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繋いだ手、伝わる気持ち

ひばりん熱、夏の日差しにも負けない位に燃え滾っております。

いやあ、ついた火がなかなか消えない。


なので、裕樹とひばりのちょっとした1コマです。

「ありがとうございます、運んで頂くなんて」

「良いよ別に。それにしても、なんでこんな量を?」

「――今日は、欲しい食材が多くて、つい」

 学園都市にも、スーパーマーケットは存在する(学生経営)。

 ひばり御用達でもある店にて、本日ひばりの意欲をかき立てる食材の多数入荷があって、ついつい買い込んでしまい、たまたま居合わせた裕樹の手を借りて、帰路についている。

 ひばりにとっての大荷物でも、裕樹にとっては問題ですらないらしく、平然とひばりの歩幅に合わせて歩いていて、ひばりでは裕樹を見上げる形になるので表情は見えないが、間違いなく表情も変わっていない事が見なくてもわかる。

「大丈夫か? どう見てもひばりの胃袋に収まる量じゃないけど?」

「日持ちする物ばかりだから大丈夫です」

「流石、食に携わる者として、ただの衝動買いはしないってか? 恐れ入ったよ」

 ふとひばりは、裕樹が抱えている荷物に向けるつもりの眼を、裕樹の手に向ける。

 タコと傷の目立つごつごつとした手で、以前手をつないだ時は堅い感触だった事と、自分の手など簡単に包める様な大きな手だった事を覚えている。

 それも見かけ倒しなどではなく、反動なしでリンゴ1個簡単に握りつぶして、ジュースにしていたのを見た事がある為、尚更に大きく強い物に感じられた。

「ん? どうかし――って、なんかいい匂いがするな?」

「え? ――ホントだ、なんだかおいしそうな……あっ、あそこ。ケバブ売ってますよ」

「なら早速。兄ちゃん、ケバブ2つ」

「へい毎度」

 裕樹の払いでケバブを2つ購入し、1つひばりに。

 そして荷物を抱え直して、裕樹はケバブを受け取る。

「よかったねお嬢ちゃん、優しい兄ちゃんで」

「おじょ……ちっちゃくないよ!」

「いやいや、この子俺の1つ下」

「あっ、そうだったの? それはすまなかった」

 ただ、店員に子供扱いされた為、ひばりはあまり良い気分じゃなかった。

 ――とはいえ。

「――そりゃあ、ユウさんと並んだら小さく見えても、おかしくないけど」

 裕樹との体格の差を感じていた矢先の事なので、否定が出来ずにいた。

「――そうだな、ひばりはちっちゃくないよ」

「ユウさん、お世辞はやめて下さい」

「俺の中じゃ、大きな存在だからね」

「――! もっ、もうっ。やめてくださいよ、そう言う冗談……じゃなくて、不意打ちは」

「いやいや、つい……」


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