第八話 科学部VS吹奏楽部
「おおーすげ〜‼︎」
今日はクラブ対抗のリレー大会。俺たち科学部のランナー四人の応援に来た。
「結構、本格的なんやな」
岳信はランナーだ。しかし、彼はとてもやる気のようだ。
「おい、学。本当に大丈夫なのか?」
夢呂日が聞いてきた。俺たちは吹奏楽部に勝つ為にある作戦を考えたのだ。
「ああ。これで勝って、安心して植田を倒せるようにしよう」
吹奏楽部の方はどうだろう。
「頑張って!」
「頑張ってくる!」
あのリア充は西尾と田外か、この学校で一番有名なカップルだな。ったく、死ねばいいのに。
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「とりあえず、偵察してきた。相手の順番は西尾、西口、吉川、濱田みたいだな。だからこっちは、沙羅先輩、張先輩、夢呂日、岳信でいこうと思います」
科学部の作戦会議。1人、500メートル。
「おっしゃ!みんなで優勝して、打ち上げ行こうぜ‼︎」
「「「「「「「おー!」」」」」」」
「みんなじゃ、無いけどな」
と、夢呂日。
「俺たちも応援するんだよ。まぁ、お前が一番頑張れ」
「はいはい、わかったよ」
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「よーい、スタート‼︎」
パーン!
ピストルの音が鳴り響く。とりあえず文化系クラブのスタート。7秒後に運動系クラブのスタート。そして15秒後に陸上部のスタートだ。3位美術部、2位吹奏楽部、1位科学部となっている。はっきり言おう。科学部に運動神経のいい人などいない。じゃあなぜ1位なのかと言われると魔法を使用させてもらっています。とりあえず沙羅先輩の作戦は少し分かりにくいぐらい足を巨大化させ、走行距離を短くしている。
「はい、パス!」
次は張先輩。張先輩の浮く能力で分かりにくいように浮かび、その速さで走る!
よし、陸上部とも離せたし、吹奏楽部も3秒ぐらい稼げたいけるぞ!
「いけー!」
次が問題だ。夢呂日は、これといった使えることがない。彼に関しては、走れとしか、言いようがない。その時、吹奏楽部の三番滑走、吉川 心が夢呂日を追い抜いた。
「「「「「「何⁉︎」」」」」」
やばい、負けそうだ。ん?なんだあいつ、ペースが落ちたぞ。いけるぞ。
「頼んだ岳信!」
最後の岳信。彼はワープ能力を使えるが、それはさすがに使えない。それで思いついたのが岳信のマジックハンドだ。攻撃力千倍ならもっと凄いことができるだろうと考えてできたことだ。マジックハンドは目立つので、藤川先輩に見えないようにしてもらった。岳信は後ろに風を作るように手をぶらぶらさせ、見事ゴールした。
「よっしゃ‼︎」
見事ゴール順位は1位科学部2位陸上部3位吹奏楽部となった。
「まさか、本当に優勝するなんて…」
鈴山はぐったりしていた。
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「いやー、めでたいめでたい」
俺たち1年生は表彰式で賞を貰い只今帰り道。
「本当に吉川は焦ったわ。あいつあんな速かったっけ?」
「夢呂日〜。そんなのどうでもいいから、打ち上げどこ行く?」
のんびり帰っていたその時だった。
「ぐはっ!」
痛い、何かに刺された。岳信と陰影も、倒れた。痛い痛い痛い。
「そろそろいい頃合いだと思ったわ」
誰だあいつは。ああ、夢呂日と走ってた吉川だ。何だ、俺、死ぬのか?夢呂日はどうしたんだ?俺はそこまで考えて、命を落とした。