とある3人の男子会
「――女ってのは、よくわからん」
「「いや、ユウ(裕樹)が特別にわかってないだけだ」」
「ハモるんかい」
所は、学園都市にある、武田カンパニー経営のジャズバー。
と言っても、雰囲気をジャズバーっぽくしてるだけの喫茶店で、メニューもジュースを始めとした、スタンダードな物となっているお店。
そこの雰囲気が気に入ってるため、裕樹は時折光一や龍星を誘い、カウンター席でコーラを手に大人な気分を満喫しながら、男だけで談笑する。
「で、今度は何があった?」
「おい待て光一、なんで――」
「裕樹からそう言う言葉が出る事自体、尋常ではないからな」
「陣乗って言葉が出るんかい――まあ良い。実はな……
ジャズの演奏が終わり、周囲が拍手喝さい。
勿論演奏者は、武田カンパニーに雇われた 音楽系志望の学生である。
「――って訳」
「――成程。お姉ちゃんが欲しい、ねえ。それであのぼやきか」
「裕香ちゃんも、姉を欲しがる様になったか――良いお兄さんやってるじゃないか」
「――茶化すなよ」
「で、どうすんだ?」
「まずひばりに声かけてみた」
「「――え?」」
「またハモりかい」
2人は演奏の方に目を向け、光一はサイダー、龍星はウーロン茶のグラスを傾ける。
「……いや、悪い悪い。意外だったもんで」
「まさか既に声かけてるとは思わなくてな――で、どうだったんだ?」
「終始恥ずかしがられた上に遠慮しまくられた」
「――想像できるな」
「ああっ――しかし、よもや裕樹からそう言う話を聞ける日が来るとは」
「酷いなおい」
3人がグラスを空けると、カウンター席から立ち上がる。
「んじゃ、良い話聞けた事だし、今日は俺はらいで」
「――じゃあお言葉に甘えるか」
光一が財布を取り出し、2人は先に店の外へ。
ジャズの演奏を背に浴びながら。




