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第11話

夕食を食べ終えた俺達は、ルティは地面にあお向けになり、満足そうな顔をして寝ていた。そして俺は寝ているルティの頭を、モフモフしながら撫でていた。


{ケン様は余程ルティ様を、大事にしてらっしゃるのですね?}


{う~んそうか?でもルティの母親からも頼まれてるし、今でこそミドルベアだけど、ついこの前までスモールベアで小さかったから、まだ小さな子供な感じで、無意識にそう扱ってしまうんだろうよ。それに俺はモフモフが好きなんだけどな}


{ルティ様が羨ましいです}


{なにか言ったか?マリア}


{いえ何でも無いですよ!それより魔法の練習をしましょうか?}


{ああそうだな!じゃあ頼むよ}


{はい!お任せを}




それから俺はマリアに、俺の魔力の操作を見てもらい。魔法の練習をしていた。


何となくだけど、分かってきたんだよな。このゾワゾワな感じがおそらく魔力何だと思う。そしてマリアの話しだと、その魔力にイメージをして魔法を発動させるらしいんだけど、人それぞれで得意な性質で属性が決まるらしい。ちなみにマリアは聖属性魔法と付与魔法の2つを使える。聖属性魔法は回復や浄化の魔法で付与魔法は、バフ、デバフらしい。通常人間やエルフなどは教会で調べられるが魔物の俺達は、種族で決まって居るという、前にマリアに言われたが、通常のブラックドックは魔法を使えない。だが俺は諦めない!そう俺には考えがある。属性に関しては何となく思い当たるそして手にイメージをする。


{ケン様の前足に、魔力が集中してます!もう少しです!}


俺は更に前足にイメージしながら集中をすると、ふっと力が抜ける感じがしたと思ったら。集中していた前足に違和感を覚えた。そして頭に響いた。



(アクティブスキル【シャドウクロー】を覚えました)


{出来た!本当に出来たよ!}


{ケン様?これは魔法なのですか?}


マリアがそう言うのも仕方無い事だ、何せ俺は自分の前足の甲側に黒い物質で、出来た20cm程の5本の先の尖った爪を作り出したのだから。そして俺はその場を離れ薪の為に置いてあった材木を、その爪で斬りつけると、太さ20cm程の材木は簡単に斬り裂かれた。


おお思った以上に良く斬れるな!そしてこれを……えいっ!


俺は爪の出てる前足で土壁に向けて空を斬ると、見えない5本の何かが土壁に斬りつけた。


{凄いです!今のは風魔法のエアーカッターのようです!しかも普通のエアーカッターは1本の刃を飛ばすのに、ケン様は5本の刃を飛ばしてます!}


{なるほどねエアーカッターって言うんだ?試しに振って見ただけだったから、スキル名は出なかったんだよね?さしずめエアーシャドウカッターと言うべきかな?あとこれはどうかな?}


俺は爪を飛ばすイメージをした。すると1本の爪が真っ直ぐに飛んで行き土壁に刺さった。


(アクティブスキル【エアークローショット】を覚えました)


ほ~今のはスキルとして覚えたのか?成る程ねさっきのエアーシャドウカッターは。魔力を意識しないで、身体能力で腕を振ったからスキル扱いにならなかったのか。でもエアークローショットは魔力を意識して飛ばしたから、スキル扱いになったんだな。おそらく影分身も知らず知らず魔力を使っていたんだろうな。


{ケン様?魔法が使えるようになったのですか!そして属性は?}


{ああ、おそらく今のは、魔法と言って良いと思う。そして属性は闇属性だと思うぞ!}


{え!闇属性!それは……でもケン様は悪意が出ていませんよ!}


俺が自分の属性に感じた事を言うと、マリアが驚きながらそう応えた。何故マリアがそんなに驚いているのかと言うと、闇属性は魔族が得意としている属性で、人間に対して悪意に満ちているという。


{成る程ね……悪意かぁ}


{それとずっと気になっていました事があります。もしかしてケン様は元は人間だったのでは無いですか?あの時私は見ました。私を助けて下さって、洞窟を出たときにルティ様の頭を撫でている人の影を、初めは神様の仮の姿だと思っていました。でも話してみてケン様はこの世界の事を詳しくないと言うか知らない事が多い。それに神様と知り合いだと言うと、そこで私は思い出しました。昔オオババ様に聞いた勇者様の話しを。その勇者は未知なる世界から現れこの世界を救ったと。その勇者は初め何も分からない方だったらしく。色々と大変だったとオオババ様はお母様に聞いたみたいです。そしてその勇者様は神様に連れてこられたと。言っていたと。だからケン様は……勇者様?}


へ~そんな事がねぇ……


{おい!爺さん!聞いてたんだろ?マリアが言っている事は本当なのか?}


{……あ、そうじゃった!思い出した!確かにそんな事もあったのう!あまりにも昔過ぎて儂忘れておったよ!あはは。まぁだからと言ってお主は気にせんで好きに生きよ}


ふ~んそうか?じゃあ俺の好きにさせてもらうよ。


{マリア!そうだな。俺は確かに勇者と同じ世界の元人間だ}


{じゃあやはりケン様は勇者様なのですか?}


{それは違う!俺は勇者では無い!おそらくその勇者も初めから勇者であった訳じゃ無いだろうな?知らず知らずに強くなってしまい、気付いたら勇者になってしまったんだと思うぞ。だけどな俺にはそんな事は関係ない!魔王が居ようが勇者が居ようが俺の目的の邪魔をするやつは全て。叩きのめす!そして俺の#家族__テイム__#した者を傷つけたりした奴も。全て葬る!}


{ケン様!分かりました。ケン様が何者であったとしても私は、一生お側に居ます}


{ケンお兄ちゃんどうしたの?}


ケンとマリアが熱く語っていたら。起きてきたルティのおかげで正気を取り戻し。少し恥ずかしくなっていた。


{いや何でも無いよ!ごめん起こしちゃったか}


{ごめんなさいルティ様!}


それから俺達は、俺を真ん中に右側にルティ左側にマリアで川の字になって眠りについた。



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