幼心の道標
これ本当は、大罪と美徳の短編ネタで考えてた物です。
上手くまとめられず、放置だったのを思い出し、今回書いてみました。
「――ねえ、ひばり姉ちゃん」
「どうしたの、裕香ちゃん?」
「あたしのお姉ちゃんって、一体どんな人がなってくれるかな?」
「裕香ちゃんの、かあ……うーん……」
「――ひばり姉ちゃんは、ダメなの?」
「ふぇっ!?」
「あたし、ひばり姉ちゃん大好きだよ。だから、お姉ちゃんになってくれたらなあって」
「あのね裕香ちゃん、そう言う事は――」
朝霧裕樹の妹、裕香はひばりによくなついている。
ひばり自身、体躯の事もあり子供の様にみられる事が多い中で、自分を姉のように慕ってくれる裕香の事は、同じ位に妹の様に可愛がっている。
そんな妹の様な女の子からの――
「お姉ちゃんが、か……ははっ、耳が痛いな」
その少し後に、ひばりは少しボカして裕樹に伝えた。
主に“あたしのお姉ちゃんって”――と言う所を重点的にし、それ以降は触れない様に。
「それで、どうなんですか?」
「いや、今のところ全然」
「――でしょうね」
ひばりは本来言いたい事を呑みこんだ。
裕樹は決して悪人と言う訳ではないが、事女性の扱い方に関しては最悪レベルなのは、既に学園都市の常識レベルに有名な話。
しかしその反面で、無意識に女性を口説くあるいはドキドキなイベントを起こす事があり、彼の女性からの人気は悪いとは決して言えない――勿論、良いとも言えない。
「――誰かこの人って人はいないんですか?」
「いや、特には――と言うか、女との繋がりなんてほぼ全部仕事関係だし、プロとして依頼人に手を出すのは流石に」
「じゃあつぐみちゃんにみなもちゃん、アスカさんに宇佐美ちゃんはどうなんですか?」
「そりゃ、彼女にするには申し分ないだろうけど――なんか、随分と熱心だな?」
「熱心になりますよ。他ならぬ裕香ちゃんの為ですから」
「…………」
「――? どうかしたんですか?」
「……ひばり、何か隠してないか?」
「何も隠してません」
「…………ま、そう言う事にしとくか」
それなりに付き合いも長い為、裕樹は追求しても無駄だとわかっている為、特に何も言わなかった。
ひばりも自覚のない部分で、化かし合いで裕樹を騙し通せない事は十分理解していた為、安心していた。
「――わかった。じゃあ女性との付き合いについて、前向きに考えるとするか」
「そうしてください。裕香ちゃんだって――」
「と言う訳でひばり、これからちょっと良い?」
「ふぇっ!!?」




