんなに可愛く見えるなんて思わなかった」

「重症だろ。でも正直意外だったぜ」

「何がだ?」

「いや、ギンガはわざとお前を陥れてるんじゃないかって疑惑がな。俺にあった」

「ギンガか?」

「正直童貞食らいかと思ったが、完全に読み違えたぜ。シコル、お前にしてもな」

「悪かったな。憶えてねぇけど経験は少ねぇよ。多分な」

「その辺もな。まったくお前ら揃って猛者揃いだから見間違えるぜ。俺の感も鈍ったもんだ」

 ゼロスは笑いながら食堂へ向かう。


 こいつも俺の想像以上にいい奴だな。EDつってもホントに手を出さねぇなんてありえねぇだろ。心に傷持ちでだ。

 アイツにED食らわせた女ってのはそうとう酷ぇ奴なんだろうな。

 そん時は俺がアイツを支えてやらねぇとな。

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