第十五話 海へ行こう
「おっしゃー!遂に来たー!」
波のザザーンとなる音。涼しい潮風。俺の町にある海へとやって来た。
「夢呂日と陰影は、先に浜辺に行ってるはずだぜ」
俺たちは浜辺へと向かう。人が結構いるな。
「おーい陰影!」
向こうでテントを張っているのは陰影か。
「やっと来たか、手伝え」
相変わらずの毒舌。ん?
「夢呂日は?」
また何かあったのか?あいつならまさか、
「水着の人達を見て興奮した後トイレ行ったぞ」
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その頃、夢呂日は、
「来たぞ、海と言う名の楽園に!ここで俺の透視能力が…ぐひ、グヒヒヒヒヒ」
そんな事を言い、う○こを終えた夢呂日は、個室のトイレを出ようと鍵を開けようとした時。
「鍵が、開かない…」
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「おーい、遅れたー」
夢呂日が来た。テントを丁度、張り終わってから、
「お前絶対タイミング見計らってただろ。殺すぞ」
相変わらずの毒舌。陰影さん怖いよー。
「夢呂日はそんな事しないよ。だって夢呂日はさっきまでトイレでエ○い妄想してただけだって」
「うん、そーだよ」
「「「えっ」」」
夢呂日が認めた⁉︎なんだ⁉︎何かあったのか?
「まだ、まぁ、それより早く遊びに行こうぜ!おい夢呂日。透視能力を使うんじゃねえぞ」
驚いた俺はあたふたしながら言った。
「わ、わかった」
なんだ?やけに聞き分けがいいな。
「すまん。俺ちょっと抜ける」
「はあっ⁉︎急になんだよ」
空気読めない奴一号出現。
「ごめん急用だ、出来るだけ早く帰ってくる」
言いながらワープを作り、岳信は消えてしまった。
「しゃあねぇ、3人で遊ぶか」
「「おー…」」
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やはり、夢呂日がおかしい、全く透視能力を使わない。一応注意はしたけれど、本当にしない訳が無い。そして俺は気付いた。
「おいお前」
「ん?どうした学?」
「お前誰だよ」
「えっ、俺は…夢呂日だよ?」
「いいや、違うね」
陰影も気づいてたらしい。
「貴様はあの短足おデブじゃ無い」
「お前の能力が変身なのかどうかは知らんが言ってやる」
俺たち2人は深呼吸をし、声を合わせて言った。
「「下手くそだな」」
少し沈黙があり、そして、
「は、ははは、ははははははははははははははははははははは!」
偽夢呂日は高笑いを始めた。そして、どんどん姿が変わってきた。
「よく見破ったな。参考に聞きたいのだが、」
「そんなの簡単だ」
俺は余裕そうに言った。
「お前がエ○く無いからだ」
物凄いカッコ悪いセリフだ…。でも、俺は続けて言う。
「あいつは、全力で自分がでエ○い事を否定する。そして俺たちがいくらやめろって言っても透視するのをやめない。それが夢呂日なんだよ。それを俺と陰影と岳信が一番知ってる。あいつが誰よりもエ○くて、どうしようもなくエ○いって事をだ!」
「おい、それ本人に聞かれたら殺されるぞ」
陰影にツッコまれた。
「おい、陰影。俺たち2人で倒せるよな」
「勿論。余裕だ」
俺たち2人の気持ちが高ぶってくる。
「ふっふっふっ、俺の変身能力に勝てるかな?」
「「いくぞ!」」
いざ、開戦。
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