表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼方からの騎士  作者: アロマセラP
2/28

エピソード1-2

「硬い、味気ない」


焼いた肉を食いながら愚痴をこぼす。


「不便だ。デイリーマート行きたい。Dチキ食いてー」


俺は何度目かわからないつぶやき漏らす。


この異世界に来てから1週間がたった。


現実世界では経験したことのないことばかりで四苦八苦しているが何とか生きている。


食べ物は動物を狩る(抵抗感もあるが)か木の実がある、水もある。火は魔技でつけられるから夜獣に襲われる心配もない。


しかし、中身はただの高校生、料理やらいろいろ自分でやらなければならないのは大変だった。


それに、これがゲームと同じ世界なら本来野宿する必要もないのだ。不便でないわけがない。


だが、ずっと不便なことを嘆いているわけにもいかない。元の世界に帰るにしろ、この世界で生きていくにしろ、まずはこの世界について知らなければならない。


この世界にきて分かったことがいくつかある。


まずはこの世界について。この世界はおそらくゲームとは別の世界であること。この世界にあるもの(主に植物)を簡易クラフトキットで解析したところ、ゲームと同じものはほとんど無かった。ただし一部同じものがあったので「おそらく」にした。


次に、自分、レイハルトについて。


この身体はゲームでの「レイハルト」をそのまま受け継いでいる。使える武技、魔技ともにゲームで使っていたものと同じでアイテムもゲームで普段から持っていたものがほとんどそのまま残っている。


アイテムストレージに残っている物は、回復アイテムであるアインメディト(小回復)、ツヴァイメディト(中回復)、ドライメディト(全回復)、ランドメディト(全体中回復)、リアニメディト(蘇生アイテム)、簡易クラフトキット、基礎クラフト素材、テレポーター、ルアードール、照明アイテムが入っていた。


回復アイテムと照明アイテムは文字通り、簡易クラフトキットはクラフトをクエスト中に行うための物。


クラフトとは、アイテムを作ったり、武器やアイテムに能力を付与したりする機能である。ゲーム内では錬金術ともいわれていた。


基礎クラフト素材は、そのクラフトに使うもの。


ルアードールはHPが0になったときにそれを使うことでHPが半分の状態で復活できるアイテムである。


いつもこれを持ち歩いていたが個数がいつもより少ない気がする。まあ、異世界召喚されたみたいだし、多少のバグは目をつぶろう。


テレポーターに関して。これはゲームにはなかった使用だったが、2つ以上テレポーターを起動すると、そのテレポーター同士を行き来できる。


さらに、テレポーターは壊れるか、スイッチを切らない限り半永久的に使うことができる。これのお陰でだいぶ遠出ができるようになった。最もまだ、森を出られていないが。


武技、魔技についてはゲームの物がそのまま使える上に武技、魔技の各レベルはゲームの時と同じ最高レベルの20である。


また、意識すればレベルを下げて使うこともできるようだ。


スキルについてもすべてゲームと同じ、はず。こちらは選んで発動できるアクションスキルは確認したが条件発動型のパッシブスキルはまだすべての確認が終わっていない。


MPについて。これもゲームと同じ仕様、だと思う。


ゲームでは、MPを消費すると大気から魔力をデバイスを通じで体内に送り込みすぐにMPが回復する仕組みになっていた。


その代り、消費MPは大体2桁なのに対して最大MPは多くて500程度だった。つまり、MP切れがない代わりに武技、魔技を連続して使い続けることはできないのだ。


この世界でもMP切れになる(次が発動しなくなる)まで武技を連続して使ったが、よくマンガとかであるMP切れによる倦怠感はなく、少し時間を空ければすぐに次の武技を使えるようになった。


だから、ゲームと同じ仕様だろうと見当をつけた。MPが見えないので正確なところはわからないが。


エネミーについて。エネミーとはゲームでの敵や原生生物の総称。この世界で見つけたエネミーはゲームのエネミーに似てはいるが違うもののようだ。そして、ゲームとの一番の違いは、倒したエネミーが死体としてその場に残ることだ。


ゲームでは倒したエネミーはすぐに消滅しアイテムをアイテムのみが残るのだが、この世界では死体が残る。そのおかげで狩りが成立しているのだが。


まあ、この世界についてわかったことをまとめてみたが、これらを合わせてやはり、この世界はゲームとは別の異世界だろうと結論づけた。


ところで、


「なんで誰にも出会わないんだ」


普通なら自分を呼んだ人物が出てきたり、この世界の人と出会いがあったりするもんじゃないのか?俺が呼んだ大抵のラノベはそうだった。大体呼ばれてすぐ誰かにあってた。


なのに、なのに


「何で1週間も誰にも会わねーんだ!」


俺の悲しい叫びが森に消えていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ