手に入れろ!光の剣
5話です。もう1話を投稿してから2か月?3か月?くらいですね。
「僕の名前はカルア!よろしくな!」
「この先何かあるか?」
「村があるよ!そこで一旦この地域で起こったことを話してもらおう!」
そして、かみすけ達は険しい岩石地帯をしばらく進んだ。
寒さは村に近づくにつれ、厳しくなる。
視界は奪われ、前が見えない。
「おい!本当にこっちでいいのか?」
「大丈夫、村の近くにこの吹雪を起こしている魔物がいる」
「それって村は壊されたりしてないよね?」
「奴はそんなことはしない!」
「なんで?いい魔物なの?」
「ちがう!奴の目的は魔王がこの世界を支配する前線基地にしようとしている!魔物に合った環境を作ることが奴の目的だろう!」
「え!?なんでそんなこと知ってるの?」
「討伐隊が僕以外皆殺されたんだ!そして、仲間達に使命を託された!『勇者と出会い、闇を払え!』と」
「フ、面白くなってきたぜ!」
突然光が辺りを照らし、眼の色が変わった。
「これってもしかして勇者の魂が復活してる?」
「ああ!正真正銘俺が勇者アストラルだ!」
そのとき、宝玉から光が真っすぐに何かを指し示す。
「村の方向だ!」
アストラル達は走りだした。
しかし、村に着いたとき人影が見当たらないことに気づく。
家のドアをノックしても人の声は聞こえないし鍵もかかっていないようだ。
「なんだよ、魔物がすぐ近くにいるのに鍵もかけないで、ここの人たち不用心すぎるな」
ドアを開けた次の瞬間、衝撃の光景か眼に飛び込んできた。
なんとまるで生きているかのような良くできた氷像が立っている。
「そんな、嘘だろ」
「これも奴らのしわざなのか!奴らはここから少し北にある洞窟にいる。その洞窟にはかつて、数多の戦士を殺したともいわれる強者が封印されている所だ」
「その封印って解けないよね?」
「額に刺さっている剣を抜かないかぎりね。その剣は光の剣といって光の力を宿した剣だ」
「魔王を倒すにはそれを抜かないとだめ?」
「それでも魔王にはかなわんよ!勇者の剣がないと」
「話ててもしょうがない!いくぞ!」
すると突然、風に飛ばされている雪が渦を巻き、何かの形を作る!
「なんだあれ?」
雪や氷が固まって氷の棘ができていく!
「あいつこそ吹雪の元凶、インセクトブリザードだ!」
「え?虫?」
「キシャアアアァァァァ」
眼を朱く光らせ威嚇していくようだ。
アゴは鋭くとがり、ガシガシと音を立てている。
透き通った4枚の羽は不気味な音を鳴らし、目にも止まらぬ速さで羽ばたく。
鎌のような6本の脚は氷を貫くするどさ。
「気持悪い!」
「そんなこと言ったって倒さないとまた吹雪が襲ってくるぞ」
「くらえ!波紋真空波!」
カルアは槍を回し、円状に衝撃波を作り出す!
周りの氷が斬れて隠れる場所がなくなった。
「あぶねぇな!何やってんだよ!」
「言い争ってる暇があるなら奴の攻撃に備えろ!」
口を大きく開き緑色の液体を一直線状に飛ばして来た!
「あれは毒だ!気をつけろ!」
「相手が氷でできているなら火が弱いはずだ」
「闇の炎よ!我が剣に力をもたらせ!闇十字鳳凰斬!」
2本の剣に黒く揺らめく炎を纏い、斬りかかる!
インセクトブリザードは2本の脚で身を守る。
そのとき、脚をあっけなく斬り、そして全身を真っ二つに斬った!
「やった!これで吹雪も落ち着く・・・ってあれ?かみすけは?」
かみすけは目の前の洞窟に入り、奥へと走っていった。
「おい!まさかこの中に?」
「そうかもね」
かみすけは最深部へとたどり着いた。
「あれが光の剣!」
光の剣は手に入れなければ強い敵に勝てない!
かみすけは剣を力いっぱい引っ張り始めた。
「うおおおおおおお」
氷の塊から剣が抜けた!
それと同時に氷の塊にはひびが入り、封印されていた魔戦士が蘇る!
「我は古代フェール人の戦士レギウス!忌まわしき封印を解いたことに礼を言おう!」
「だれがお前なんかのために!この剣で貴様の闇を照らす!」
宝玉が輝き、アストラルが光の剣を構える!
「その眼、勇者レギオンと同じ!気に入らん」
魔戦士レギウスは鞘からミスリル銀制の剣を抜き、アストラルに斬りかかる!
刃が激しくぶつかり合う!
アストラルは壁へと追い込まれた!
「封印を解いたお礼にラクにしてやる!」
魔戦士レギウスは剣を振り下ろした!
壁には切れ目が入り氷の粒が飛び散る!
「そこまでやるとはな!ならばとっておきだ!光を食らいし暗黒の闇よ、地獄より黒き雷となりて光を蝕め!暗黒魔法ヴェルドーラ」
漆黒の稲妻がアストラル目掛けて飛んで行く。
バチバチと音をたて、近づいてくる雷に目を奪われ、爆発したかのように煙が立ち込める。
「地獄の炎より熱き紅蓮の炎よ!闇を焼き払い、闇を貫け!紅き雷槍よ!敵を殲滅せよ!火炎魔法ファイガルブ!」
「何!?」
朱く光を散らし、数多の槍が魔戦士レギウスを襲う!
魔戦士レギウスは剣を振り回し、炎の槍を斬るが次から次へと襲い掛かる炎の槍から守り切れず、体に突き刺さる!
アストラルは走り出し、光の剣を額に突き刺す!
光の剣が眩い光を出し、辺り一面が真っ白に染まった。
そして前にいた魔戦士レギウスは光とともに消えた。
将来、大人になって恥ずかしいと思いながら見るのでしょうね。
そうはなりたくないですが。