第二十三話 情報
事業推進室では、新たなファストフードについて企画を進めている。
忙しく活動する社会人や学生向けに、隙間時間に手軽に食べられる店舗作りを模索し、さらに付加価値を高めて市場に踏み込む作戦だ。
亮は、会議を繰り返していたが、ある時、店舗企画部からの情報を手に入れる。
屋上で、友理奈と話す。
「店舗企画部で進めているのは、新しいポイント制度の導入」
奥寺商事の中央情報局と呼ばれる清掃部員の友理奈は詳しく知っていた。
中心人物は係長の池上祐一。
「奥さんと小学生の男の子と暮らしている」
「そんなことまで知っているのかよ」
「社員の家族構成は、中央情報局に筒抜けみたい」
「既存のカードと連携したり、スマホでの支払いでもポイントが貯まる仕組み」
「特別新しいシステムでもなさそうだな」
「ただね」
「まだなにか?」
「これは、清掃部のネタじゃなくて」
「夜の客からか?」
「ネタ元は秘密」
「内容だけいいから話せ」
「いつも一方的なのね。たまにはお願いとか……美人のお姉さんには甘えているんでしょ?」
「俺の訊きたいことだけ答えろ、ここから突き落とすぞ!!」
「闇社会のリーダーみたい」
「いいから」
亮が顔を近づけると、離れる友理奈。
「このポイント制度をさらに拡大させてビジネスをしようとする動きがあるの」
「例の件か」
「なにか知っているの?」
「少しな……それで?」
「池上係長もこの動きをビジネスチャンスだと考えているみたい」
「この会社もからんでくるということか」
「裏のお仕事?」
「本格的に動き出しそうだ」




