あめのけしき、あめのせかい
〈あめのけしき、あめのせかい〉
霧のように雨に隠される遠くの景色
雨音が静かに響く世界
潤いと彩りを回復させる世界
世界は鮮やかな色を取り戻す
窓の外の景色
雫に飾られている硝子窓
流れる雨粒で歪んで映る景色
いつもと違う世界
水の景色
水溜まりのある風景
流れる水そして増える水
低く響くように水の流れる音
激しい水音の世界
ひび割れた心の傷に
雨音がやさしく沁み通る世界
悲しみやその思い出の景色が
細かな雨粒で霧のように隠される世界
窓に映る泣き顔が
しずくや流れる雨粒で隠され
人にも自分にも見えなくなる世界
かなしい記憶
つらい思い出
雨よ降れ
悲しみを洗い流せ
雨よ雨よ
もっともっと激しく降れ
大きな雨音の響きで
わが泣く声を書き消すように
やがてくる晴れ間と
時おり見せる鮮やかな虹の色で
わが未来を照らし祝福せよ
でも今は
もうすこし
もうすこし
このやさしい雨音のなかで
つつまれるように
やさしく
やさしく
この中ですごしていたい
もうすこし
もうすこし
この涙が枯れるまで……
雨音のやさしさにつつまれて……
-つぶやき-
初めのイメージとちょっと変わりましたね(^_^;)
初めはもうすこし荒ぶる雨のイメージでした。←濁流ですべてを流し去るくらいのです(苦笑)
やはり雨はやさしいのですね。
ときに荒ぶり、
ときに残酷に降りはしても。
やさしい雨につつまれていたいものです。
いつか、そこから旅立つ決意の時までは。