第二十六話 任務の果て
港の貨物船に乗り込むガボット。
三人のメンバーも追いかけて船内に進入した。
船内はいくつものフロアーに分かれている。
下の階・第三フロアーには、コンサルタント会社・ベルサイト、投資会社・バンドールカンパニーの幹部、そして中園がいた。
ソファー、テーブルが用意され、酒もある。
「得体に知れない奴らが」
と、ガボットが逃げてくる。
「こちらには兵隊がそろっている」
「この防弾・防音の船内で、始末したらいい」
「死体も、海の底へ」
不敵に笑う男たち。
階段を降りるメンバー。
「油断するなよ」
「誰に言ってるの?」
余裕のリリカ、この戦いを楽しんでいるようだ。
第一フロアーに到達する亮、リリカ、天明。
いくつもの貨物が置いたままのフロアー。
いきなり銃弾が飛んでくる。
分かれて散る三人。
「ここは雇われ兵だけのようだ。サラッといこうぜ」
さらに銃弾が貨物に命中する。
「自分の身は自分で」
天明の棒型手裏剣が敵に命中する。
「私にも撃たせてよ」
銃を撃てずに、いったんしまうリリカ。
亮が、フロアーの男たちを打撃で倒す。
「ゲームはこれからだ」
第二フロアーの入口に到達する。
「ここからが戦場だ」
「気を抜くなよ。ここからはたぶん、シャルム兵団とかいう武装集団が相手だ」
第三フロアーの幹部、上の階の音を聞いている。
「大丈夫でしょうか?」
焦りの見える中園。
「シャルム兵団は、本物の武装組織。心配ないでしょう」
第二フロアーで銃声が鳴り響く。
機関銃を持つ相手の懐に素早く入り、銃を奪うリリカ。
「お祭りよぉぉ」
機関銃が炸裂する。
銃と剣を向ける相手に、天明は刀で切りつける。
あまりの速さに敵は動けず倒されていく。
ガボットと拳を交える亮。
ガボットの拳が血に染まっていく。
「おまえらなにものだ?」
苦しそうに息を吐いている。
「今さら訊いてどうなる」
亮の拳が顔面にめり込む。
「夢でもみてな」
最後 は、回し蹴りで吹き飛ばす。
第三フロアー。
「静まりましたね」
「片付いたようで」
幹部の一人が酒を飲もうとする。
扉が開くと、亮、リリカ、天明が登場する。
「なぜだ???」
仰天の幹部たち。
「シャルムはどうした?」
「今頃夢の中だけど」
「信じられん」
「たった、三人で?」
「なにが目的だ?」
「組織を解散し、裏社会から消えろ」
「なんで?」
「おまえたち、もしかしたら?」
「霧獣会<ミストビースト>だ」
「闇の社会に存在するという謎の団体か?」
「おまえ達は、敵とみなされた」
「相手がミストビーストなら、やるかやられるかだ」
銃を構えるが、天明の手裏剣が腕に刺さる。
刀を取り出す幹部。
飛び出そうとするリリカ。
「まだ戦うのかよ。あれだけ食ったのに……」
亮の制止を待たずに動くリリカ。
「食後のデザートは私がもらう」
リリカの攻撃で、幹部全員が床に叩きつけられ気を失った。
座り込む中園に迫る亮。
「ミストビーストは闇社会最大勢力、今後は、知らず、言わず、聞かざるで通せ」
睨みつける亮。
「わかりました」
中園は額を床にこすりつけた。
港に黒木勝也の車が到着する。
「俺の出番はなしか?」
笑いながら乗り込むメンバー。
「研吾から連絡があって、子供は無事に届けたそうだ」
車と反対側から何台ものパトカーが走ってきた。
なにもなかったように走り去るメンバーの車。
亮はいつもと同じように会社に出勤している。
企画部のプロジェクトは、大きな変更があり、池上もリーダーとして参加していた。
屋上で、友理奈と話す亮。
「まずは民間レベルで、クレジットカード会社との提携とQRコード決済の利用からポイント運用を進めていく計画らしいわね」
「ああ、経産省との線は切れたので、奥寺商事の中でできることから進めていく」
「政務官は、政界から消えたそうね」
「だろうな」
「綺麗なお姉さんから昇進の話は?」
「別に、焦ることはない」
「私も役に立ったかな」
「まあな」
「常務と私だったら、どちらを選ぶ?」
友理奈は、小声で言った。
「ん? なんか言った」
「別に……虹が見たいって言ったの」
友理奈は青い空を見上げた。
亮は、遠く街の景色を見つめていた。




