第三十話 敵本部突入
研吾は車に亮を乗せて教団本部に向かった。
途中、後ろからつけてくる車。
研吾は路肩に車を停車させた。
研吾と亮が降りて身構える。
後ろの車も停車した。
降りてきたのは、よし乃、雅、かたせ。忍者風の戦闘服を着ている。
「天明の店のくノ一集団?」
「店長が用事で里に帰っているので、私たちに行って来いって」
そこへ、リリカがバイクで到着する。
「お待たせ」
こちらもやる気満々の戦闘服装着。
「日向坂リリカ」
くノ一の鋭い視線。
「なに、このテーマパークのエキストラみたいの?」
すでに女たちの間で火花が散っている。
「天明からの贈り物、援護部隊ってところかな」
と、研吾はくノ一の衣装に魅惑されつつある。
「足手まといにはならないで」
「日向坂って……アイドルみたいな名前」
くノ一の馬鹿にした笑い。
「ケンカ売ってんの!!」
「かかってきな!!」
「ちょ、ちょとお~戦う相手が違いだろう」
と、研吾が割って入る。
やれやれの亮だった。
教団本部の近くで車とバイクが停車する。
入口を警護している信者は、くノ一とリリカが一撃で眠らせた。
監禁部屋。
春馬は縛られ口をふさがれている。
「会社の同僚に正体を知られると面倒だ」
亮が言った。
「なら、私が」
雅が、吹き矢で春馬を眠らせた。
「ついでに」
と、他の信者も眠らせる。
「研吾、安全な場所に」
「OK」
研吾は、春馬を肩に担いだ。
「教祖までたどり着くぞ」
メンバーは、教祖の部屋まで突入を開始した。
侵入者を察知し、警報が鳴り響いた。
信者が木刀や竹刀で向かってくるが、簡単に倒されていく。
途中の部屋。
ここからは、プロの戦闘部隊が相手らしい。
戦闘服を着た女兵士が待ち構えていた。
リカコ、カスミ、ナオ。
剣、長刀を持っている。
「ここは私たちが」
くノ一の三人が歩みだす。
鎖ガマ、刀、鉄の爪が得意の武器だ。
女戦士の武器と武器、肉体と肉体との攻防が始まる。
飛び散る汗、金属音、光が空間を切り裂く。
ヤァァァァーーー
上階へ向かう階段から兵隊が押し寄せる。
亮、リリカの技が炸裂、階段から転げ落ちる兵士。
廊下の信者は、教祖の親衛隊。
屈強な戦闘員のように思えたが、二人の敵ではなかった。
途中、通路の前で立ち止まる亮。
「どうしたの?」
「ちょっと待って、ミストボックスからの別任務があって」
「お互い、利用し合う関係ってわけね」
「すぐに戻る」
亮は、通路を走って、別の部屋に向かった。
警護の信者が床に倒れていく。
亮の行く手を阻むことはできなかった。
部屋の重たい扉を開けると、背の高い警護戦闘員。
そこは牢獄となっていた。
脱退信者が囚われていたのだ。
「侵入者か!!」
拳が飛んでくる。
避けて、腕に一撃。
「グゥゥ 折れた」
「立ち去れ!!」
「そんなことをしたら教祖に……」
高身長を利用して、上から追いかぶさってくる。
亮は背負い投げで投げ飛ばした。
鉄格子の中から信者の歓声。
「脱出を」
「ありがとうございます」
亮は、気絶した男のポケットから、鉄格子のカギを抜き取り、信者を自由にした。
亮は、リリカのもとに戻った。
「残りは教祖だ」
「楽しみね。どんな技を使うのか」
「意外と期待外れじゃないのか、教祖なんて」
教祖の部屋の扉がぶち抜かれる。
デーマ兵醐と、その前に鉄の棒を持った戦闘員二人。
「なにもの?」
「悪の教団を倒しに来た正義のヒーロー」
「冗談を言えるのもそれまでだ。ここにいる雷神稲妻、風神暴風が息の根を止める」
「二人まとめて私が」
リリカ、特攻のカマエ。
「食いすぎだろ。食うのは、一人前にしとけ」
「なにを言っている。二人で100人の兵隊を倒す怪物だ。お前たちに勝ち目はない」
「行け!! 風神・雷神」
デーマ兵醐の掛け声。
風神は、鉄の棒の先端をカマに変化させ、リリカを襲う。
雷神は、鉄の棒が槍に変わった。
無数の突き、避ける亮。
くノ一が戻ってきた。
別の部屋では、信者の女戦闘員が倒されている。
突き刺しに来る雷神、亮の衣服が破けていく。
「武器を貸せ」
くノ一に叫ぶ亮。
雅が、鎖ガマを投げる。
鎖ガマを受け取り、雷神の槍を受け止める亮。
風神のカマで、リリカの髪の毛が舞う。
「使いな」
よし乃が、刀をリリカに投げた。
ふん、とした顔で受け取るリリカ。
「素直じゃないの」
と、よし乃。
亮は、鎖を鉄の棒にからめ接近、ひじうちを顔面に入れて倒すと、トドメの一撃を腹に食い込ませた。
グゥゥァ……雷神は、泡をふぃている。
「これが、Z up A の地下格闘術」
亮のオーラが輝く。
デーマの膝がガクガク震え出す。
「風神……おまえだけが頼りだ」
リリカは、風神のカマ攻撃を刀で遮る。
リャァァァーー
得意の膝蹴りを顔面にぶつけて倒した。
「そんな……親衛隊までも……」
棒立ちのデーマ。




