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屋台通りの華やかで穏やかな日常の1シーン

「よいっしょっと」

「材料は……うん、こんなものかな?」

 もうすぐ午後のサイクルの授業及び、一部の部活やサークル活動が終わる時分にて、学園都市のとある一角にある、通称屋台通りは準備に追われていた。

 屋台通りはそれらを対象にした商売である為、その時間帯を想定しての準備時間な必要となる。

 これが店や料理系のサークルであれば楽なのだが、個人となると大変になり……。

「ふうっ……」

「あの、大丈夫ですか?」

「まあ、なんとか」

 肉体労働が苦手な光一には、大変どころの話では無かったりする。

 久遠光一は 保安部の訓練、電子ツールおよび電子召喚獣の研究、そして屋台の運営と、結構幅広い活動を行っている。

 ただ、研究が本来の専攻で、訓練はその延長線上で――屋台運営は、趣味の延長線上と偶然が重なりあった結果である。

「まさか、研究の間の小腹の為の物が、ここまでになるとは思わなかった」

「それなら普通、もっとお手軽な物しか作れなくないですか?」

「いやあ、やり始めると結構はまっちまってなあ」

「……まあ、それが縁で先輩とこうして一緒に屋台やってる訳ですから、文句なんて言える訳がありませんし、言いたくもありませんけど」


「歩美ちゃんの言う通りだよ」

「光一君のお菓子は、美味しいれしゅから」

会話に入ってきたのは、光一達の屋台の隣で屋台出店してる、料理サークル所属の女子2名。

年不相応に小柄な体躯に、リスのしっぽの様なポニーテールが特徴的な、雨宮つぐみ。

 噛んで恥ずかしそうに顔を赤らめ、涙目になってる若干垂れ目の、内気で人みしりそうな雰囲気の少女、涼宮みなも

「よう、つぐみに……まずは落ち着こうな、みなも」

「こんにちは、つぐみ先輩にみなも先輩」

 屋台通りのマナーとして、屋台運営者同士友好的に。

 歩美が料理が好きだと言う共通点があり、互いに打ち解けるのが早かった事から、つぐみにみなもも先輩として歩美にアドバイスをあげる等、友好的な間柄を築いている。

「そちらは、今日はカップケーキですか?」

「うん。それでつぐみちゃんと一緒に、歩美ちゃんと光一君にお裾分けを届けに」

「光一君達は今日、何を出すの?」

「二重焼き。内容は赤あん、白あん、クリーム、チョコレート――で、はい」

 問いかけたつぐみと、カップケーキを手にしたみなもに、光一はそれぞれ1個ずつを入れた袋を差しだす。

「お互いにお裾分けって事で。後で感想聞かせて貰えるか?」

「うん、いいよ。それじゃ、みなもちゃん」

「そっ、それじゃあ、またあろれ」

「頑張れよ、看板娘達――さて、そろそろだな。カップケーキ食ったら、営業開始だ」

「はい。まずはいただきます」


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