第二十五話 第三の使者
陰影は科学部員であり、今まで、共に闘ってきた仲間であり友達だ。
しかし、陰影は第三の使者であると判明した時雨 水色と共に、第四の使者として、俺たちと敵対している。
「おい、陰影!お前、裏切ったのか⁉︎」
「裏切ったもなにも、僕はもともとこういう奴だよ」
俺はこの事態に悲しみと同時に怒りを覚えた。
今まで散々、コケにしてきたのだ。
おまけに、
「夢呂日を殺…別にそれはいいか。」
夢呂日の『おい‼︎』って声が聞こえた気がする。
ん?あれ?なんか引っかかる。
夢呂日は心を読めるのに何故今まで気づかなかったのだ?
「清宮さんと山出谷さん!私は谷川さんの蘇生を行います。清宮さんは時雨さんと山出谷さんは陰影さんと戦闘をして下さい」
よし、痛い目見せてやろう。
それから、絆を起動した時、大量の魔道具ナイフが投げられた。
「あぶねぇ⁉︎」
避けられた。
多少かすったものの致命症にはならない。
「始める前に二つ聞いていいか?」
「質問による」
「そのナイフ、一つしか作ってなかったよな?後、その名前聞いていい?」
あいつの魔法の名前は排他的経済水域。
めんどくさいよな?
「ナイフは大量生産した。魔道具の名前は…」
大根。
陰影はそう言った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そりゃあ!」
大量のナイフがまた飛んできた。十本から二十本ぐらいだろうか。
俺はかわせるものはかわし、他は絆ではじき飛ばす。
奴に攻撃するには俺には物理しかない。
しかし、
「くそっ!」
ナイフが邪魔で近寄れない。
おまけにあいつは影も使ってくるはずだ。
防戦一方か…
「清宮さん!山出谷さん!」
後ろから安田先生が叫んだ。
俺は振り向きはしないものの、耳を傾けた。
岳信も俺と同じ状況みたいだ。
無理もない。
多分、時雨の方が厄介だ。
「清宮さんはこの前教えた。応用を、山出谷さんはこれを使って下さい!」
すると、あるものが投げられた。
それは、夢呂日の魔法銃。
ウイニングガンだった。
「これで攻撃して下さい。それと…上外さんをお願いします」
…これなら!
俺はウイニングガンを撃ちまくった。
「はぁ!」
陰影の排他的経済水域が銃を防いだ。
俺がウイニングガンで攻撃し、絆で防御。
陰影が大根で攻撃し、排他的経済水域で防御。
「おい、学」
「なんだ」
「お前は犬派?猫派?」
「犬派。お前は?」
「てんとう虫派」
なんだよこれ。
次回、第四の使者




