表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ひらがなタイトル

いしころ

作者: 雪つむじ

ぼくはいしころ。

こーろころ。

昔はね。

大昔はね。

もっと大きかった、気がする。

昔はね、大昔はね。

もっと、沢山だった気がする。


この間、踏まれたんだ。

少し、小さくなったんだ。

この間、潰されたんだ。

少し、小さくなったんだ。

この間、打ち合わせたんだ。

少し、小さくなったんだ。

この間、落っこちだんだ。

少し、小さくなったんだ。


大きかったころは、もっと尖っていた?

大きかったころは、もっと歪だった?

大きかったころは、もっと「ヒナタ」と「ヒカゲ」があった?

大きかったころは、もっと「トモダチ」が多かった?


カドガトレテ、マアルクナッタ。

デコボコガケズレテ、タイラニナッタ。

カゲカナクナッテ、ヒガアタルヨウニナッタ。

トッカカリガナクテ、ミンナハナレテイッタ。


そうして、僕は、いしころになった。

いしじゃなくなった。

ころがついた。


誰かのために、なんて、大義名分。

縁の下の力持ち、なんて、綺麗事。


隣を見れば、ころがいる。

たくさん、たくさん、並んでる。


そうやって、大きな荷物を運んでいる。


いしは、しゃべらない。


ただ、黙々と、音を出す。


ごーろごーろ。

いしころは、いしから、ころになったって、知っているのかな。

つるんとしているんだね。

平気な顔してるね。

濡れても、すぐに乾くんだろうな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ