第10話
マリアを助けた俺達はもうじき暗くなるので、このまま森を抜けてマリアが拠点としてる。町に帰るのも危ないと判断し、今日はこの洞窟に泊まることにした。ここは元々盗賊が根城にしていた場所だとマリアが教えてくれた。だからなのか鉄の牢屋があったんだと気付いた。
そうだよな?あのバカな豚どもが鉄の牢屋なんか作れるわけ無いよな……それとここを根城にしていた盗賊達は、おそらく豚共に殺されたんだろうな。違う部屋に人骨が積み重ねてあったのをみると。豚共に食べられたみたいだな。
{そう言えばマリアは何で捕まったんだ?}
マリアは俺の質問に恥ずかしそうな顔をしていた。それと現在マリアは俺のアイテムボックスに入っていた。女冒険者の着替えを着せていた。だがマリアと女冒険者の体型が違うので、特に胸の辺りがきついらしく、胸元がはだけていて胸の谷間がすごい事になっている。そして下半身のミニスカートだが、女冒険者なら膝上位で丁度良いけど、マリアは足も長くおそらく身長は170cm位あるので、超ミニスカートで凄く扇情的な格好になっていた。
{それはですね……森に薬草を取りに来ていて、知らぬ間に森の奥に来てしまい。そこでオークに囲まれて連れて来られてしまったんです。}
{あれ?マリアは魔法を使えるんじゃ無いのか?それで倒せば良かったんじゃ?}
{それが私は攻撃魔法はあまり得意ではなくて、主に回復と補助的魔法がメイン何ですよ}
なるほどね、ヒーラーって奴だな?
{それにオークに驚いて、持っていた魔法の杖を落としてしまいましたので、何も出来ませんでした}
{魔法の杖ね……もしかしたらオーク達が持って来たんじゃ無いのか?}
{そうかも知れませんね}
そして俺とマリアは、洞窟の中を探る事にした。この洞窟は幾つかの道に分かれていて、それなりに広いようだ。ルティには洞窟の入口で見張りをしていてもらい、もし森に出ていたオークが戻って来たら、始末してくれと頼んでおいた。
「ライト」
マリアは洞窟の中に入ると、生活魔法の【ライト】を使い洞窟のを照らした。洞窟に入る前にも薪に火をつけるのに生活魔法の【点火】で火をつけていた。
いいな生活魔法!俺も使ってみたいな、そう言えば爺さんは努力次第で魔法を使えるって、言っていたからもしかしたら?俺にも出来るんじゃ!
{なあマリア?俺に魔法を教えてくれないか?}
{え?ケン様が魔法を?確かブラックドックは魔法は使えない筈ですよ?}
{そうなのか?でも俺普通のブラックドックじゃないから、もしかしたら出来るんじゃないかな?まぁ出来たらいいな位だしな}
{そうですよね!神様とお話しを出来る方なのですからね!わかりました!この下僕の私がケン様に魔法を教えします!}
それから俺達、洞窟を探索しながらマリアに魔法について教えて貰っていた。
魔法は……うん!……努力次第だな……まだ俺には使えない……まず魔力を感じる?何それ?な、所から躓いている。それは仕方無い事だ、なにせ今まで魔法と言う物が無い世界で生きて来たんだからな。追々マスターしてみせるぞ。それはそうと俺達は、洞窟の中の1つの部屋にたどり着いた。今まで見てきた部屋は寝床だったり、食堂とマリアが閉じ込められてたのと同じ鉄の牢屋でそこは空っぽだった。そして最後の部屋についた訳だが、そこは盗賊達が倉庫にしていたのか、オーク達もそのまま使っていたのか。宝箱が幾つも置いてあった。
「あ、私の杖です!」
そうマリアが言うと、マリアは壁に立て掛けられていた1本の杖を手に持った。それは1m程の長さで、先端部は細く上に太くなりその先は丸く削られていた。
{やっぱりオーク達が持って来ていたな}
{そうですね良かったです}
俺はそこにある宝箱を探ると、中には金貨や武器、アイテムボックスなどが入っていた。
「あ、このアイテムバックも私のですね!良かったぁ~」
3個あったアイテムバックの1つがマリアの物だったらしく、そのアイテムバックから1枚のマントを取り出し羽織った。
あ、マントを着たら見えなくなるじゃないか!何がだってそんなの決まってるじゃないか!超ミニスカートで下からのアングルだぞ?それは聞かなくても分かるだろ!もちろん履いていたけどな。でもマリアなら俺が履くなって言えばもしかしたら?イヤイヤ流石にそれは……でも言うだけ……
「ケン様どうなさいました?何かお悩みですか?」
俺がそんな不浄な事を考えていたら。マリアは怪訝そうな顔で俺の方を見て話しかけてきた。
そうだったマリアには、聖属性魔法で聖悪を見極めるスキルがあったんだ!俺の不浄な考えを見たのか?
{いいや何でも無いよ……}
俺にはそれしか言えなかった。
なんとなく早く、ルティをモフモフしたい気分だな……
俺達は探索を終え、ルティの待つ洞窟の入口に戻ると、俺はルティをモフモフし始めると、ルティはとろ~んとして、眠りについた。暫くその状態を続けていると、凄く香ばしい匂いがしてきた。その匂いに夢ごごちだった俺とルティは、目を覚まし匂いのもとに顔を向けるとそこには、香ばしく焼けた肉があった。
{ケン様、ルティ様、食事ができましたよ。さぁ召し上がります下さい}
{おお!焼いた肉だ!それにこの香辛料の匂い上手そうだ!}
{肉!肉!}
俺が肉に驚いていると、ルティは既にむしゃぶりついていた。
{ケンお兄ちゃん!この肉凄く美味しいよ!}
{おおそうか!じゃあマリア頂くよ!……おおうめ~!やっぱり焼いた肉は美味しいな!マリアこの香辛料はどうしたんだ?}
{喜んで頂いて嬉しいです!ケン様この香辛料は私のアイテムバックに入っていたものですよ。私料理が好きですので、常に持ち歩いてます}
{料理が好きなのか、それはこれからも楽しみだな。期待してるぞ}
{ええ私もこんなに喜んでもらえて嬉しいです}
{マリアおねぇちゃんお肉もっと食べたい}
{はいはい。今焼きますよ}
ルティも焼いた肉の美味しさに喜んでいるようで、いつもよりも早いたべっぷりだなと、ケンは驚いていた。
ルティ凄いなでも、本当に美味しいしな。焼いた肉は諦めていたからな、マリアをテイムしてよかったよ。さてルティに全部食べられる前に俺も食べよう。