いしころ
掲載日:2015/07/22
ぼくはいしころ。
こーろころ。
昔はね。
大昔はね。
もっと大きかった、気がする。
昔はね、大昔はね。
もっと、沢山だった気がする。
この間、踏まれたんだ。
少し、小さくなったんだ。
この間、潰されたんだ。
少し、小さくなったんだ。
この間、打ち合わせたんだ。
少し、小さくなったんだ。
この間、落っこちだんだ。
少し、小さくなったんだ。
大きかったころは、もっと尖っていた?
大きかったころは、もっと歪だった?
大きかったころは、もっと「ヒナタ」と「ヒカゲ」があった?
大きかったころは、もっと「トモダチ」が多かった?
カドガトレテ、マアルクナッタ。
デコボコガケズレテ、タイラニナッタ。
カゲカナクナッテ、ヒガアタルヨウニナッタ。
トッカカリガナクテ、ミンナハナレテイッタ。
そうして、僕は、いしころになった。
いしじゃなくなった。
ころがついた。
誰かのために、なんて、大義名分。
縁の下の力持ち、なんて、綺麗事。
隣を見れば、ころがいる。
たくさん、たくさん、並んでる。
そうやって、大きな荷物を運んでいる。
いしは、しゃべらない。
ただ、黙々と、音を出す。
ごーろごーろ。
いしころは、いしから、ころになったって、知っているのかな。
つるんとしているんだね。
平気な顔してるね。
濡れても、すぐに乾くんだろうな。




