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ひばりと月の一時

ひばりと月の会話でございます

欠かせないかつ、面白い絡みなので、お気に入りの部類です。


今一番熱中してるのは、やっぱ裕樹とひばりのカップリングなので。

色々とネタを考えつつ、どんな感じで結ばれるのかを考えるのが、今は楽しいです。

「最近どうなの?」

「何がですか?」

「裕香ちゃんとの生活よ。今一緒に住んでるんでしょ?」

 就業が終わり、帰ろうと言う時にひばりは月と鉢合わせ。

 いつものように抱きあげられ、近くの休憩所のベンチへと強制連行された後に、こちらもいつものようにお詫びとして飲み物を買って貰い、談話の準備完了。

「大して変わりませんよ。今までだって良く預かってましたから」

「大して変わってるわよ、明らかにね」

「そう、ですか?」

「そうよ。それに合わせた様に、ユウと一緒に居る時間が増えてる事も含めてね」

「裕樹さんとあってるのは、定期報告みたいなものです。妹さんを預からせて貰ってる訳ですから」

「預からせて貰って――もしかして、ひばりから言いだしたの? 裕香ちゃんを預かりたいって」

「はい。あたしから、裕樹さんに頼んだんです」

 そこで月は疑問に思った。

 確かにひばりは、自分の知る限りでは裕香に一番懐かれてて、良く裕樹が仕事で出張る際には預かる頻度が一番多い。

 しかし、自分からと言うのは今までになかった筈だし、最近は明らかに呼び方を始めとする裕樹との距離が縮まっているどころか、自分でさえ踏み込めない壁を越えている。

「――呼び方変えたの?」

「はい――ちょっとした、心境の変化がありまして」

「心境、ねえ――確かにちょっと前までは、どことなく影があると言うか、危うささえ感じる様な部分があったけど、今は違う――まるで憑き物が落ちたかのように、生き生きとしてる。笑ってる時なんか、それが顕著に表れてる物」

「生き生きと、ですか?」

「そうよ――わかり易く言えば、以前が無理してて今は自然って所かな? ……ひばりを変えたのは、やっぱり恋?」

「ちっ、違います! ただ――あの、月さん。今から話す事は……」

「秘密厳守って事なら大丈夫よ」

 ひばりは深呼吸をして、月に話し始める。

 ひばりの過去――今でも罪として、重くのしかかっているあの出来事を。

「――成程ね」

「……今まで黙ってた事は、本当にごめんなさい。だけど、これだけは」

「良いの。ひばりがそう言う子だって知ってるし、話してくれる気になってくれた事は素直に嬉しいから」

一番最初がユウだって言うのは、悔しさもちょっと混ざるけど。

 と、月はくすりとからかうような口調で、そうつけるのを忘れない。

「でも、流石に惹かれてる相手じゃ仕方ないかな」

「だから、惹かれてって……!」

「今まで誰にも話さなかった事を告白した時点で、彼に惹かれてる――あるいは、惹かれてる部分があるのは明白よ?」

「……やっぱり、そう、なんでしょうか?」

 ――どうやら、まだ部分だけみたいね。

 と、月は内心、ひばりの複雑な心境を想い浮かべながら、そう結論付けた上で考える。

「――とは言え、どうしたものかな?」

 朝霧裕樹。

 月も裕樹とそれなりに付き合いがあり、嫌いと言う訳でもなければひばりの相手として不満がある訳でもない。

 しかし、何故か異様なまでに女性の扱いがヘタクソで、デリカシーが微塵もなく、セクハラ発言も堂々かつさらりとすると――月もどうフォローすれば良いかがわからないどころか、そのフォローさえも台無しにしかねないと……。

「どうかしました?」

「――どちらにせよ、ユウ相手じゃ色々と大変になるかなって思っただけ」

「ご心配なく。裕樹さんのデリカシーの無さは、あたしがしっかりと叩き直しますから」

「――あらそう?」

「はい!」

「ひばりったら、生き生きを通り越して逞しくなって……けどこれなら、ひばりのお母さんも安心して、2人を見守っていけるわね」



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