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科学部の大魔法使いⅠ-強い絆でー  作者: ゴマ団子/Masari
第5章 いろんなとこ大冒険
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第四十四話 地理編

休日。

俺たちは科学部の活動(?)の為、理科室に来ていた。

まぁ、単に世界と時間を旅して、遊ぶだけなのだが。


「最近暇だったし、楽しみだな!」


岳信はとてもテンション高い。

しかし、俺は初めて国外に出る。

テレビの影響で飛行機は絶対に乗らないと決めた。

絶対テロリストとかが乗ってくるもん。

エンジン停止とか故障とか。

その後落ちてドカンでしょ?

それなら船で行く方がマシだ。


「で、先生。今日はどこ行くんですか?」


そこそこ楽しみそうな夢呂日が言った。


「それは私の独断で決めます」


………え。

先生は社会の教科書を開いた。


「今回は科学部として、少し勉強をしましょう」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


気がついたら外に出ていた。

本当に気がついたらである。

先生が社会の教科書を開いたら前触れもなく、急にワープしたのである。

なんか、もうちょい演出があってもいい様な気もするけど…。

てか、ここどこだ?


「先生、ここはどこですか?」


陰影が棒立ちになり、ボソッと言う。


「さて、ここはどこか当ててみて下さい。ヒントはここにいる生物ですよ」


生物?

俺、虫は無理なんですけど。

まぁ、普通の人が知ってる様な生物しか知らないし、最近ミジンコとかアメーバを習ったばかりだ。

ここは先輩に任せよう。


「なんだこいつ」


陰影が変な亀を見つけた。

亀?なのか?

張先輩ならわかるかもしれない。


「張先輩、これなんです?」


「さぁ、知らね」


え。

まぁ、岡本先輩なら…。


「岡本先輩は知ってますか?」


「食えないやつは知らん」


マジか。

藤川先輩は…。

あれ?

どこ行ったんだ、あの先輩。


「これはガラパゴスゾウガメだな」


横で夢呂日が断言した。

ガラパゴス?

って事は…。


「正解ですね谷川さん。つまりここは、ガラパゴス諸島です!」


「おおー!」と、まわりで驚きの声が上がる。

ガラパゴス諸島って名前は聞いたことがある。

確か、滅多に見られない生物がいるところだ。


「ここで、ダーウィンっていう人が『進化論』を唱えたんだよ」


解説を始めた夢呂日。

本当にこいつのこういうところ、凄いよなぁ。


「さてさて、そろそろ次に行きましょうか」


そんな!

まだちょっとしか見てないじゃん!

しかし、先生は社会の教科書を開いた…!


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


俺たちを照らす太陽。

乾燥した空気。

ただひたすら広がる砂の海。

そう、砂漠である。


「「「「「「「暑いわ!」」」」」」」


「ここは最大の砂漠、サハラ砂漠です。乾燥した気候を味わってもらおうと思いまして」


なんでだよ!

暑いだけじゃないか。

くそ、一気に喉が渇いた。

持ってきたコーラで…

くそ、もうぬるいじゃねえか。


「学、飲み物なんか持ってきてたのか」


岳信は当然みたいに、言ってきた。


「そりゃそうだろ。こうやって…


岳信は腕についている魔法ウォッチを水にセットする。

紙コップを取り出して…。


「発射!」


紙コップに水を注いでいく。

さらに、魔法ウォッチを氷にセットして起動する。

小さな鋭い氷の刃ができ、そのまま紙コップに入れる。

それ相手に攻撃する為の魔法じゃないのかとツッコミたい。

だが、よくそんなに上手く扱えるのだなと感心もしていた。

俺まだつかいこなせてねえよ。


「岳信、俺にも紙コップくれないか?」


「ん」


岳信から貰った紙コップに水を注いでいく。


「では暑いですし、涼しいところに行きましょうか」


だから先生早いよ!

全然楽しんでないじゃん。

またしても、俺の心は読みとらず、先生は社会の教科書を開いた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


気がついたら何が見えるのかもわからなくなっていた。

気を失っていたのだろうか。

目の前には、暗闇の中ただひたすら白い何かが素早く流れていた。

俺はある事に気付いた。

手にさっき紙コップに注いでいた水が凍っていた事に。

さらに、岳信や陰影も先輩や先生も倒れている事に。

ヤバイ!

何が起こっているんだ⁈

体を起き上がようとしても体が動かない。

俺は暗い周りを明るくする為、自分の魔法ウォッチを火にセットして起動する。

初めて自分で考えて、魔法ウォッチを使った。

それはどうでもいい。

それがやけに暖かく感じた。

そして気付いた。

今の日本の季節は秋。

そろそろ長袖の服を着る頃合いだ。

この小さな火で暖かく感じるのは俺の肌が今、寒いと感じているからだろう。

そして、ここは南極ではないのかという事実を。

これはまずい!


「みんな!眼を覚ませ!」


しかし、返事はない。

くそ、どうする⁈

ふと、目に厚みのある本が映り込んだ。

社会の教科書!

俺は手を伸ばし、社会の教科書を開いた…。

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