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姉妹みたいな一時を(ひばり編 その3)

「ひばり姉ちゃん!」

「あっ、裕香ちゃん……に、お友達?」

 授業を終えて、仕事に行く途中。

 ひばりは友達と一緒に遊びに来たらしい裕香と出くわした。

「今から仕事?」

「そうだよ。裕香ちゃんは、友達とお出かけ?」

「うん。みっちゃんになっちゃん、支倉ひばり姉ちゃん」

「初めまして、よろしくね。ひばりちゃんって呼んでいいかな?」

「ゆーちゃんのお友達同士、仲良くしようね?」

「えっ、えっと……よろしく、ね?」

 裕香の友人は同年代と会話するような、気さくな雰囲気でひばりにご挨拶。

 裕香がはっと気がつき――

「あの、みっちゃんになっちゃん、ひばり姉ちゃんはユウ兄ちゃんの1つ下だよ?」

「「へぇっ、ゆーちゃんのお兄さんの……えっ?」」

「――あの、姉ちゃんって言ったよね? ……まあ私も、やっぱりとは思ったけど」

「ごっ、ごめんなさい!」

「身長近いから、てっきり1つ上か同じくらいかと……!」

「……良いよ、気にしてないから」

「どう見ても気にしてる様な……」

 苦笑しつつ、どう見ても雰囲気がどんよりしてるひばりが、やんわりと2人に宥めるのに、裕香がツッコミを入れる。

「でも、私にとってはお姉ちゃんみたいな人なんだよ。料理は上手だし、声真似がすっごく上手だし、ユウ兄ちゃんが家を留守にしてる間は私の面倒見てくれるんだから」

「そっ、そうなんだ」

「やっぱり、高校生のお姉さんなんだね――ねえ、ゆーちゃん」

「何?」

「もしかして支倉先輩って、ゆーちゃんのお兄さんと付き合ってるとか?」

「ふぇっ!!? ちっ、違うよ!」

 突然の爆弾発言に、ひばりが顔を赤くしながら慌てて否定。

 裕香もその様子に苦笑して――。

「うん、違うよ。まあひばり姉ちゃんだったら、私もお姉ちゃんに欲しいって思うけど」

「えっと……」

「ねえなっちゃん、失礼だよ?」

「あっ! ……ごっ、ごめんなさい!」

「それはまあ、気にしてないから良いよ。それに裕香ちゃんだって、あたし以上に良いお姉さんになってくれる人が……」

「あれ? 裕香にひばり――それに裕香の友達の、確かみっちゃんとなっちゃんだっけ? どうしたの、こんな所で?」

 そこへ話の中心になっていた、朝霧裕樹本人が通りがかった

……頬にビンタ痕をくっきりと残し、それをさすりながら

「どうしたはあたし達のセリフです! ……またですか、ユウさん」

「いや、最近どうもなあ……あははっ」

「――どうしてこう、裕香ちゃんを宥めるどころか、逆にあたしが懐柔されそうな流れになるんだろ?」


「……噂、ホントだったんだ?」

「……強いのは知ってるけど、なんだかすごく意外」

「あっ、あははっ……」


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