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ようやく気がつきました

ガヤガヤと五月蠅い声と、酒臭い男たち。


「瀬名姫ーわたし蹴鞠がしたい」


「我慢しなさい」


私だってこんな宴の席なんかにいたくない。


だけど今川一族として義元さまに招待されたのだ。


甚だ不本意だけれど、これも父様のためである。


ちなみに私の隣にいるのは遠縁の椿姫。


「瀬名に椿や。

 楽しんでおるかの」


「義元さまー」


まるでドラマの平安貴族のような義元さまを考えた人も多いのではないだろうか。


しかし決してそんなことはない。


「二人とも大きゅうなったのお。

 とくに瀬名は幼きころのおもとにそっくりじゃ」


「そうですか?」


余談だが私の母様は義元さまの血こそ繋がってないが妹である。


………しかしこの光景は前世で見た本と良くにている。


だけど瀬名なんて名前の姫なんかたくさんいるに違いないのだ。


いや、そうでなきゃ困る。


「今日は紹介する人がおっての。

 瀬名や椿と同いどしじゃったかの」


機嫌の良い義元さまが家臣の人に何かを伝えると恥ずかしそうにうつむきながら歩いてきた一人の男の子。


見たところ私と年は変わらなさそうだ。


「義元さまー?

 この子は?」


椿姫の声に惹かれてか、その男の子は顔を少し上げた。


のは良いものの、私と目が合いすぐ俯いてしまった。


「岡崎から預かった、竹千代というのじゃ」


「松平、竹千代といいまする…」


……松平竹千代、後の徳川家康。


そして私は瀬名姫、いわゆる築山御前。


あぁ、こんなことがあっていいのだろうか。


ようやく私は、自分の正体を知りました。

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