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2話 遭遇 2

とりあえず、キリのいいところまではサクサクと進めます。


この物語の、1話1話の文字数は少なめです。

漫画でいう、4コマ、ショート漫画の感覚で読んで頂けたらな、と思います。



場所は変わり、遊具一つない寂れた公園に唯一あるベンチに少年を座らせ、青年は少年に問う。


「因みにお聞きしますけど、ご出身は?」


「魔法都市アールヤ帝国だ」


「……では、ここはナーイヤ帝国なのでお引き取り下さい。それでは」


一つ目の質問から匙を投げ、これ以上の面倒事は御免だとでも言いたげに、青年は踵を返す。しかし服の裾を掴まれ、逃走は失敗に終わる。


「待て‼︎ナーイヤ帝国とはなんだ⁈新しい敵国か⁈」


厳しい表情で叫ぶ少年は、とても真剣だ。だが、青年は適当な返答でその場をやり過ごそうとする。


「……さて、それはどうでしょう?」


「ふん!所詮は小国だろう?僕の国は5万の魔法騎士兵の所属する大国だ!負けるはずがないな‼︎」


「…それはどうでしょう?こちらは、約1億3千万が所属する国です」


腕を組み下から強気な表情で青年を睨め付けた少年は、予想外の返答に動揺する。


「な、なん、だと……。アールヤ帝国が兵力で劣る、だと?」


「(兵士が、とは言っていないのですが)」


遊ばれている、という事に気付けない少年はアワアワと落ち着かない様子で視線を泳がせていた。









「そういう貴様は何者なのだ‼︎素性が知れん奴は信用できないな‼︎」


動揺から立ち直った少年は、鋭い視線で青年を射抜く。その問いに対し、青年は少し考え、一つの答えを出す。


「僕は、そうですねぇ……。自宅警備員、ですかね」


青年の言葉に少年はキランと目を光らせた。


「な、なんだその、カッコ良さそうなものは⁈」


「…そうですね。簡単に言うと、大体24時間365日自宅を警備するお仕事ですね」


その反応に青年は簡潔に、"自宅警備員"について説明する。少年は更に目を光らせ、興奮した様子で青年に詰め寄る。


「そ、それは僕でもなれるのか⁈」


「ええ、なれますよ。ある条件をクリアすれば、誰でも、簡単に」


「どうすればいい‼︎その条件とはなんだ⁈どうすればその、"じたくけいびいん"とやらになれる⁈」


頬を上気させ、見た目相応の子供の様に無邪気に青年に尋ねる。それに対し青年は、にっこりと笑顔でこう言った。


「ではまず、無職になって下さい」


「…………ん?」


少年は理解できなかったようで、疑問符を浮かべた。


「無職になって下さい」


大事なことなので2回言った。


「そ、それは僕に魔法騎士団を辞めろと、言っているのか…?」


無情に告げられた言葉に、少年は動揺しわなわなと震える。それに対し、笑顔のまま頷く青年。


「そうですね。"自宅警備員"は無職でないとなれない職業です」


「な、なんと…。それ程までに厳しい職業なのだなっ」


あまりに真剣な表情で言うものですから、笑いを堪えるのが大変でした。

後に青年はそう答えた。






「それで、君はいくつなのですか?」


二つ目の質問で、少年はバッと顔をあげ、ベンチの上に立つと腕を組み自慢げに叫ぶ。


「よくぞ聞いた‼︎僕は先日、ついに100歳を迎えた‼︎やっと親の保護下からでて、一人前の兵士となれたんだ!」


「へーそうなんですか」


100歳を過ぎないと親元を離れられないその国の子供が心配ですね。いや、子供に限らず、ですかね。


「そして、僕は最年少で魔法騎士団に入ったエリートなのだ!」


「それはそれは、すごいですねー。それじゃあそろそろいい時間なので、私は帰りますねー」


興味なさげに、棒読みで返事をする青年は、付けていないが腕時計を見る素振りをし、今度こそ踵を返し、公園の出口に向かった。その様子をポカンとした表情で見ていた少年は、ハッと意識を戻し、慌てて青年の背を追いかけながら、縋るように手を伸ばす。


「ま、待てお前‼︎僕を置いて行くのか⁈」


その言葉に、立ち止まった青年は、少年に向き直ると首を傾げた。


「え?立派な一人前の兵士なのでしょう?なのに付き添いが必要なのですか?」


「うぐ、そ、そんな事はないぞ‼︎僕は一人でも大丈夫だ‼︎」


「そうですか。それでは、失礼します」


いいように操られている事に気付けない少年は、深夜の公園に一人残されたのだった。


1話で前書き後書き書き忘れた…。


と、いうわけで、新作始めました。

多分、佐藤君の方が落ち着くまではちゃんとした更新はできないと思いますが、楽しんで頂ければ幸いです。


変なところで区切る事もあるかもですが、ご了承下さい。(あまり筆が早くないのです……)

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