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第八.五話 みんな
ん?俺だ。
死んでる。
俺は今何してる?
浮いてる。
どんどん浮かんでいく。
どこへいくんだ?
わからない。
どうすればいいんだ?
わからない。
どうなるんだ?
わからない。
あれは、岳信と陰影か?
そうだろう。
あいつらも死んだのか?
そうだろう。
夢呂日は生きているのか?
そうだろう。
どうしたかった?
わからない。
どうすればよかった?
わからない。
みんなで何がしたかった?
…
みんなと遊びたかった。
もっとみんなと何がしたかった?
もっとみんなと生きていきたかった。
ああそうだ、みんなと生きて、遊んで、笑いあいたかった。死にたくなかった。
ああ、あれが天国ってやつか。せめてあそこでのんびりと暮らそう。
その時、物凄い速さで落下し始めた。
「ぎゃあああああ‼︎」
「まだ死ぬのは早いですよ。さあ!生きかえりなさい!」
なあんだ。まだ、生きれるじゃないか。
そして俺という存在は、この世界に復活した。




