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科学部の大魔法使いⅠ-強い絆でー  作者: ゴマ団子/Masari
第6章 科学部の魔法使い達
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第六十一話 最悪の訪問者

桜が満開なこの季節。

先輩達は卒業し、学校には二年と一年になった。


「そろそろ体育館に行こうぜ」


朝。

岳信が俺を呼びにきてくれた。

今日は終了式。

俺たちの一年生生活が終わり、進級の時が近づいてきた。


「わかった」


俺は立ち上がって、岳信と共に廊下へと出る。

俺達は卒業式以降、理科室に行っていない。

最後に全員で写真を撮って、科学部の活動は終わった。

あの理科室にはある先生達との思い出の物は二つを除いて、全てが消えてしまった。


「なぁ、学。来年は同じクラスになれるかなぁ?」


「どーだろーな?小学生の時も俺達仲良過ぎて、二年生以降は同じクラスになれなかったからなぁ」


「じゃあ、これから二年は別々かなぁ」


俺達二人は普通の中学生のような会話をしていた。


「お」


「やっほー、陰影!」


前に陰影が現れて、岳信が手を振る。


「おはよ。あれ?夢呂日は?」


こいつといつもペアの謎の生命体がいない。


「あいつといつもいるみたいに言うな。奴はもう死んだ。呆気ない姿だったよ」


「「そうか…」」


「なんで理解してるの⁈そんなすぐ死なないよ俺⁈」


なぜか後ろがうるさいが、今は亡き彼を思い出していた。

あいつはいい奴(?)だったな。

なんか謎の多い奴だったけど。


「勝手に亡き者にするな‼︎」


そう言って、後ろの謎の生命体は俺たちを殴ろうとしたのが運の尽き。

最強生命体の岳信にカウンターを喰らわされ、その場に倒れこんだ。


「なんだ、生きてたのか、ヒムロ」


「ヒムロじゃねえ!夢呂日だ!なんか、そっちの方がカッコいいのがなんとも言えん」


ツッコムヒムロに陰影が声をかける。


「仕方ないな。さっさと土に埋葬しよう」


「だから、勝手に殺すな!」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


『えー、ですから、ラーメンというのはこの世界における最高神であり、世界に平和をもたらすものであり、この世に…』


長い校長の話で有名な終了式、また無駄なことを言っている校長の話を聞き流し、飽きたように聞いていた。

俺がボーッとしていたその時だった。


「⁈」


体育館の後ろにある、大きな扉が急に勢いよく開かれる。

全校生徒全員がそちらに注目する。

そこにいたのは黒いスーツを着た男性でシルクハットを被っていた。

シルクハットのせいで顔が見えず、『誰なのか?』その疑問が全校生徒の脳内をよぎる。

しかし、その中で違う反応をした人が七人。

現役科学部員だった。

特徴的な青い髪。

俺達は一目見てわかった。

『奴』だと。

その男性は校長の前に立って。


「誰だね君は?君もラーメンが好きな…げふっ!」


校長がその男性の手の一振りで体育館の隅へと追いやられる。

そして、その男性は朝礼台の上に登った。


「皆さん、はじめまして。私の名は…」


奴は名乗った。


「闇の大魔法使いの植田 まさしです」


最悪の訪問者だった。

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