表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
75/402

過去との対面(3)

 ひばりは、母の事を裕樹に少しずつだが、説明した。

 母は仕事で家を留守にしている事が多かったが、とても優しくて明るくお茶目で――ひばり分補充と言って、良く抱っこして可愛がってくれていた事。

 また、幼馴染の2人の事も大切に思っていて、よく冗談交じりのやりとりをする、とても親しみのもてる人だった事。

 更に言えば悪戯好きで、自分の声真似は実は母親譲りで、更には学園都市の特別講師として採用される程の演技力もあり、それらを使ってよく悪戯していた事。

 それらを裕樹に、懐かしさと後ろ暗さの入り混じった表情で、ゆっくりと説明。

「良いお母さんだったんだね? ――ひばりが今でも引き摺ってる理由、わかる気がする」

「――はい」

「会ってみたかったな――きっと裕香も気に入って、今からでもお母さんなんて呼んで甘えてそうだ」

「そうですね――お母さんも裕香ちゃんを気に入って、本当に娘にしたがったと思います」

「そっか。やっぱ俺の思っ……」

「やめてください!」

 そこでひばりが、裕樹すらもぎょっと目を見開くほどの大声で遮ると、手で顔を覆いそのまま黙ってしまう。

 裕樹は最初こそ疑問符を浮かべる物の、何となくだが事情を察し、そのまま黙る。

「お母さんが一体何を思って、あたしに“良い子で”なんて遺したのか――確かに贖罪の為だけを考えて、そんな事1度も考えた事はありません」

「ひばり」

「……だけど、今更どうしたらいいって言うんですか? あたしはこの罪を、忘れる事も誤魔化す事も出来ない! ――あたしは、良い子で居る以外の生き方なんて、もう出来なければ考える事も出来ない! なのに……」

「――ごめん」

 裕樹の絞りだす様なその言葉に、ひばりは顔を覆う手を外し――

 ひばりに向けて、頭を下げる格好の裕樹を見て、涙が未だに流れる眼を見開く。

「……考えてみれば、ひばりがこんな事誰かに相談する訳がなかった」

「……ユウ、さん」

「――なのに、こんな軽率な事して……最低だな、俺」

 違う――ひばりはそう言いたかったが、声が出なかった。

 ただ、その代わり――

「――“良い子”って、何なのかな?」

 という言葉が、無意識に出ていた。

 言った本人も、何故こんな言葉が出たのかは分からなかったが、そのまま黙って裕樹を見つめる。

 ――裕樹の答えを、本能が知りたがっているかのように。

「――今目の前に居る……可愛い妹に心底懐かれてる子が、良い子じゃない訳あるかよ……だから」

 “良い子ってのは、誰かに愛される子の事だろ”

 裕樹の言葉に、ひばりは――


5回は書き直しました。


本気でのめり込むと、苦労だなんて思えないからすごいですね。

それだけ自分の中で、裕樹とひばりのカップリング熱がすごいと、改めて実感。


さて、ここからどうした物か?

ひばりんフラグはまだまだ、はるか彼方……辿り着けるか?



早く朝霧兄妹とひばりんの家族系カップリング作品書きたいです

実はもうネタ自体はあったりして


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ