第十二.五話 ラーメン屋へ行こう 後編
第二章ラスト‼︎
「本当にすみません、謝ります」
なんか複雑だ。俺、夢呂日の目の前で先輩が妹に土下座している。妹さんはカンカンだ。
「というわけで、俺の妹だ」
先輩が土下座をやめ、改まって言い直した。
「へぇー、妹さんですか。名前はなんていうんですか?」
学が聞いたので、矢田先輩が「ほら」と言い、
「えっと、矢田 榛名です。いつも兄がお世話になっています」
すると岳信が、「しっかりした子やな夢呂日」と、同意を求めてきた。確かにここまでしっかりした子は初めて見たかもしれない。
「こいつも、来年から中一になって、科学部入るつもりらしいから、よろしくな」
そうなのか。でも、今の科学部に入ったら安定した学校生活が暮らせないじゃないか。先輩は反対しなかったのだろうか。すると矢田先輩は察したようで、
「榛名、先に帰っておきなさい」
すると榛名さんは、そそくさと靴を履き、「さようなら」と言って帰っていった。
「なんか、すみません」
謝ってしまった。
「いや、いいよそれより頼みがあるんだ」
矢田先輩は真剣な目でこちらを見てきた。
「今年中に植田を倒してくれないか?」
植田。闇の大魔法使い。吉川を洗脳した奴。俺たちの倒すべき存在。
「妹には、楽しい科学部生活を送らせてやりたいんだ。俺と沙羅は入試があるし、お前達と二年生に頼むしかない。この通りだ」
そりゃあもちろん、
「そりゃあ、今年中に行かなきゃいけないよな」
学が笑みを浮かべて言った。
「あいつがいたから、俺たちは魔法が使える魔法使いになったんだ。恩を仇で返しにいかなくちゃいけないからな」
へっ、無駄にかっこいい事言いやがるぜ。
「ああ、そうだよな。返すなら早い方がいいよな!」
俺も声を張り上げて言う。この時俺は心から思った。科学部に入ってよかったと。こんないい友達とめぐり会えた事が何より素晴らしい。
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俺たちはラーメンを食べ、お会計を払おうとすると伝票が無く、店員さんに聞くとどうやら矢田先輩が払ってくれたらしい。本当にいい先輩だ。いつかあの妹さんが入ってきたら後輩達も誘ってここへ来よう。その時、俺が奢ってあげよう。その時までに絶対に植田を倒すんだ。
「あれ、お前何食ってんの?」
コンビニで岳信がトイレに行きたいと言ったので休憩していると陰影が何か食っていたので学が聞いた。
「アメリカンドック」
と、言って美味しそうにかじる。
「いや、さっきラーメン食ったろ」
思わず、突っ込んでしまった。
「いや、美味そうだったから」
と、言ってまたまた美味しそうにかじる。すると学が、
「俺もちょっと買ってくる‼︎」
「無駄だよ、最後の一個だったから」
「しょうがない、他のコンビニに行こう」
その後、俺たちは5個のコンビニをまわり、地獄を見たのであった。
次回、カブトムシ。(岳信回)
予告はじめます。




