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科学部の大魔法使いⅠ-強い絆でー  作者: ゴマ団子/Masari
第6章 科学部の魔法使い達
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第六十三話 サービス回

俺たちは植田が、岳信と張先輩と藤川先輩(多分いる)が戦っているのを校舎に隠れながら見ていた。

はっきり言って全力の植田にはまったく歯が立っていない。

そこそこの攻撃を与えられているのは岳信だけでそれもすぐに回復される。

さてと…。


「よし、作戦開始だ」


俺はそう宣言して、「行け」と一人の『美少女』に合図する。

そいつは肌の露出の多いワンピース。

肩まで伸びた金髪をツインテールにしている。

細い足を覆う白い靴下には汚れ一つない。

そいつはゆっくりと歩いて植田に近づいていく。

植田の動きが止まって、そいつに目が釘付けになる。


「おじちゃん!一緒に遊ぼう!」


女体化&幼児化した夢呂日がそう言った。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


こうなった経緯はこうである。

陰影はこう言った。


「奴はロリコンだ。俺たちでロリ娘を用意して精神攻撃をする」


「「「なるほど」」」


外が駄目なら内側をってか。


「しかし、俺たちにそんな美少女な知り合いがいるか?」


陰影はきっぱりと言った。

残念ながらそういう悲しい現実なのだ。


「無い物は作ればいい」


「どう言う事だ?陰影」


岳信は首をかしげた。


「矢田先輩の幻を見せる霧と岡本先輩の物質創造の魔法で完全なる美少女を作るんだ」


なるほど。

しかし、妙だ。

陰影がこんなまともな事を言うだろうか?


「だよな、学」


人の心を勝手に読んで同意してくんな夢呂日。


「えー、酷〜い」


夢呂日が気持ち悪い。


「でも確か、岡本先輩の魔法は生物は作れないって言ってたぞ」


岳信が言った。

そうだったのか、初めて聞いたぞ。

ということは…。

・・・。

…なるほど陰影。

お前の狙いはそれか。


「そう、岡本先輩が可愛い服を作り、矢田先輩は容姿を変え、夢呂日のロリ娘達を知り尽くした知識があれば俺たちは勝てる!」


やはりそうきたか…。

夢呂日が引きつった顔をした。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


そして今。

金髪幼女の完全体となった夢呂日が持ち味(?)のテクニックで最恐のロリコンに勝負を仕掛けている。

はたしてこの戦い、どう動くのか。


「ああ、我が前にようやく金髪幼女が現れた…」


植田は神に祈るようにして言った。

ちなみに岳信達にはその場から離れてもらって、植田と夢呂日の一騎打ちである。


「おじちゃん大きくてカッコイイ!」


夢呂日は笑顔で植田の腕を掴んでブンブン振り回す。


「おお、幼女が我をカッコイイと言った…」


なんやかんやで魔法美少女夢呂日が植田を魅了していた。

よく目を凝らすと、美少女が夢呂日に見えて、ものすごく気持ち悪い絵面になっている。


「そろそろか?」


こっちに退散してきた岳信が俺に尋ねる。


「いや…なんか嫌な予感がする」


何というか…植田の目がいつもと違う。

これは…。


「…もう、我慢できん!」


「えっ、ちょ⁈」


植田は完璧美少女夢呂日をグラウンドのど真ん中で押し倒した。


「ちょっとおおおお⁈おじちゃああああーーーんっ⁈」


夢呂日は必死に抵抗するも、どうすることできず、その小さな体(これは事実)を抑えられた。

植田は片手で自称美少女夢呂日の両手の自由を奪うと、器用に夢呂日の華奢なワンピースを上からビリリーッ、と破った。

その瞬間、科学部員を吐き気が襲う。

ワンピースを破られ、女の子もののパンツを履いた夢呂日が一つの名画の様なあられもない姿になっている。

何も考えずに見ると、それでこそ美しいのだが、俺たちは今、地獄の中にいた。

というかあいつ、ノリノリじゃないのか?

隠すところは夢呂日の手によって隠され、全年齢対象となっている。


「はぁはぁ、お嬢ちゃん。その手をどけて、パンツを脱いでみようか…」


オロロロロロロロロ…。


「や、やめてぇ…」


もう完全にノリノリな、頰を赤く染めた夢呂日が弱々しく言った。

オロロロロロロロロ…。

そして、植田が手を動かし…。

俺は叫んだ。


「これ以上やったら、俺たちが精神的に死ぬ!陰影!矢田先輩!お願いします!」


矢田先輩の魔法が解かれ、夢呂日の姿がどこから見ても気持ち悪くなった。


「なっ⁈貴様!男だったのか⁈」


植田がとてつもないほど怒り、反射的に夢呂日を攻撃しようとする。


「あらヨット 」


陰影がふざけた口調で影から体を出し、夢呂日を連れ去った。


「クソッ!」


植田が怒りの声をもらす。


「夢呂日重い」


「すまんな」


よし、次の段階へ移動だ。


「あーら、いい男じゃない」「あら、ほんとじゃないお姉様」「お兄さん、一緒に遊びましょう」


「ぎゃああああああああああ!」


大量のオカマ軍団を矢田先輩の幻で見せ、俺たちは植田を倒そうとした。





…ここまではよかったのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・


俺は階段を全速力で上がり、理科室の扉をものすごい勢いで開けた。

まだ外で戦っているみんなの為に、俺はやれる事をやらなければならない。

俺は二度目となる理科準備室に入る。

そしてあちこちを漁った。

…そして、俺の目にはある一つの物に釘付になった。


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