緋色のサファイア第26話
今回は (主に服が) エキサイティングな感じです!
頑張って脱出します!
私も仕事から脱出したいです!
何はともあれ、楽しんでいってくださいw
前回のあらすじ
政府軍領土を襲撃した巨大航空機を内部から破壊したハルカは、そのまま巨大航空機と共に墜落してしまう。現場の混乱に乗じて敵地へと拉致されてしまったハルカは、気絶している間に体に何かされていたようであった。することも無く牢の中で寝ていると、世話係の敵兵がハルカの食事をつまみ食いしているところを目撃してしまう。ハルカは、油断する敵兵の背後から忍び寄り、腰に下げた銃を奪いにかかる。
あと少し、ほんの数十センチで、ハルカの手は目の前の拳銃に届きそうだった。袖の無い服は、布の擦れる音とは無縁であった。じわりと汗が背中を伝う、いやな感触を感じた。目の前が一瞬暗くなり、カチャリと金属の音が聞こえた。一瞬、何が起こったか分からずハルカは固まってしまった。
「銃を取ろうとしたんだろ?分かってるんだよ」
「っ……!」
兵士は右腰にぶら下げていた拳銃ではなく、また別の、しかし見覚えのある銃を向けてきた。
「私の銃……」
「マグナムだよな?力を失っているお前にぶっ放せばあっという間だよな。そうだ、悪い子にはお仕置きだ」
ハルカのリボルバーを持ったまま牢から立ち去ったと思ったら、数分後、偉そうな人間を一人、そして見るからにボロボロの別の人間を1人連れて戻ってきた。
「ほら、座れ」
「クソッ、何だよ……」
ハルカの前に、手錠をかけられた何者かが放り込まれた。
「あなたはっ……!」
その者はハルカの顔を見るなり、お手本のような驚いた表情を作った。
「オーケー、静かにしろ。ハルカ、こいつは君のお仲間の政府軍兵だ。俺たちの敵が二人、そしてリボルバー。わかるよな?」
敵兵は銃から弾を5発抜き、床に無造作にバラまいた。シリンダーを勢いよく回して二人の間に置いた。そのまま銃を回転させ、床で擦れる音とともに銃口はもう一人の方へと向いた。
「お前からだな。早くしろ」
政府軍兵士は震える手で銃を持ち、自分のこめかみに銃口を向けた。
「ちょっと!何してるの!」
「ロシアンルーレットですよ、ハルカさん。やらなきゃ殺される」
「解説ご苦労。あと3秒やろう」
その3秒は、無限とも思えるほど長く、ただ一人の男の荒い息遣いだけがその場を支配した。
「うわぁぁああ!」
叫び声と共に、その兵士は勢いよく引き金を引いた。カチリとハンマーが落ち、一瞬の静寂に包みこまれる。
「おめでとう、今回は助かったな。では皆さんお楽しみ、その女の番だ」
またしても、軽快にシリンダーが回転し、ハンマーが起こされた銃がハルカの前に置かれた。
「ハルカさん!あなたはここで死んではダメだ!自分を撃ってください!」
政府軍兵士がハルカの身を案じて叫ぶ。しかし、ハルカは自信に満ちた顔で受け返す。
「大丈夫!それよりも、自分を大事にしてね」
心配で今にも泣きだしそうな味方を横目に、自身の頭に銃を向けた。そのまま引き金を引くかと誰もが思った瞬間、流れるように銃を敵兵に向け、そのまま銃口からは炎があふれ出した。ハルカはすぐさま床に転がる弾をリボルバーに装填する。それと同時に、味方の政府軍兵士が、倒れた敵兵の銃を奪う。別の見張りの敵兵から、軽い破裂音と共に明るい炎が噴き出すのが見えた。恐怖など感じる前にハルカも撃ち返し、ほぼ同時に味方兵士も銃弾を放った。
「ふぅ、うまくいったね!」
「いやはや、肝を冷やしましたよ。でも、よく弾が出るって分かりましたね」
「いやー、落ち着いて前から見たらどこに弾があるか分かるんだよね」
ハルカはそう言いながら、敵兵の遺体を漁り始めた。
「でも、フレーム側にあったら見えないんじゃ……」
「んー?この銃は銀色だから、弾の銅色が反射して分かるよー。あっ、鍵あった!」
銀色に輝く鍵を取り出し、足首に巻かれたオブシディアンの筒に挿し込んでみた。カチリと心地よい音を弾ませながら、足枷からハルカは解き放たれた。
「やった!これでそっちの手錠も開くかな?えっと……」
「自分はメイソンと呼んでください!鍵助かります」
ハルカハメイソンの手錠を外し、牢の鉄格子を素手で曲げて難なく外へと脱出した。
「ここ、地下っぽいね。上までの道分かるー?」
「自分は上の階から来たのである程度は……。とにかく、見つかる前に急いで上がりましょう」
「オッケー!モウバレてるだろうし、派手に行こう!」
メイソンの案内を頼りに二人は薄暗い廊下を走り、階段を駆け上がった。途中、数人の敵兵が立ち塞がったが、力を取り戻したハルカの前に呆気なく薙ぎ倒されるばかりであった。しばらく走ると、小さな窓が壁に開いているのが見えた。
「うーん、ちょっと上がりすぎちゃったかなー」
「いつの間にか4階くらいの高さまで上がってますね……。少し降りましょう」
「いや、ここから行こう!」
「え……」
ハルカはおもむろにメイソンを抱きかかえ、窓を粉々に蹴破って飛び降りた。数秒間の無重力の後、ハルカの足は地面に叩きつけられた。普通であれば足が壊れるところであるが、代わりに地面にヒビが入っていた。
「いったーい!でも、何とかうまく行ったね!」
「し、死ぬかと思った……!」
二人は無事に敵軍建物からの脱出に成功し、ハルカはメイソンを抱えたまま荒れた地面をペタペタと歩き始めた。
「さて、敵の戦闘機を盗んで帰ろう」
「ハルカさん操縦できるんですか?っていうか降ろしてくださいよ」
「一応免許持ってるよー。私が抱えて走るほうが速くない?あ、あっちに飛行機ありそう!」
ハルカはメイソンを抱えたまま、少し遠くに見える広場に向かって走り出した。途中、走りやすいようメイソンを背負い、車並みの速度で荒野を駆け抜けた。途中何度かつまづきそうになったが、何とか持ち堪えつつ航空機を探した。
「ハァ……ハァ……。ねぇメイソン?ちょっと休憩して良い?」
後ろからは返答がなかった。眠ってしまっているのだろうか。ハルカは走るのをやめ、とぼとぼと歩き始めた。
「ねー、起きてる?そう言えばメイソンはどこから来たの?私は敵の巨大航空機に潜入してたんだけど、一緒に撃墜されちゃってさー。脱出前に撃ち落とすなんてひどいよね。あっ、エリックって知ってる?あの電気の人。潜入するとき一緒だったんだけど、何か外に吹き飛ばされてたし、きっとそのまま脱出できたよね」
ハルカの後ろからは、何も声は無かった。
「ねぇ?メイソン?」
ハルカの腕に、ねっとりとした液体が滴り落ちる感触が走った。汗にしては少し気持ち悪く感じた。
「メイソン?まさか……!」
ハルカガメイソンを降ろすと、彼は血まみれで既に息をしていなかった。後ろから撃たれてしまっていたようだった。
「そんな……!もしかしてつまづきそうになったのって……」
辺りを見回すと、遠くの建物にハルカを眺める影があった。
「キョウカに、あの影は……!」
睨み合う両者の間に生暖かい風が走り、犠牲になった憐れな者の血の匂いを遠くへと運んで行った。
うひょーーーーーw
何か描きたい絵とか多くて、あと話が進んで徐々に自由度が無くなってきてなかなか進められません……。あと少しで完結までもっていく予定です。もう少し (作者は) がんばりましょう(^ཀ^)




