第三十二話 イベントを決めよう!前編
俺が推薦を貰って、数日後。
科学部はある事に悩まされていた…
そう、体育大会である。
ほとんどが運動できない(岳信と陰影を除く)のに、さらに運動の行事である。
皆、クラスの足手まといになり散々な目にあうのである。
こんな時こそ岳信とか羨ましいよなぁ…
そして、体育大会で科学部の活動は…
「それでは皆さん。クラブ行進のイベントと来賓の方々の警備の二つを決めましょう!」
安田先生は言った。
説明をしようか。
1つ‼︎俺達の学校ではクラブ行進があり、日々の活動の成果を保護者の方々に見てもらうという、くそ邪魔なイベント。
まぁ、俺たちの活動を発表する訳にもいかないのだが…
それはともかく…
2つ‼︎来賓の方々の警備とは、文化部の中から二人選ばれ、体育大会の炎天下の中、日陰にいる来賓のおじいさんとおばあさんをお手洗いなどに案内し、孫の自慢話を延々と語られるのだ!
絶対にやりたくない。
何としてでも逃げきってやる!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「で、誰かやりたい人はいますか?」
やりたい人?
そんな人がいるわけがない。
周りの科学部員も誰も手をあげていない。
ちなみに小橋先生は数々の魔道具製作に忙しいらしく、理科準備室に引きこもっているらしい。
聞いたところによると、安田先生はアニメ好きなのに対し、小橋先生は映画が好きなのだとか。
それに影響を受け、凄いものを製作しているらしい。
「まぁ、当然いるわけないですよね…」
と、へこむ先生。
可哀想だが仕方がない。
こればかりは辛すぎるのだ。
「じゃあ、くじ引きしましょうか」
まぁそうなるわな。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
結果。
「何故なんだー!」
「・・・」
日頃の行いがいいのか、無事ならなかった。
やっほぉぉぉおおおいいい!
隣では谷川と沈黙した陰影がハズレくじを引いていた。
可哀想に。
「さて、次はクラブ行進のイベント決めですね」
イベント決め?
「先生、クラブ行進って、クラブ員全員で、行進するだけじゃないんですか?」
確かに。
俺もそれだけだと思ってた。
「一年生は知らないのか」
岡本先輩が、今日も汗だくで言ってきた。
「クラブ行進では、クラブが順番に行進して、正面の本部でパフォーマンスをするんだ」
張先輩が言った。
ほう。
パフォーマンスって何だ?
「大抵の運動部は、いつもの練習風景を再現したりするんだ」
と、説明を入れてくれる岡本先輩。
「しかし、科学部は毎年一番盛り上がるのだ。なにせ、インパクトの強い実験をするからな」
・・・
「ちなみに去年は何をしたんですか?」
「去年は…大量の風船に一気に空気を入れて飛ばしたな」
へぇーすげえな。
これはハードル高そう。




