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榊龍星の調査報告

 ちょっと思いついた絡みなので、書いてみました。

「お名前とご用件をお願い致します」

「名は榊龍星、一条総書記との面会予定があってきました」

「畏まりました。ではそちらの端末に、D-Phoneの提示を――はい、ありがとうございます。入場許可は出ておりますので、こちらをどうぞ」

 場所は、生徒会議事堂ビル。

 学生による学園都市の内政運営を司る拠点であるこの場所に、外来許可証を首から下げた龍星は指定された場所へ歩を進めている。

 生徒会は内政を担当する部署である事もあってか、各初等部の生徒会に選ばれた時点で所属が決定されると言う、比較的早い段階からの人材育成を進めている。

「この懸案だけど……どう思う?」

「これじゃやっぱり、資金がかかり過ぎじゃないかな?」

「あんまりお金かけると、先輩たちに怒られちゃうよ」


「……口調はともかく、内容が明らかに子供の会話じゃないな」

 道すがら、初等部の少年少女が生徒会の懸案書類を手に、年不相応の会話をしているのを耳にし、龍星も年上として恥ずかしい姿をさらせないなと表情を引き締めた。


 コンコンッ!


「はい?」

「榊龍星です。依頼の報告に参りました」

「どうぞ」

「失礼します」

 宇宙の執務室につくと、ノックをして中へ。

 相手が生徒会総書記と言う事もあり、如何に年上と言えど公の場では形式上、敬語を使わねばならない為、龍星もそれに則った行動をとる。

「――では早速、報告を聞かせて貰いましょう」

 宇宙の執務室は、生徒会最高権力の一角を担う総書記と言う立場上、広く造られている。

 宇宙の仕事用の机に椅子は勿論の事、秘書の仕事場も兼ねているらしい机も備え付けられており、応接用のテーブルにソファーがあり、コーヒーメーカー等来賓のもてなし用品も備え付けられている。

 龍星も部屋に通されると、宇宙に促され応接用のソファーに腰掛けて、依頼された仕事の報告を行う。

「――以上が報告となります」

「わかりました。では報酬はいつも通り、指定の口座に振り込んでおきましょう――もう良いですよ」

「……わかった」

 報告が終わり、宇宙に促されると龍星は恰好を崩した。

「顔色悪いぞ。ちゃんと寝てるのか?」

「――最近、片付けないといけない案件が多くて」

「おいおい、お前に倒れて貰ったら生徒会が傾く上に、宇佐美ちゃんが悲しむだろう?」

「心配しなくても、榊さんの報告を纏め終わったら一眠りする予定です。部下たちにも宇佐美にも、心配掛けたくありませんから」

 芸能科として通用する宇佐美の兄だからか、宇宙は優しそうな端正な顔立ちをしている。

 ただ今は、疲労の色が濃く出ており、気丈に振る舞っている物の隠しきれてはいない。

「――その言葉、あのバカ達にも聞かせてやりたい物だな」

 そう呟いた龍星は、今し方の報告事項を思い返し、毒気付いた。

 実は龍星に東城太助の捕縛を依頼したのは宇宙で、龍星は太助を追う最中――様々な悪意と対面する事ばかりだった。

 そして、今回も……。

「酷い物だったぞ。生徒会がいじめをもみ消すどころか、賄賂を前提として推奨していただなんて」

「――それはやはり、東城の足跡を追う上で知った事、ですね?」

「ああっ――東城に法で裁けない悪意を挫く事を、目的の1つにしてるのは間違いない。調査のめどがついて、保安部連れてった時には」

「いつも通り、既に怯えきった状態で捕縛されていた」

「そうだ――さて、どうする?」

「――調査はそのまま続けてください。以前にも言いましたが、不正の痕跡を見つけた場合は、そちらの調査を優先するように」

「わかってる」

「それと……宇佐美はどうでした?」

「頑張ってるよ。お前の名に傷がつく事はないと断言できる――裕樹に関しては、いつも通りだが」

「それはいろんな意味で覚悟しなきゃいけない事だから良いです」


 最近ふと思った事。

 --どうして裕樹とひばりのカップリング系になると、急にぱったりと感想途切れるんだろ?

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