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おっさん、軍神として降臨す  作者: 波 七海


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第59話 おっさん、バルト王国へ侵攻する

■中央ゴレムス暦1582年12月14日

 バルト王国 サースバード


 おっさんは年末を前にして国内の貴族諸侯に大動員を出した。

 その数は一三○○○にものぼり、鬼哭関きこくかんへ向けて出立した。

 サナディア本領にはボンジョヴィを留守居役として一○○○を置き、ベアトリスに傭兵部隊を任せた。


 アウレア平原の戦い以降、昵懇じっこんにしているテイン家のラムダークには鬼哭関に留まってもらうように依頼した。


 それに伴い、おっさんはジィーダバ侯爵とニワード伯爵にも出兵を申し付けたのだが、ジィーダバにはガーランドの抑えを理由に断られ、ニワードにも西のバルト王国軍の警戒のために動けないと言われてしまう。


 この知らせに激怒したおっさんはジィーダバに再三に渡って出兵を()()、ニワードにはバルド征伐なのだからお前も攻めるんだよときつく申し渡す。


 両者が動かぬまま、おっさんは鬼哭関きこくかんを越えてバルト王国領内へと侵攻を開始した。


 最初に取りついたのはデルタ城トライアングル・キャッスルと呼ばれる城郭である。異名の通り、東西の山城に北の平城が三角形の頂点として存在しており、三位一体の攻撃・防御を得意とするバルト王国南の要所である。


 おっさんは東のフェトラ城の備えにドーガの一五○○を、西のエリウ城にガイナスの一五○○を配置し、残り全軍で北のヴァンパ城を力攻めした。


 各城の兵は一○○○ほどであったが、後詰のバルト王国本隊が来る前に落としておきたいところであった。


※※※


 所謂、デルタ城を攻め始めて3日。

 おっさんは数日経っても、ここサースバードを抜けないことでデルタ城の堅固さを実感していた。バルト王国軍の出方次第では考えていたよりも苦労しそうだとおっさんは独り語ちる。


「思ったより堅いな」


 おっさんがこともなげに言うと、副官のノックスが何を今更と言った感じで、こちらも平然と答える。


「南のかなめですからな。簡単には落ちんでしょう」

「まぁ今回は目的が違うから別にいいけど……」

「は? 何かおっしゃいましたか? 閣下」

「いや何も言ってない」


 おっさんは大体的にバルト討伐を喧伝し、兵を集め、特に隠すこともなく時間を掛けて動いた。バルト王国軍はアウレア平原の戦いで損害を被ったものの、それほどの影響はないとおっさんは踏んでいた。


 実際、バルト王国軍の受けたダメージは少ない。

 兵の損失は、主力を出したブラントゥが被っただけで、直轄軍には微々たるものであった。それよりも痛いのはアウレア大公国内の親バルト勢力を失ったこと。

 何より、想定以上の大戦となり一撃でアウレアを掌握できなかったことである。ホラリフェオとその後継者ロスタトを討ち取っていなければ、長年の努力が無駄になっていたところであった。


 おっさんがヴァンパ城に総攻撃を掛ける準備をしていた時、伝令が走り込んできた。


「たった今、先触れが参りました。ジィーダバ侯爵の軍勢が出陣されたとのことであります。およそ5、6日後の到着となるかと」

「ふむ。分かった。ご苦労さん。後5日か……」

「おお、ジィーダバ侯爵も重い腰を上げたようですな。よかったよかった」


 おっさんが何やら考え始めたので、代わりにノックスが伝令に下がるように伝える。どうにかしてヴァンパ城を落としておけば、ジィーダバを最大限もてなせるだろうとおっさんは考えていた。


※※※


 フェトラ城の備えに回っていたドーガは、真面目にもおっさんに言われた通りにひたすら目の前の城の動向を見張っていた。


「ドーガ様、攻めなくてもよろしいので?」

「あーいいんだよ。閣下が備えに俺を置いたんだし、そのとーーーりに備えときゃいいんだよ」


 ドーガは若干拗ねていた。

 せっかく新たな【個技ファンタジスタ】と【戦法タクティクス】を付与してもらったのに発揮することができないからだ。


「ったく、使わないならいらねぇじゃねぇか」


 そうぶつぶつと呟いたところでようやく気が付いた。


「あ、そうか! そうだわ。敵主力がこりゃ俺らの出番って訳だよな。それまで戦力は温存って訳だ。閣下が意味のないことをするはずないわな」


 ドーガは大声で独り言を呟くと何が面白いのか笑い出した。

 と言うか大声で呟くとは器用なことをする男である。


※※※


 もう1人の男、ガイナスはエリウ城を攻めていた。

 各城の連携を取らせないためにもある程度の攻撃は必要と判断したのだ。


「【戦法タクティクス】だったか? もう少し城攻めに有利なヤツがありゃあなぁ……。分断だけじゃなく落とせたかも知れんのにな」


 【戦法タクティクス】は多種多様である。

 しかし付与するための宝珠を手に入れるまで何の【戦法タクティクス】が眠っているのか分からないのが残念なところだ。とにかくおっさんが手に取ってみるしかない。その他の者は何でも入手してみる他、手はない。


「ドーガはどうしてるか分かるか?」

「はッ! バルムンク様の部隊に動きはございません!」

「あいつはアホか。見てるだけかよ」


 ガイナスは遠くにいるドーガに可哀そう(バカ)なものを見る目を向けた。


「しかし後方にいるだけってのもな。指揮官はつまらん」


 そう言ってニヤリと笑みを浮かべると大音声で命令を叫んだ。


「てめぇらッ! 準備はいいなッ! エリウ城に攻め掛かれッ!」


 ガイナス軍、一五○○はエリウ城に殺到した。

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