第二十九話 恐るべき事実
魔法。
漫画やアニメなどでよく使われる非現実的な存在。
普通、魔力的な物が存在して、制限がかかるのだが俺たちの知る魔法はそうでは無かった。
使える魔法に制限があるが、永遠に使うことができる。
いわばチートのようなものだ。
俺たちはこの魔法を正義の為に使わなければならない。
だが、俺の足下には。
不健全な悪魔がいたのだった。
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「ふざけんなよ!露天風呂と言ったら覗き以外に何すんだよ!」
「風呂に入るんだよ馬鹿!」
現在、死にかけの夢呂日を介抱し、四人仲良く風呂に入っていた。
なぜ、死にかけていたかというと…
「まさか、女湯にバ○アしかいないとはな。想定外だよ」
「バ○ア言うな。失礼だろ」
夢呂日は、『はぁ』とため息をつくと、上を向いて言った。
「あーあ、誰か仲のいい女子誘えばよかったなー」
「お前についてくる奴なんて馬鹿だな」
陰影が酷いツッコミをした。
こいつは手加減というものを知らないらしい。
あーあ、夢呂日が泣きそうになってるよ。
「おい、そんなことより」
まったりとしていた岳信が話してきた。
「陰影。そろそろ話してもいいんじゃないか?植田の事」
俺たち全員は陰影に視線を向ける。話したくないが、すっかり忘れていた。
これは黙っておこう。
「そうだな。じゃあ話してやろう」
そして陰影は恐るべき事実を話しだした。
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それは、俺、上外 陰影が敵になったふりをして時雨と共に植田に会いに行った時の出来事。
俺は相手を偵察すべく、敵になりすました。
「貴様が上外か。あいつが認めた奴か面白いな」
俺は姿を見ずに片脚をつけ、礼儀よくした。
「顔を上げよ。貴様はいい部下だからな」
そしてそこにいたのは…
見た目は青髪の生えた爺ちゃん。
眼鏡をかけており、
ジャージとパンツだけを着ていた。
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「「「は?」」」
俺たちは風呂を上がり、フルーツ牛乳を飲みながらブラブラ歩いていた。
ちなみに、岳信はコーヒー牛乳である。
なんだ?聞き間違いか?え?
「言った通りだ。奴はジ○イでパンイチのジャージだ能力は知らない」
「いや、安田先生と同じで異世界人だから能力は全般だろ」
「あ、そっか」
陰影は理解したようだ。
今のところ情報はそんなもんか。
「おっ、卓球あるじゃん!やろうぜ!」
「マジか!やろやろ!」
岳信と夢呂日には難しかったかな?
「・・・」
俺は思った。
この四人でこんなに楽しく過ごせるのももう終わりかもしれない。
また、使者と闘って、植田も倒さなければならない。
でも…
「おい、学もさっさとやろうぜ!」
岳信が元気な声で呼びかけてくる。
でも、じゃないな。
絶対にこの楽しい日常を守ろう。
「おう!」
次回、新章突入!




