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彼方からの騎士  作者: アロマセラP
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エピソード1ー1

SFゲームの1000年後はファンタジーの第2稿です。あっちは終了したのでこれからはこちらで描いていきます。

「リーダー、回復アイテムのエンチャントお願いできますか?」


「おう、ちょっと待ってな」


「リダ、次のクエストなんだけど」


「何人来れそうだ?出来ればチムメンのみでフルレイドしたいんだが」


ゲームでのチャット、ラノベやアニメではVRゲームが流行っているがそんな技術は今の日本にはない。でも、それでいい。画面越しだからこその面白さもある。前のチームは失敗したけど今回は大丈夫そうかな。


強いな。さすがはラスボス。最高職で固めてきたのに回復アイテムも蘇生アイテムも底を突きそうだ。うおっ、今の一撃で半分落ちた。


12人のフルレイドでこれかよ。運営さん、ちょっと強くしすぎじゃないんですか?これ、まじで勝てるのか?レベル、は皆Maxか。じゃあ武器か、連携か。


あ、あと俺一人になっちった。蘇生アイテムは、もうねえや。まあいいや。リーダーらしく最後まで足掻いてみるか。



※           ※

「はあ、はあ」


しまった、長居しすぎたのかしら。


「ひとまずあの森に逃げ込むぞ」


私の隣を走る狼のオルガが前の森を見据えて言う。


「そうね」


「いたぞ!あそこだ!」


見つかった!


「急げ!リリア。森の中なら身を隠す場所も多くあるはずだ」


「え、ええ」


私は疲れた足を精一杯動かして森の中に駆け込んだ。


             ※          ※    

鳥の鳴き声が聞こえる。風が気持ちいい。ん?風?


俺は身体を起こして辺りを見回した。周りに広がるのは木、木、樹。どうやらここは森の中のようだ。


「なんで俺はこんなところに?」


俺は記憶をたどる。


(学校から帰ってきて、飯食って風呂入って、いつものようにゲームにログインして、っつ!)


そこまで考えるといきなり頭に鈍い痛みが走った。だがそれはすぐに消えた。


「なんだったんだ、今の」


少年は改めて周りを見回す。当然だが全く知らない景色だ。


「のど、乾いた」


見れども見れども木ばかり、もちろん手元にペットボトルなどない。森の中を歩き回り、のどの渇きが限界に近付いた時、池を見つけた。


「み、水だ」


俺はは池に駆け寄る。そして池の縁に膝をついて動きが止まる。


「誰だ?これ」


池の水に映っていたのは普段目にしている自分の顔ではなかった。黒色の髪に整った目鼻立ち、紺色のコートの下には鈍色に光る装甲が、って


「これ、レイハルトじゃねえか!」


水面に映った姿は俺がいつもプレイしていたMMORPG「惑星激録」のキャラクター「レイハルト」そのものだった。


惑星激録とは、日本で1,2位のシェアを誇るSFファンタジーゲームだ。


とある惑星に調査隊として派遣された主人公はその惑星で起こる原生生物たちの暴走などの対処をしながら惑星の真実に近づいていくと言ったゲームだ。


「確かダークネス・ラグナレクがもうそろそろ、っつ!」


また鈍痛が走る。どうやら過去を思い出そうとすると痛みが起こるようだ。


「何なんだよ、これ」


ちなみにダークネス・ラグナレクとは惑星激録のラスボスのこと。惑星の原生生物の暴走の原因で惑星を飲み込もうとしていたもの。過去に一度封印されたらしい。


過去のことを思い出そうとすると痛みが起こるので、現状を考えることにしよう。


「つまり、俺はゲームのキャラ『レイハルト』の姿で見ず知らずの場所に放り込まれたわけか」


俺ははもう一度辺りを見回す。レイハルトとして異世界に降り立ったなら惑星激録の世界かもしれないと思ったが、やはり見覚えはない。


「いや待てよ。ここはまだ未実装のエリアかもしれない。それか、画面越しと実際に見るのでは違って見えるのかも」


そんなことを考えてふと思い出した。


「ミニマップとテレポーター、使えるか?」


テレポーターはゲームの世界では拠点と現在地をつなぐ移動手段。ミニマップは読んで字のごとく。


早速ミニマップを開こうとして手が止まる。ゲームではキーボードとマウスで操作していたが、じゃあ実際はどう使うのか。ゲーム内のキャラクターはその時その時動いているわけではない。


「公式設定だと、確か」


頭の中でミニマップをイメージする。すると目の前に画面が現れる。よし出た!と思ったがそこに表示されているのは


NODATA


うん、なんとなくそんな気はしてた。ミニマップを閉じて次はテレポーターを使ってみるか。


テレポーターはアイテムから使う。頭の中でアイテムストレージをイメージする。


ゲームのプレイヤー、PICT(ピクト)は全員脳内にマイクロチップが埋め込まれている。それを使ってARパネルを操作する(設定資料集より)。


ARパネルを操作してテレポーターを使用する。


すると目の前に円柱形に光るオブジェクトが出現する。


「アイテムは使えるな。さて、転移できるかな?」


テレポーターの光の中に入って拠点に転移しようとしたが、


転移先無し


「………」


脱力感が襲う。拠点にも帰れないとは。やはりここは全く知らない異世界なのか。


とりあえず、ARパネルは使えた、アイテムも使える。あと確認しなきゃいけないことは…、


「武器、どうなってる?」


今度は武器スロットをイメージする。ゲーム内ではこの武器スロットを使って色々な武器を使っていた。武器スロットに入っている武器は、片手剣、長槍、大剣、双剣、弓、魔導砲、杖の7つ。自分が使っていた装備と同じものだ。


試しに片手剣を選択する。すると腰に片手剣が現れる。これはゲームと同じ仕様。この片手剣は盾が剣の鞘になっているものだ。


俺は剣を盾から抜き、構える。普通に持てる。軽く振ってみても特に違和感はない。


「そうなると武技や魔技も使えるのか?」


武技や魔技というのはMPを消費するスキルや魔法のようなもの。惑星激録ではスキルは別にあるが。


試しに片手剣の武技「バーチカルシュニット」を使おうとする。ゲーム内ではコマンド操作だったがここではおそらく脳内でイメージするのだろうと思いイメージする。


すると腕についているデバイスから武技情報が引き出されマイクロチップ経由で身体に信号が走る。


身体が勝手に動き、軽い突進からの上段切りが放たれる。ゲーム内キャラはこうやって動いてたのか。


武技は使えた。次は魔技だな。


「さてどれを使うか」


魔技は火、氷、雷、風、光、闇の属性があり、それぞれに初級、中級、上級の魔技がある。


「火は森の中だとまずいな。雷もダメだな。とりあえず氷か」


氷の初級魔技「イーズ」を使う。目の前に冷気の塊ができてそれを打ちだ、え?


現れた冷気の塊は予想よりも大きなものになりかなりの速さで打ち出された。こんなでかかったのか。


冷気の塊は木に当たると辺り一面を凍らせた。


「うっわー、なにこの威力」


凍った木々を見ながら俺はため息をついた。威力のことを考えなかったのはこっちのミスだ。さてどうしよう。


「火しかないか」


次は威力を加減しつつ火の初級魔技「フォイア」を使い火の玉を打ち出す。


加減したからか氷が少し残ったがほとんど溶けたし山火事もない。これでひとまずは大丈夫。


「さてこれからどうしよう」


森の中で一人、どう暮らしていけば。


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