表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/17

岡崎での暮らし

「奥方様。

外は寒うございますから中へお入りください」


「ええ」


雪こそ降らないが岡崎は寒い。


しかし、季節とは別に私の岡崎での暮らしは思いのほか平穏だった。


家臣の方々からは駿府で付き人だった石川数正を始めとした人たちのお陰で今川の女として見られるどころか逆に着物の件のおかげで妻の鏡として崇められているぐらいである。


また、民からもお陰さまで慕われ、収穫した食料などをくれるため逆に申し訳ない気持ちでいっぱいである。


そして、最大の難関、於大の方は。


「瀬名殿‼

体調は障りないか?」


これもまた着物のお陰で仲良くなれました。


ご母堂様曰く、自分の高い着物を差し出すほどの民を思う気持ちに云々かんぬん………らしく。


「ご母堂様。

今日も穏やかにございます」


「そうか‼

なら良かった」


こうして訪ねて来てくれるご母堂に慣れてはや数月。


「だが油断は禁物ぞ。

なにしろ妾の初孫じゃ。

立派な子を見せておくれ」


そう、なんと私は妊娠したのである。


後に自害する松平信康だと思うと心が痛むが、私は死ぬことを諦めていない。


それは母子協力して………いや、私が信長にすり寄ってでも切り抜けていく覚悟である。


「男子かの~、女子かの~?

はよう婆様に顔を見せておくれ」


でも、私の思っていた以上に死なずにすみそうである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ