第十七話 マグロを持って現れた男
夏休み書けない恐れあり。
岳信が怒る時、それは大抵ある。彼はちょっと短気なのだ。
そして彼が本気で怒る時。それは二つのパターンがある。俺も長年の付き合いであるが、未だに見た事が無い。彼が本気で怒るのは、自分の大好きな魚介類と昆虫の事だと聞いている。
そして今、俺がマグロがいると嘘をついて、物凄く怒っている岳信。しかし、怒りの矛先は俺では無く、賢治の方へと向いた。
「テメェのせいで、一匹しか釣れなかったじゃないか!」
一匹釣れてんじゃねえか。そう言って刃物に変身している賢治は岳信に空へと投げられた。
「ひぇぇぇぇぇええ!」
賢治の悲鳴がひびいた。それと同時にマグロをこちらに投げてきた。
「ちょっと預かっといてくれ」
「うおっと」
物凄い大きなマグロ。すごく大きい。
「覚えとけよ学。俺の魔道具の名前は、ゴッドインアース。大地の神だ。」
そして岳信は、ゴッドインアースを手に装着すると。落ちてきた賢治に、一発パンチをくらわした。
「ぐえっ!」
1000倍のパワーはとてもすごい。凄いスピードで飛んでいった。
「こんなもんかな」
「いや、そこまでやって死なない奴はいないと思うけど」
「まぁ、怒りがまだ収まってないんだけど、第二形態とか無いかな」
やばっ、フラグきた!
「俺がこれでくたばると思ったかぁぁ‼︎」
やっぱ来た!
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単刀直入に言うと、賢治はドラゴンへと、変身した。大きな翼が生え、鋭い爪。光る鱗。完全なドラゴンだった。
「なんで俺がこんな目に!」
と言いながら、口から炎を吐き出した。浜辺がどんどん酷いありさまになっていく。
「きゃー」「わー」「逃げろー」
海に遊びに来ていた人達が逃げている。やばい、海にも被害がでだした。
「皆さん‼︎逃げて下さい‼︎」
やばい、海に来てる人達を助けなきゃ。くそ、俺たちの正体がバレるんじゃないか?
「よくも…」
岳信が、怒ったような声で呟いた。
「よくも、俺の町をめちゃくちゃにしてくれたな!」
そして、岳信が輝き始めた…
次回、「お前ボコすぞ」




