第三十三話 体育大会の準備
初日目。
科学部では一年生四人が理科室についた時、パーティの準備がされていた。
と言っても、受験が近いので二年生二人しかいないが。
「え、今日からペットボトルロケットの準備するんですよね?何してるんですか?」
夢呂日が尋ねた。
俺もそう思ってたのだが…
「ああ、そうだ」
と真面目な顔で言ってくる張先輩。
「ペットボトルロケットを作るには炭酸の2Lペットボトルがいるんだよ」
なるほど。
だから炭酸の2Lペットボトルのジュースがあるのか。
「でも、お菓子の必要はないですよね?」
「馬鹿だな山出谷。ジュースにお菓子はつきものだろ。どうせ部費で買ったものなんだから、損するわけないし、じゃんじゃん食って飲もうぜ!」
まぁ、そうか。
「あと、今日含めて体育大会までの活動はあと四日しかないけどな」
と、物騒なことを言う藤川先輩。
あれ?
こんな先輩いたっけ?
そんなことより、本当に大丈夫なのだろうか?
そう考えていると、隣の三人がパーティに参加しに行ったので、今度から頑張ろうかと思いながら、ポテチを取った。
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二日目。
教室に着くと、先輩達が外に出ようとしていた。
「何してるんですか先輩ら?」
と、聞く岳信。
「今から自転車の空気ポンプを買いにいくんだ」
あー、たしかに必要だな。
「お前らも来るか?」
と、岡本先輩が言ってきた。
「ですが、間に合わなくなりますよ?」
「大丈夫だ、今度やったら間に合う」
とりあえず、ついて行くか…
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三日目。
俺たちが理科室に着くと、先生しかいなかった。
「先生、先輩らは?」
と、少しキレ気味の岳信が言った。
「えっーと、塾だそうです」
・・・
俺たちはペットボトルで骨組みだけ作った…。
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そして俺たちは、体育大会前日の最終日を迎えた…




