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大切な事は最初に言って欲しい

作者: ダークZ

 絶対に許さない

 朝凪 雪はそう言った。

 どうしてこんなことになってしまったんだろうか、、、、


 

 朝凪との出会いは小学生の頃だった。

 当時クラスで人気者だった男の子(K)を怒らせたこ をきっかけに、僕に対するいじめが始まった。

 

 最初は少し無視をされたりする程度だったが、Kがいじめを続けるうち、それが当たり前のことのよう       

 になっていき、最終的にはクラスメイトの大多数が共犯になっていた。


 誰かに助けを求めれば良いじゃないか、なんて思うかもしれないが、当時の担任はいじめを黙認し。 

 親には悲しませたくない、という思いから何も言わず、そんな素振りさえ見せなかった。


 そんな最中雪は転校生として現れた。


 雪が転校して来た初日いつものように僕はいじめを受けていた、表向きはヒーローごっこのようなもの 

で、僕が怪人役になりKが怪人である僕を退治する、というものであったが、実際はそんな生優しいものではなかった。

 

 怪人を倒すという大義名分のもと顔を殴られた、腹を蹴られ所々腫れ上がっていた。

 周囲のクラスメイトたちがケラケラと笑い、あまつさえヒーローに加勢してくる中。


 それを見た雪はヒーローたちに殴り掛かった。


 しばらくすると雪の前で数名の男子生徒たちが倒れていた。

 僕が何かを言おうとすると、彼女は笑顔でこう言った。

 

 「大丈夫私強いから」

 

 きっとそのときだろう僕が彼女に惚れたのは。


 

 その場は騒ぎを聞きつけた教師たちによって収められた。

 この騒動を皮切りに僕に対するいじめや担任の黙認が明るみになり、学校でも大きな問題となったらしい。

 結果的に主犯格の生徒数名は転校し、いじめを黙認していた担任は解雇処分となったらしい。


 それから雪との関わりが始まった。

 雪は口下手で対して面白くないであろう僕に話しかけ、趣味に付き合ってくれた、そして俺と雪は親友になった。

 

雪と関わっていくうちが、それと同時に自分が釣り合っていないことを痛感した。

 彼女は勉強もスポーツも人より秀でていて、容姿も整っていた、僕はそんな雪と少しでもつり合いが取れるよう努力した。


 その会もあって俺は雪と共に県でも有数の進学校に進学した。

 奇跡的に雪と同じクラスになり俺と雪は常に行動を共にしていた。


 移動教室は一緒に行き、昼食も2人で食べた、土曜日の夜は決まって通話をしていた。

 唯一離れる時間があるとしたら部活の時間くらいだろう。

 雪は女子陸上部に俺はバスケットボール部に入っていたからだ。


 そんな風に俺と雪はクラス内で付き合っているんじゃないか、なんて言われるほどの仲だったが俺は雪に告白して付き合いたい、なんて一ミリも考えなかった。

 いや、考えられなかった。


 今のこの関係が壊れることが怖かったから。



 ある日部活の準備をしていると見覚えのある顔があった。

 180㎝はあろうかという長身にアマイマスク。

 彼の名前は神田 零士 この高校で女子人気ナンバー1の男である。


 彼は誰かと話しているようで、同じ作業を続ける事に飽きていた俺は何となく聞き耳をたてた。


 「なあ、お前朝凪って知ってるか?」

 「誰だって?」

 「朝凪だよ、朝凪雪、1年の」

 「ああ、あのすげえ可愛いって噂の子だろ?」

 「そうそう、この間気になって見にいったんだけださ」

 「で、どうだったん?」

 「俺のタイプドンピシャで、付き合おうと思ってんだよね」

 「あれ?お前今彼女いるよな?」

 「あいつぜんぜんヤらせてくれねえからもういいや」

 「お前ほんと最低だなw」

 「で?いつ告るんだよ」

 「明日にでも体育館裏でやってくるわ」


 俺は今すぐにでも飛び出し、奴の顔に一発お見舞いしてやりたかったが、ある考えが俺をとどまらせた。

 「雪もあんなイケメンと付き合えたら幸せなんじゃないか」


 いや、そんなわけがない、あんな奴と付き合ったところで他の子たちと同じように雪が傷つくだけだ。

 そんな事を考えているうちに彼らの姿はなくなっていた。


 翌日いつものように前の席に座っている雪に話しかける。


 「なあ雪聞きたいことがあるんだけどいいか?」

 「え、どうしたの急に、まあいいけど」

 「どんな男がタイプだ?」

 「んーそうだなぁ、かっこいい人かな」

 「抽象的すぎて全然わからんわ、もう少し詳しく」

 「そんなに私のタイプが気になるって事は、もしかして私の事好きになっちゃった?」

 「ああ、大切な親友だからな」


 ここで好きだと言えたらどれほど良いだろうか。


 「そう、、そうだよね私たち親友だもんね」

 彼女の表情が一瞬曇ったような気がしたが気のせいだろう。



 気づけばもう放課後である。

 今日は一日中昨日の事を考えていた。

 今俺が体育館の茂みに書かれているのはおそらくそのせいだろう。

 

 

 するとそこへ神田に呼び出されたであろう雪が歩いてくる。

 ああ、やはり俺は雪に傷ついて欲しくない。

 あんな奴に汚されたくない。


 でも、俺にはどうすることもできない。

 神田に対抗する術もなにも持ち合わせていない。

 それに雪が断れば何の問題もない、そうだ、そうだよな、うん。


 そうこうしてるうちに神田が雪の前まで歩いてきた。


 「いきなり呼び出してごめんね、雪ちゃん」

 「全然大丈夫ですよ神田先輩」

 「それでどういったご用向きで?」

 「ご用向きって、そんな固くならなくて良いよ」

 「実はさ、俺雪ちゃんのこと———-」

 「渡さない」


 気づけば雪と神田の間に割って入っていた。


 「は?誰だよお前」

 「つかさ、どうしてここに、、、」

 

 「お前に傷つけられるぐらいなら、俺が雪を幸せにする」


 気がついた時にはそう言っていた。

 

 「なにお前、急に出てきてキモいんだけど、てかなに?雪ちゃんのストーカー?」

 「なんか冷めたわ、それに雪ちゃんと付き合ったらお前に何されるかわかんないし」


 そういうと神田はその場から離れていった。


 「ごめん雪邪魔した」

 「つかさ、何でここにいるの」

 「じ、実は神田が雪に告白するって聞いて」

 「それを止めにきたってこと?」

 「許してくれ、でもあいつは——-」

 「—るさない」

 「え?」

 「絶対許さない」


 それを聞いた瞬間全てを悟った、雪は神田の事が好きだったのだ。

 その事実を悟った瞬間その場から逃げ出していた。


 俺は雪に傷ついて欲しくないという一心で告白を阻止したが、雪からしたら好きな人がせっかく告白してきたのにそれを止めてきた変なやつだろう。


 おそらく俺と雪はもう元のように戻れないだろう。

 ああ、、こんな事しなきゃ良かった、神田と雪が付き合ったところで神田はすぐに飽きて雪を捨てるだろう、そしたら俺と雪は今まで通り親友だ。

 

 雪は心に深い傷を負うけれど。

 そんな風に考えてしまうほど俺は全てに絶望していたが、そんな考えは後ろからの強い衝撃によってかき消された。


 雪からの飛び蹴りにやって倒れ込んだ俺に雪は息を切らしながら言う。


 「な、何で急に逃げ出すのよ」

 「だって絶対許さないって、、でも神田は本当に最低な奴なんだ、もしアイツと付き合ったてもロクな事には」

 「神田の噂ぐらい知ってるわよ」

 「噂?」

 「神田先輩が女生徒を取っ替え引っ替えしてるって話でしょ?」

 「そんな噂が」

 「それに人の話は最後まで聞きなさい!」

 「でも絶対許さないって、」

 「だからそれで終わりじゃないのよ」

 「え?」


 彼女は顔を赤ながら言う

 「私と付き合って」

 「は?」

 「許して欲しかったら私と付き合って」

 「なんで俺なんかと、第一俺と雪じゃ釣り合いが取れない」

 「釣り合いなんてどうでもいいのよ、私はあなが好き、それで十分でしょ」

「あと、つかさは私に彼氏ができる機会を奪ったのよ?それに、つかさは私の事好きなんでしょ」

 「、、、」

 「で、どうなのよ」

 「よろしくお願いします」

 

 やっぱり、雪は強いな



 


 

  


 


 



 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  

 

 

 

ここまで読んで頂きありがとうござます。

今回の話は今日バイト中に妄想した内容をそのまま書いた物なので色々とおかしな箇所があったかと思いますが大目に見て頂けるとありがたいです。

こんな青春をしてみたいな。

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