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霧恋エスカレーション  作者: 美飾時矢
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第十一話 晴天の空

 夜、ホテルの部屋には千秋がいる。

 重役は浴室にいた。

 辛そうな千秋、重役の鞄からスマホを取り出す。

 操作するが、パスワードがかかっていた。

 その時、呼び鈴が鳴った。


「はい?」

 扉を開けると亮が立っている。

「あなたは!!」

「助けに来た」

「どうしてここが?」

「そんなことより、ここから出ないと」

「でも私は……」

「わかってる。とにかく僕の言うことをきいて」



 亮は千秋を歩道橋まで連れてきた。


「こんなことをしたら、なにをされるか」

「だった犯罪者になるつもり?」

「知らなかったんです。あんな会社だとは……気がついた時には逃げられなくなっていて……」


 歩道橋の下を走るヘッドライトの波。救急車が走っていった。

 亮は、千秋の涙を見た。

「いいなりになるしかないんです。みんな脅されて……バックに怖い人たちがいるみたいで」

 黙って、ハンカチを差し出す亮。

「ありがとう」

 その時、千秋のスマホに着信。会社からだった。

「もう知られてしまった」

 落胆し電話に出ると、相手は社長の磯田だった。

「待ってください。そんな……わかりました」

「なにか?」

「京子が捕まって」

「え!!」

「今すぐ会社に来いと」


 ビューアスタッフの社内。

 高田と磯田、その他、人相の悪い男たちが、京子を拘束していた。

「やはり裏切りましたね」

「こういう時の保険に」

 と言って、磯田は京子の泣き顔を見てニヤリとする。



 突然、扉が破壊されて、亮が一人で殴りこむ。

「なんだおまえ?」

「こいつ、奥田商事の社員ですよ」

 高田が磯田に言った。


「女じゃなくて残念だったな」


「なんでここに……」

「この会社を壊しに来た……って言ったら?」

「なにを言ってる。この状況を見てから言え」

 周囲で男たちが睨んでいる。すぐにでも飛びかかってきそうだ。

「社会に必要のない会社は、消え去るのみ」

「どこまで知っているかわからんが、生きて帰すな」

 磯田の合図で、男たちが亮に向かっていく。


 地下闘技場で無敗の男、亮の技が華麗に相手をぶちのめしていく。

 回し蹴りで相手が壁まで吹っ飛んだ。

 木刀持つ高田が向かってくるが、振り下ろした木刀を素手で受け止める亮。

 アッパーが顎に食い込んだ。


 呆然としている京子。その目の前で男たちが倒れ込んでいた。


 磯田に近づく亮。

「く、くるな」

 壁に背をつく磯田。逃げられないと知り震えあがる。


「このまま手を引くか、霧獣会<ミストビースト>を相手に悪事を続けるか」

「ミスト……闇社会最大という……」

 何度も瞬きを繰り返す磯田。

「どうして……お互い持ちつ持たれつで」


 拳を磯田の顔で寸止めする亮。

「おまえの会社は組織の障害となる。そう判断されただけだ」

 青ざめている磯田。


「今日のことは忘れろ……いいな」

 眼光鋭い亮。

「でなければ、組織がどこまでも追い詰める」

「……わかりました」


 亮は京子を連れて、千秋のもとへ戻った。

「よかった。無事だったのね」

 泣きながら抱き合う二人を、亮は黙って見ていた。


 朝日が昇る。


 屋上に友理奈と亮がいた。青い空に白い雲が流れていく。 


「有名になってきたんじゃない? ダークな正義のヒーロー」

「ダークな正義って、おかしいだろう。どういう意味だ?」

 友理奈は雲の流れを目で追った。


 亮も青い空を見上げた。

「ある団体が、ミストビーストの名を闇組織として広めてくれているからな。実態は謎、知ろうとしたものは……」

「そんな便利な団体がいるんだ」

「誰にも言うなよ」

「言おうとしたら?」

「その前にふさぐだけさ、唇を……」

と、見つめる亮。


(やめてよ)


目をそらす友理奈。

「キスする時は、事前に許可をとってよねぇ~」

と言った友理奈の表情は明るい。


二人、笑いながら景色を見ていた。

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