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屋台通りの事件(1)

 学園都市では、通常の競争や大会も勿論だが、親睦イベントも盛んに行われている

 人情派で知られてる生徒会総書記、一条宇宙の親睦イベントを推してる事もあり、最近ではイベント自体が広く門戸が開かれた物になっている。

 その親睦イベントは屋台通りでも行われており、本日は流しそうめんが行われる。

「まあ勿論、設置や準備は皆でやるんだけどね」

 流しそうめんの設置準備を終えて、光一がタオルで額を拭いながら、休憩スペースで涼を取る。

 こういう親睦イベントでは、主に男子は力仕事や肉体労働で、食材の準備等は女子の仕事となるが、基本的に肉体労働が苦手な光一はいつもバテバテとなる。

 大勢でやる事もあって、流しそうめん用の器具ではなく、本格的な竹細工使用となる。

「大丈夫?」

「――に見えるか?」

「「「全然」」」

「……3人揃ってハモるんかい」

 自分の担当してた仕事を終えて、同じく休憩スペースで涼を取っていたつぐみ、みなも、歩美も交えて、4人は同じ備え付けたテーブルに着く。

「今年のそうめんは?」

「手配は出来てるよ。私達の準備は、つゆの方がメイン」

「つゆ自体は皆で作る事になりましゅたから」

「良い出来ですから、楽しみにしててください」

「ん、わかった」

 元々屋台通りは趣味でやる人も多く、新商品の味見の頼み、商品の交換など頻繁に行われている等、競争より親睦感での向上する場の意味合いが強い。

 その為、親睦イベントに対して積極的な人が多い。

「当日、楽しみだね」

「このイベント、宇佐美ちゃんも一曲披露してくれるそうれしゅよ」

「そりゃ盛り上がる事間違いないな」


――そして、流しそうめん当日

「ん? なんだ?」

 いつものように、歩美を後ろに乗せたバイクを駆り、屋台通りにやって来た光一は何やら騒がしい事を疑問に思いつつ、駐輪場にバイクを停めて騒ぎに駆け寄る

「なんだよ、どうしたんだ?」

「あっ、久遠。それが――」


「はい、道をあけて!」

「保安部です!」

 高峰光の率いる保安部隊が駆け付け、騒ぎの群衆が道を開ける。

 そこから見えた物は……

「なっ!」

「酷い……!」

 無残に壊された、流しそうめんの竹細工。

 そしてその上に、準備したそうめんとつゆを詰めていたタンクが、踏み荒らされたかのようにぐしゃぐしゃになって、ぶちまけられていた。


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