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朝霧裕香の華麗にして波乱万丈な休日(2)

「おいおい、今日はカップルデーかよ? なんか中等部位のもいるし」

「えと……最近の子供って、進んでるんですね」

「そう言えば、私の友達も男友達とどっか出かけたりとか、そう言う話するかな?」

「おいおいマジか? ――ヤバい、なんか危機感が」

「ユウさん、子供のやることで危機感抱かないでください」

 裕樹達が入ったのはファミレス風の店で、昼食時だからか賑わっている。

 ただ、ここでもいたるところにカップルの光景があり、肩身の狭さは変わらなかった。

「なんだか私達、完全に浮いてるよね」

「仕方ないだろ。俺達はデートって訳じゃないんだから」

「そうだよ。裕香ちゃんが映画見たいって言うから、その保護者としてついてきただけで」

「……ぶーっ」

 裕樹とひばりの返答がお気に召さないのか、むくれた様に裕香は頬を膨らませる

 ひばりは裕香の言いたい事は一応わかっていた物の、それ以上は何も言えずただ苦笑するだけ。

「やれやれ……ちょっとお冷のおかわり貰って来る」

 そう言って裕樹はグラスを持って、席から離れて行った。

 その背中を見送ると、裕香はさっきとは打って変わり、しょんぼりした様な顔で不安そうにひばりを見つめる。

「? どうかしたの?」

「――やっぱり、迷惑かな?」

「え? 迷惑なんて、そんなことないよ」

「……そう?」

「うん。あたしをお姉ちゃんに欲しいって言ってくれるのは、すごく嬉しいよ。だけど……」

 ひばりはそこで言いあぐねているのか、裕香から顔をそらした。

 その表情から何かを察したのか、裕香もそれを追求する事はしなかった。

 ただし……

「――私、ひばり姉ちゃん大好きだからね」

「えっと……どうしたの一体?」

「なんでかわからないけど、そう言わなきゃいけない気がしたから」

 唐突な言葉に驚きはしつつも、裕香の気持ちに嬉しさがこみ上げるのを感じながら――

「……ありがとう」

 ひばりは裕香も見惚れるような柔らかな笑顔で、そう返した。

「ただいま――? あれ、何かあった?」

「――いえ、何もありません」

「そう? ――まあそれなら良いか。それより、メシ食ったらどうする?」

「――私、服が見たいな。ひばり姉ちゃん、選んでくれない?」

「良いよ。可愛いの選んであげるからね」

「……? ――俺のいない所で一体何があったんだ?」

 ひばりと裕香が2人で盛り上がる中で、すっかり取り残された裕樹は持って帰って来たお冷を1口。

「……やっぱ女ってよくわからん」


今回は大半勢いで書いた様な物です。

でも、この話を続けるうえで重要なファクターになる予感


ひばりにとっての裕香の大好きと言う言葉は、どんな物か。

それが今後の展開を左右するような、そんな気がしてます。

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