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彼国忘れじの王物語  作者: 秋伽
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1話…王の茶会



1話


空の果てまで高くそびえ立つ純白な塔。

白い世界に純白の塔というコントラストは最悪である。

見つけにくくて仕方ない。

しかし今日は行かねばならぬ。

何故なら全ての王が集まり顔を合わせる“王の茶会”が行われる。

これは不定期で各国の王が順番で決めてもてなすものだ。

本日は四季の国が当番である。

四季の国の王は一番幼い見目をしているが、上から3番目の長寿の精霊だから期待が出来そうな茶会だ。

特にお茶が美味しい。

そうこうしているうちにようやっと中立国にたどり着いた。


純白の塔に足を踏み入れると、ふわりと光に包まれそのまま上昇していく。

速いのか遅いのかよく分からないが少し考え事をしていると王の茶会が繰り広げられるフロアに下ろされる。

コツンコツンと響く足音を聴きながら大きな扉に手を翳し


「花の国のお姫様である王でございます。」


なんて軽く屈んで礼をしながら言うとゆっくりと重い扉は開かれる。

白い部屋に白い大きな机に白い椅子。

白の世界で、殆ど集まっているのか視線が私を貫いていく。

5番目の花の国の席に座ると、かたりと音が鳴る。

茶会まではまだ早いのか皆座った状態だ。


「今日は花のお姫様が遅かったのぉ

心配したのじゃぞ!」


と陽気に足を揺らして一本下駄を鳴らしながら言うのは四季の王。


「ふふ、今日も可愛らしいわ。

愛で幸せになりなさいな、お姫様」


と軽く茶化して微笑んでくるのは愛の王。


「遅刻では無いから安心せよ。

今日は四季の王の茶会で皆楽しみすぎているだけだからな」


ときっちりとした顔で告げる正義の王。


「楽しみで眠れてないのなら…眠らせようか?」


とにんまりと笑いながら煙管を吹かすのは眠りの王。


「アハハっ可愛そうでしょぉ〜

折角の茶会で眠らせちゃ…でも代わりに夢をみせよぉーか?」


くすくすと笑いながら眠りの王と話すのは夢の王。


「あの二人はいつもの事よ

気にしないでちょうだい」


と優しく頬んでくれるのは星の王。


「眠らせられたら起こして差し上げましょう…」


と口元を隠しながら笑うのは目覚めの王。


「ごめんなさいね。

私からちゃんと言っておく。気は悪くしてない?」


と心配して聞いてくださるのは夜の王。


「うふふ、まぁいいじゃありゃあせんか…子供の戯れな様なものでしょうし」


と眠りの王と夢の王を小馬鹿にしながら話すのは陽の王。


「別に私は何も気にしてなくてよ!

姫であり王である私寛大なのだから」


ふふんとしたり顔で話すのは花の王。



「ふむ、皆の者そろっておるな?

ちと早いが茶会をやるかのぉ」


と手をパンと叩いて四季の王が立ち上がる。

何処と無く白い世界が一瞬で常夏の様な風景に早変わり。

そして机にはお茶(抹茶と言っていたお茶)と可愛らしいこじんまりとした花の形のお饅頭。練り切りと言っていたモノが目の前の机に置いてある。


「さて皆の者

今宵の四季の王の茶会。得と楽しむのじゃ!」


不思議な茶会はまだ始まったばかり。

王達は珍しくお祭りの様にはしゃいで巫山戯て踊り狂い数週間の時を使っていたとか…。


1話は皆登場する茶会です

今後はペアなど組み合わせで話を展開していこうと思っております

よろしくお願いいたします。

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