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科学部の大魔法使いⅠ-強い絆でー  作者: ゴマ団子/Masari
第6章 科学部の魔法使い達
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第五十話 小橋の魔法実験 パート2

ある冬の日の早朝。

もう、三月と言っても太陽も少し前に昇ったばかりで手がかじかみ、白い息が出る。

そんな中、科学部の後輩一同と安田先生は近くの駅に集合していた。


「ったく、寒いな。先輩達はまだか?」


と言う夢呂日に対し。


「うるせーな、そんなに寒くないだろ?」


と言う一番問題のある岳信だった。

夢呂日は家にいる時は大体『こたつむり』になっているらしく、寒いのが苦手らしいから物凄い厚着をしている。

あ、岡本先輩も長袖一枚か。

言っちゃ悪いけど、デブは体温も高いのだろう。

普通な格好をしているのは俺と陰影と張先輩と安田先生だけだ。

ちなみに藤川先輩は分からん。

てか、本当にいるの?

しかし、先輩たち遅いな。


「てか、もう先輩達行ってしまったんじゃないのか?」


「知らねえよ」


陰影に聞いたのが間違いだったな。

てか、早く帰りたい。

なぜなら…。


「なんだあいつ、ス◯イダーマンかよ」「てかどこの部活?」「いい加減に眉毛っていうあだ名を訂正しないとな」


周りには沢山の学校の先生、親、塾の先生が岳信を笑っているからだ。

こんな変な奴といると、恥ずかしくてたまらない。

「明日、先輩を元気づける服装で来るって言ってたけどそれかよ!」ってさっき言ってしまった。

そう、今俺の隣にいるのはス◯イダースーツを着た、岳信だった。

ほんと、何してんだよ…。


「「何してるの?」」


先輩二人が俺たちを見て絶句した。


「やっと来ましたね!どうも、ス◯イダーマンです!」


と言って、隣にいる自称ス◯イダーマンは色々なポーズをとっていく。

先輩二人は大爆笑したから、まぁ岳信のことは許してやるとしよう。


「これ、カイロです。使って下さい」


と、張先輩が言い、張先輩と岡本先輩が渡した。


「二人とも、受験、頑張って下さい。終わったらまた、理科室へ来て下さいね」


すると矢田先輩は。


「わかりました。では、行ってきます」


「行ってきますー」


沙羅先輩も便乗すると駅へと入って行った。

丁度二年後、俺たちも同じ事しなきゃならないのか。

…あ、俺、推薦取ってた!

有難や…。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


丁度その日、校長に会った。


「やぁ!山出谷君!最近美味しいラーメン屋は見つけたかい?」


…最近、同じラーメンしか食べてないからな…。

でも、先生の機嫌はとっておかなければならない!


「先生はどうでしたか?今度先生のオススメのラーメン屋に行ってみたいです!」


「そうかい!なら、卒業式の後とかどうだい?車を出してあげるよ!」


やっぱり、ラーメンのことになると先生のテンションが上がるな。


「ありがとうございます!ラーメンを布教する為に、部活仲間も誘っていいですか?」


「是非誘いたまえ!なんならバスを手配しよう!ラーメン屋にも団体予約を入れてみようか」


すげえ行動派だなぁ。

流石校長。


「さて、問おうか。君の好きな食べ物は⁈」


「ラーメンですね‼︎」


「では、頑張りたまえ。明日の決戦も期待しているよ!」


「はい!」


そして、ご機嫌な校長は校長室へ帰っていった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


理科室に着くと、先輩たち二人は既に帰ってきていた。

テストは結構できたらしい。


「さてさて、皆さん準備はいいですか?明日はいよいよ決戦ですよ!」


「「「イエェェェェェ!!!」」」


なんでそんなテンション高めなの?

明日、人類の命運をかけた勝負じゃないの?


「じゃあ明日の作戦を、説明します」


安田先生は全員にプリントを配布して、説明した。

これは、かなりの時間がかかりそうである。

何より、自分たちの命を第一に考えられている。

…これなら勝てる!

絶対に負けない!

全員が無事で上田を倒せる。


「とまあ、こんな感じです。しっかりと頭に入れておいて下さい」


理科室の中は自信と勇気に満ち溢れていた。


「楽しみだなぁ!学!」


なんで、遠足に行くみたいに楽しそうなんだよ岳信。

でも、楽しそうだ。

俺の顔からも笑みが崩れない。


「おい、お前ら!」


準備室から小橋先生が出てくる。


「明日は頑張るぞ!ほら、新作だ」


そう言って、先生は全員にベルトを渡してきた。


「ついに、俺たち.仮面◯イダーになるのか⁈」


なぜか、嬉しそうに夢呂日が言う。


「よく見ろ、それらしいものはついてないだろ」


陰影が言った通り、普通のベルトだった。


「わかってないな」


チッチッチッ、っと、悟ったように小橋先生が言った。

ぶっ殺してやろうか。


「ベルトの金具の横にボタンがあるだろう。そこ、おしてみ♪」


…は、腹立つ!

とりあえず全員、そのボタンを押した。

すると、ベルトが光り出し、体が、何かに包み込まれた…!

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