第二十四話 動く絵と夢呂日死す⁉︎
___再び、闘いが始まる…。
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こんな日本の田舎に西洋の騎士がいるなんて99%ありえないだろう。
しかし、それは存在した。
そして、俺たちは瞬時に理解した。
からの、俺は叫んだ。
「こんな時ぐらい、ゆっくりさせろー!」
ああ、なんでこんな、なんかある時に来るんだよ使者は!
この中にいるのが本体か?
さっさと終わらそう。
俺はビームサーベルを用意しようとしたところで騎士は倒れた。
「「「えっ、」」」
一瞬、相手が自発的に倒れたのだと、俺たちは思った。
しかし、横に安田先生が立っていた。
「皆さん、すぐ先輩と小橋先生と合流して、早く対策を練りましょう」
え、瞬殺なの?いいの?前回物凄い雰囲気で出てきたのにこんなにあっさりやられて…
と、俺が倒れている騎士に目をやろうとした時、その騎士はすっと消えた。
「どうやらこれは本体では無く能力の様ですね」
こういうのだと、騎士を放つ能力?
けど、魔法の可能性は無限大、どんな能力か考えるのは無理がある。
「とりあえず急ぎましょう」
俺たちは安田先生に従って、立ち上がった。しかし、一人の存在を忘れていた。
「先生!陰影がまだです!」
「やべぇ、忘れてた!」
おい、夢呂日ガチかよ。
「迎えに行こう、このままじゃあ陰影が危険だ。他に何があるかわからないからな」
流石だな、岳信。
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とりあえず、俺たちはトイレに向かったがトイレに陰影はいなかった。
「やはり、攻撃を受けたのでしょうか?早く探しましょう」
そして俺たちはあちこちを探し回った。
そのとき夢呂日がまた同じ所でサボっていた。
「何してんだよ。ん?」.
俺は気がついた。
「いや、さっきと違って、新しい絵があってさ。てかなんだよ、こんなジャンル俺知らんぞ」
俺が展示した時雨の絵は
「俺にはこの価値がわからないな」
それぞれ、騎士とドラゴンと魔女の部分が綺麗になくなり、風景だけが残っていた。
「先生!奴の能力がおおよそ分かりました!」
間違いない。この能力はこれしかない。
「絵などを実体化する能力です」
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「なるほど、間違いないな」
俺はみんなにさっきあった時雨の事について全てを話した。
「ということは、今、ドラゴンと魔女がどこかにいると」
そういう事だ。あーあめんどくさ。
「ともかく、早く陰影さんを見つけましょう」
「無駄やで」
天井の高いホールで、その高い所から否定の声が聞こえた。
天井を見上げるとドラゴンと魔女と一人の女がいた。
ドラゴンと魔女は浮いており、女はドラゴンに乗っていた。
「お前は!」
時雨だ。まさか、こいつが。よく聞くと、口調も変わっている。大阪弁?
「仲間が一人いないだけでどんだけ焦ってんねん。探す必要はもう無いで」
「時雨!陰影をどこへやった」
俺は怒鳴った。助けてやるぞ陰影。
「そこや」
「え」
俺たちは時雨が指をさした後ろを見る。
それと同時に俺の隣にいた夢呂日から真っ赤な液体が飛び散る。
夢呂日は飛んできたナイフで心臓を貫かれ、即死した。
「「「夢呂日⁉︎」」」
夢呂日の体から、ナイフが飛ぶ。
そのナイフは持ち主の元へ戻る。
その主とは…
「とりあえず一人」
まんざらでもなく、科学部員一年、上外 陰影だった。
次回、第三の使者。第四の使者




